論語に学ぶ 学びの里講演会

長崎市五島町にある羅針塾 学習塾・幼児教室https://rashinjyuku.com/wpでは、長崎くんちの最終日、十月九日に佐賀県多久市で開催された『論語に学ぶ〜論語は美しい言葉と智慧の宝庫』(講師 安岡定子氏)を受講してきました。遠くは沖縄からも参加者があり、多久市の教育にかける力を感じさせるものでした。

講師の安岡先生は、知る人ぞ知る歴代首相の施政方針に朱筆を入れ助言された漢学者、安岡正篤先生のお孫さんです。「銀座・寺子屋こども論語塾」の代表として、『論語』をわかりやすく講義されています。http://www.sadakorongo.com/?p=301

その講義の資料からの引用です。

■孔子はどんな人?(前五五一〜前四七九年)

「人間いかに生きるべきか」を生涯追求した人物。

 二千五百年前、中国の春秋時代に魯の国に生まれた大思想家・学者・教育者です。特に儒学の祖として知られています。始めろの国の下級役人となり、五四歳の時に大司寇(司法と警察を司る長官)になります。魯の国の大改革をしようとしますが、反対派によって失脚させられます。その後の十数年は諸国を遊歴し、諸侯に自分の思想・哲学を説き、理想の政治の実現を目指しました。しかしその思いはなかなか受け入れられず、晩年は故郷の魯に帰り、門人の教育と古典の整理・編纂に力を尽くしました。

 気難しく、堅苦しい道徳や倫理ばかりを述べている人物のように思われていますが、決してそのようなことはなく、かなりの苦労人であり、人間味豊かでユーモアもある人物像は、とても魅力的です。人間にとって一番大切なものは、仁ー思いやりの気持ちーであると語り続けました。

 ■「論語」について

 古典中の古典。人生必読の書。

『論語』は中国の古典、四書五経の一つです。孔子の言行や弟子たちとの問答などを記録した書物です。二〇編約五〇〇章からなり、講師の思想の真髄を伝えるものとして、後世に大きな影響を与えてきました。また孔子の人柄を知る上でも、貴重な書物です。その中心的主張は「仁ー思いやりの心・愛情ー」の重要性です。戦乱の世にあって、理想の人物像・理想の政治の実現に最も大切なものは、「仁」であると孔子は説いています。

 日本では、江戸時代に藩校や寺子屋で盛んに読まれていました。大きな声で元気に繰り返し読んでいるうちに、名文・名句が体に心に染み込んでいきます。成長と共に経験や知識が加わり意味を理解できるようになり、やがてその言葉の魅力に気づきます。

 日本人の豊かな感性、優しい心、清く強い精神力、あるいは困難や悲しみを乗り越える力は、こうしてゆっくり育まれてきました。そして往くべき道に悩んだ時、くじけそうな時、様々な場面で心の拠り所となってきました。実業家・渋澤栄一氏や湯川秀樹博士をはじめとする、多くの実業家や学者、政治家、作家なども影響を受けています。私たち日本人には、とても身近な書物だったのです。

多くの論語の文言の中から、安岡先生は以下を例示されて子供さん達の導きの手法を講義されました。

学ぶこと・友達を作ること・理想の人を目指すこと。

学んで時に之(之)を習う、亦説(またよろこ)ばしからずや。

朋(とも)有り、遠方より來る、亦(また)楽しからず。

人知らずして慍(いきどお)らず、亦(また)君子ならずや。

昔の人の教えを大切にする。

故(ふる)きを温(たず)ねて新しきを知れば、以(も)って師と為(な)るべし。

先のことを考えて行動しよう。

人にして遠き慮(おもんばか)り無ければ、必ず近き憂(うれ)い有り。

良い習慣が大切。

性(せい)、相(あい)近し。習い、相(あい)遠し。

素敵な人からたくさん学ぼう。

教えありて、類(るい)無し。

★志を持つ。

道に志(こころざ)し、徳に拠り、仁に拠り、芸に游ぶ。

よき仲間を持つ。

君子は文(ぶん)を以(もっ)て友を会し、友を以(もっ)て仁を輔(たす)く。

講演会の後、早速孔子を祀る廟である多久聖廟に詣りました。https://www.city.taku.lg.jp/main/5084.html

多久家の四代領主多久茂文(たくしげふみ)は人材育成に重きを置いた人物で、のちに東原庠舎(とうげんしょうしゃ)と呼ばれる学問所を建て、そのシンボルとして宝永5年(1708年)に孔子像、四配(しはい・顔子、曽子、子思子、孟子)を祀る廟として多久聖廟は完成しました。多久は藩よりも小さい「邑(むら)」でしたが、この孔子廟はすばらしいものでした。国内に存在する孔子廟では足利(あしかが)学校(栃木県)、閑谷(しずたに)学校(岡山県)についで古く、またもっとも壮麗な孔子廟だといわれています。

多久市孔子の里発行の「論語カルタ」と「論語日めくり」

このように孔子と論語については、多久市が教育面で大いに力を注いでいるようです。東原庠舎(とうげんしょうしゃ)も見学しましたが、因みに、庠(しょう)は「まなびや、学校、故郷の学校の意」です。

当塾では、古典教育を重視していますので、今回の講演会は筆者にとっても改めて学び直しとなりました。多久市の関係者の方々に感謝申し上げます。

 

 

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