『大学』を素読する13

長崎市江戸町にある難関大学・医学部を目指す幼児教室・学習塾 羅針塾では、塾生は先ず5分間目を閉じて正座をします。心を落ち着けて、これから学ぶことについて平穏に臨む態勢をつくる為です。

さて、『大学』を素読する13です。

所謂(いわゆる)天下を平らかにするには、其の國を治むるに在りとは、上老(かみろう)を老として民(たみ)孝に興(おこ)り、上(かみ)長を長として民(たみ)弟(てい)に興(おこ)り、上(かみ)孤(こ)を恤(あわれ)みて民(たみ)倍(そむ)かず。是(ここ)を以(もっ)て君子に絜矩(けつく)の道有るなり。

(現代語訳) 「天下を平らかにするには、其の國を治むるに在り」とあるのは、君主が老人を老人として心から大切にすると、民は自ら自分の親に孝養を励むようになる。君主が年長者を年長者として大事にすると、民は自ら兄や姉に率直に従うようになる。君主が孤児(みなしご)を憐れんでよく面倒を見ると、民は心から従うようになる。そこで君主には君主としてのよるべき尺度(基準)となる道があるわけである。

上(かみ)に悪(にく)む所を以て下(しも)を使う母(なか)れ。下(しも)に悪(にく)む所を以て上に事(つか)うる母(なか)れ。前に悪(にく)む所を以て後に先(さき)んずる母(なか)れ。後ろに悪(にく)む所を以て前に従う母(なか)れ。右に悪(にく)む所を以て左に交わる母(なか)れ。左に悪(にく)む所を以て右に交わる母(なか)れ。此(これ)を之(こ)れ絜矩(けつく)の道と謂う。

(現代語訳) 上位に対して嫌だと思うことを以て下位の者を使ってはならない。下位に対して嫌だと思うことを以て上位に事えてはならない。前に対して嫌だと思うことを後ろに移してはならない。後ろに対して嫌だと思うことを以て前に移してはならない。右に対して嫌だと思うことを以て左に交わってはならない。左に対して嫌だと思うことを以て右に交わってはならない。これを人間交際の尺度(基準)と謂うわけである。

・・・上段の「天下を平らかにするには、其の國を治むるに在り」として君主としてのよるべき尺度(基準)を説いているくだりは、古代の政治も現代の政治も同様である筈です。しかしながら、現代の日本の政治指導者に、古典の素養があるとは思えないのが現状です。政治家を志す以上、聖賢の古典をしっかり心に刻み付けて、国民の為に尽力するのが当然であるべきです。

posted by at 18:47  |  塾長ブログ, 国語力ブログ

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