学ぶ姿勢 歴史散歩 平戸2

長崎市五島町にある羅針塾 学習塾・幼児教室 https://rashinjyuku.com/wp では、小学校就学前の幼児教育が、子供さんが長じるに従って学ぶことに大きな影響を与えると考えています。学ぶ姿勢や学び方を幼児期に身に付けると、自然なかたちでその後も続けていきます。例として、幼児期にしっかりと滑らかに音読することは、文章の正しい理解に繋がります。その良き習慣は、その後も継続していくものです。

さて、松浦資料博物館では、伊能忠敬没後200年記念企画展『伊能忠敬と平戸藩』を平成30年4月1日~6月30日まで開催中です。http://www.matsura.or.jp/2018/04/05/伊能忠敬没後200年記念企画展『伊能忠敬と平戸藩/

因みに、伊能忠敬は長崎にも測量の為、諏訪神社近くの大同庵に投宿しています(その旨を記載した石碑有り 炉粕町7)。

伊能忠敬と平戸藩

伊能忠敬は、千葉県九十九里生まれ。酒造家伊能家の婿養子となり、36歳で名主となり、1783年(38歳)の天明の大飢饉では、私財を投げ打ち米や金銭を分け与えるなど地域の窮民の救済に尽力。忠敬の村は一人の餓死者も出さなかったそうです。非常な勉強家で、独学で暦学を修め、50歳を機に本格的に天文学を学ぶ為に江戸へ出ます。高橋至時に弟子入り。当初、至時は20歳も年上の忠敬の入門を年寄り「道楽」だと思っていましたが、昼夜を問わず勉強する忠敬の姿に感動し、「推歩先生 (すいほ:星の動き測ること)」と呼ぶようになった程だそうです。至時が不在の際は観測機器に精通した間重富から指導を受け、忠敬は巨費を投じて自宅を本格的な天文観測所に改造し、日本で初めて金星の子午線経過の観測に成功します。

その後、様々な経緯の後、1800年(55歳)蝦夷地太平洋岸を皮切りに、1801年伊豆・東日本太平洋側、1802年東北日本海側、1803年東海・北陸地方、1805年-1806年近畿・中国地方、1808年四国、1809年-1811年九州前半、1811年-1814年九州後半、1815年伊豆諸島、1815年、1816年各街道から日本橋までの間を測量するため江戸府内を測量。17年かけての測量のために歩いた距離は、4万キロとも言われています。73歳没。

 1811年-1814年九州の第八次の観測の日程を紐解くと、
 文化8年(1811年)11月25日、一行は九州北部や離島を測量するため江戸を出発。忠敬66歳。年明け1月25日に小倉到着。内陸部を通って鹿児島・山川港に。そして船で屋久島に向かい3月27日に上陸。測量隊は北と南の二手に分かれ、13日間で測量を終える。風待ち後、4月26日に種子島に上陸、半月で測量終了。5月23日に山川港に戻る。その後、内陸部を小倉まで北上、博多、佐賀、島原半島などを測量。今回の測量で2度目の越年を佐世保で迎える。1813年(68歳)の新年、忠敬は「七十に 近き春にぞ あひの浦  九十九島を いきの松原」(69歳の春を相浦で迎えたが、さらに99歳まで生きて測量を続けたいものだ)と詠んだそうです。忠敬は九十九島、平戸、壱岐島を経て対馬に上陸。5月21日に測量を終える。続く五島列島では忠敬が本隊を率い、副隊長の坂部貞兵衛が坂部隊を率いて、東西の海岸を南下。8月15日から長崎半島を一周し、小倉より帰途につく。

九州図

平戸図

上記の地図は、松浦藩所蔵の伊能忠敬作成図の写しですが、現在の地図と比べても遜色ない正確さで記されています。

また、下記のディバイダと象限儀は江戸期当時のオランダ製です。ディバイダは、製図などにおいて円周を等分したり、寸法の転記などに使用される器具。象限儀は、道路の勾配を図るものであり、割円八線対数表(かつえんはっせんたいすうひょう)により道路の斜距離を平面距離に変換する為に利用されたもの。割円八線表(三角関数)は、日本地図作成の測量時に伊能忠敬が携帯していたことで有名です。

ディバイダと象限儀

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