「世界最硬」ダイヤ

「地球物理学科」という学科があることに気づいたのは、筆者の学生時代。体育会に入部してきた後輩が、その学科に在籍していたことから、様々学科の内容について質問しました。それから、随分時を経て「理学部地球物理学科」という文字が新聞紙面に掲載されているのを見つけました。産経新聞(2019.7.12)からの引用です。https://www.sankei.com/premium/news/190712/prm1907120001-n1.html

世界一硬いとされる「ヒメダイヤ」(産経新聞)

世界最硬」ダイヤは愛媛で生まれた

「世界一硬い」とされるダイヤモンドが8月9日まで、文部科学省(東京)で展示されている。愛媛大地球深部ダイナミクス研究センター長の入舩徹男(いりふね・てつお)教授(65)が開発したナノ多結晶ダイヤモンド「ヒメダイヤ」だ。天然ダイヤをすりつぶす硬度を誇る。工業利用をはじめとする可能性の広がりに世界中から注目が集まっているが、“世界最硬”のダイヤモンドが生まれたのは偶然がきっかけだったという。

実験は失敗。だが…

 入舩教授は京都大学理学部地球物理学科卒。名古屋大で修士課程、北海道大で博士課程を修了し、1984年から3年間、オーストラリア国立大の地球科学研究所博士研究員として過ごした。

85年、海底に沈み込む物質・玄武岩が高温高圧下でどう変化するのかを調べていて、実験室の装置で15万気圧をかけて玄武岩の試料を熱した。目標は1500度。ところが一瞬のうちに温度が目標を上回り、試料は溶け、周囲の物質と反応してぐちゃぐちゃになってしまった。

実験は失敗。でも、そのときガラスのような光るものを見つけた。試料を包むカプセルにグラファイト(炭素の鉱物)を使っていたので、あれ?ダイヤモンドかなと思った」

 天然のダイヤモンドは地下150~250キロの場所でグラファイトに超高圧超高温が加わることでできる。一方、人工ダイヤモンドの合成ではグラファイトに5万~6万気圧をかけ、金属の触媒を使って再結晶させる。

 ダイヤモンドは直接の研究対象ではなかったため詳しく調べることはしなかった。だが、ずっと頭の片隅から離れなかったという。

愛媛ミカンの色合い

 89年、入舩教授は愛媛大学の助教授に着任。90年ごろからダイヤモンドの再現実験を始めた。ところがそう簡単にダイヤモンドはできなかった。

 しかし、1人でこつこつと実験を繰り返していたところ、5年後、ついにダイヤモンドを作ることに成功した。「予想より高い温度が必要で装置の限界の2500度まで上げた。25万気圧をかけ、やっとできた」

できたダイヤモンドはミカン色に近い。愛媛といえばミカンなので「ヒメダイヤ」と名付けた。特性は1粒が10ナノメートルの多結晶(多くの結晶の集まり)で、世界一硬いこと。「10ナノメートルは1ミリの10万分の1。それがぎっしり詰まっている。ナノ領域の多結晶は単結晶より硬くなるんです」

 世界一硬いのに、ヒメダイヤは特殊なレーザーを使うと加工が容易なことが分かった。表面をつるつるに研磨することもできる。

研究は2003年に英科学誌「ネイチャー」で発表。世界的に注目が高まり、現在は約30グループと研究を進めている。

ヒメダイヤを惑星研究などにも役立てたいと話す入舩徹男教授=6月(産経新聞)

地球外惑星の研究に活用

 松山市の愛媛大キャンパスにある地球深部ダイナミクス研究センターには、ヒメダイヤの実験・研究を可能とするための大型の実験装置がそろう。いずれも「ORANGE(オレンジ)-」や「BOTCHAN(ぼっちゃん)」など愛媛を意識した名前が付けられている。実験室の名前も文豪・夏目漱石をもじった「創石(そうせき)実験室」だ。

愛媛大地球深部ダイナミクス研究センターにある超高圧合成装置「BOTCHAN」=6月(産経新聞)

 こうした環境で技術開発した結果、1センチ大のヒメダイヤを生み出せるまでになった。切削工具として商品化されているほか、高圧下で原子の結合を見る実験などに活用できるという。

・・・日本人の科学者が、世界的な功績を上げることは、現在の若者を大いに啓発します。結果が出た研究だけでなく、将来につながる基礎研究などをしっかり国が後援することによって、若き研究者を育てることが肝要です。
posted by at 13:59  |  塾長blog

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