暗記する力を幼い時から身につけると、覚えようと意識しなくても言葉が自然に口の端にのぼるようになります。
長崎市五島町にある羅針塾学習塾・幼児教室では、リズムが有りメリハリの効いた文章を暗唱できるまで繰り返しています。
それは歴史を紐解くと古今東西を問わず、暗唱する力のある人は、長じてから様々な分野で活躍する事実に着目しているからです。
ブログを再構築しているため、掲載する日時に前後がありますが、改めて掲載しております。
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薩摩藩の郷中*(ごじゅう)教育の聖典といえる『島津いろは歌』を先にご紹介しました。
(*郷中(ごじゅう)は、薩摩藩の武士階級子弟の教育法。)
幼いときから人のあるべき道を学ぶ際には、難しい理屈は抜きで言葉の響きやリズムがあると、暗唱することが楽しくなります。
洋の東西を問わず偉人と呼ばれる人々には、幼少期からの早期教育と暗唱が人格形成に役立っています。
『なぜ幕末維新の志士たちは20代で大軍を指揮できたのか?』というコラム記事からです。
http://ameblo.jp/jyoho2040/entry-12168635195.html近年、暗唱の大切さがふたたび見直されている。
一見、無意味に思われてきた、繰り返し文章を音読する勉強法は、今の時代にも十分通用する。
古典や漢籍を意味もわからず暗唱することで脳を鍛えた武士たちは、明治時代になり外国語の習得に大いに役立った。
ドイツ留学組の人々は、ドイツ語の難しい文法を暗記するのに、漢文の素読で養われた記憶力が活用できた。
森林学者の本多静六(*)はドイツ留学において、ドイツ語の難しい財政学の本を丸暗記して、博士号試験に合格している。
これは小さい頃から古典学習が生かされた明治時代の話である。
(*本多静六 日本の林学博士、造園家、株式投資家。日本の「公園の父」といわれる)
欧州の偉人についても紹介されています。
ドイツの法学者カール・ヴィッテも
詩人のゲーテは8歳でギリシャ語、ラテン語、イタリア語、フランス語、ドイツ語ができたという。
早教育の賜物である。ドイツの法学者カール・ヴィッテも早い時期からの教育の大切さを唱えている。
ヴィッテ自身、父親から早期教育を受けた。
ちなみにその父親は大金持ちでも、貴族でもなく、田舎の一教育者であった。
ヴィッテは父からの教育により、ゲーテのように8歳でギリシャ語、英語、ラテン語、イタリア語、フランス語、ドイツ語ができるようになった。
そしてなんと数学、化学、物理学、生物学などを一通り理解し、9歳でライプツィッヒ大学の入学試験に合格したのだった。
ヴィッテはこういった能力について、遺伝や持って生まれたものではなく、明らかに親の早期教育のおかげだと言っている。
ちなみに彼は1814年に14歳で哲学博士を授与されている。
ヴィッテの父親は無理やり勉強をさせたようではなく、毎日お話を聞かせたようだ。
小さい子どもはお話が好きだし、大切なことだ。
またヴィッテが興味を引くように、家の器具や食べ物、体の部分、庭にある草木の名前などを教えた。
そのようなことを続けながら、3歳から読書に進んだ。
子供が興味をもったときにはじめて絵本を教え始めた。
また同時期に父親はヴィッテを連れて、1、2時間の散歩を行った。
絶え間なく話をしながら歩いたようだ。
道に咲いている植物をとって、父親が説明して、また父自身が知らないときは「分からない」ということをちゃんと言って、2人で本を調べたり、図書館に出向いて一緒に研究したのだった。
ヴィッテの父は、頭でっかちな子どもに育てようとはせず、体育と徳育と知育をすべてバランスよく重視して育てた。
そのため、文学なども教え、ヴィッテも有名な詩は記憶していた。
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現代はコンピュータなどのデジタル機器が普及し大変便利になりましたが、幼少期からの学びには、昔からの遣り方が間違いがないようです。
紙の書物を読み、紙の辞書を紐解く。紙の帳面(ノートブック)に鉛筆や毛筆で書く。
無論紙の書物は目にも優しい。
学ぶための道具は年齢に応じた適切なもの選択することが肝要です。