教科書に載らない歴史上の人物 6 嘉納治五郎

Rio2016オリンピックも終了し、日本のメダル獲得数も増加。
その躍進の原動力の一つが若き井上康生監督率いる日本柔道。

長崎市五島町の羅針塾 学習塾・幼児教室でも手に汗を握る試合を観戦しました。
ハラハラドキドキする場面の後の歓声が上がる様は柔道ならではです。

さて、教科書に載らない歴史上の人物の再掲(加筆)です。

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柔道は、明治15年(1882年)に嘉納治五郎が日本の講道館において創始した武道であり、正式名称を日本伝講道館柔道というそうです。オリンピック種目にもなるほど広く世界各国に普及しています。

「元気のでる歴史人物講座」日本政策研究センター主任研究員 岡田幹彦氏の記事(産經新聞)から・・・

 <柔道通し「日本」伝える> 嘉納治五郎

  柔道の創始者、嘉納治五郎は年少時から虚弱体質だった。
腕白(わんぱく)者にいじめられ悔しかった嘉納は何とかして誰にも負けない強い体になりたいと願い、明治10年東大に入学してから柔術を習い始めた。
 
 学業の傍ら4年間毎日、稽古(けいこ)に励んだ結果、すっかり丈夫な体になった。
心身共に生まれ変わった思いがした嘉納はさらに修行に努め、ついに柔道を創始したのが明治15年、23歳の時である。

 嘉納は柔道の目的を体を鍛え心を練り徳性を磨くことにおいた。
それゆえ柔術の名を使わず「柔道」と称し修行の場を「講道館」と名付けた。
柔道は急速に全国に広まり、やがて欧米に伝わり、今日世界に普及するに至った。

 柔道が始まったころの日本は文明開化のいわゆる鹿鳴館(ろくめいかん)時代、欧化主義全盛の時代である。
何事も西洋一点張りの当時、東大出の若き学士が誰も振り向きもしない日本古来の柔術に打ち込み、柔道を創始したことはまことに一大事業であった。

 「日本は今まで世界から種々のことを学んできたから、日本も何かを世界に教えなければならない。柔道は彼にない日本の優れた文化であり、この柔道を教えることによって世界の文化の上に寄与することができるのみならず、日本の世界的発展を助けることができる」
 と述べた嘉納は、日本文明の価値を柔道を通して世界に伝えた偉人である。

西洋発のスポーツは、勝負にこだわります。
しかし、武道系に限らず我国の「道」のつく習い事には、他との優劣・勝ち負けよりも「自己鍛錬」「自己研鑽」という<自らを磨く>という根本的な違いがあります。

講道館師範嘉納治五郎先生遺訓

「柔道は心身の力を最も有効に使用する道である。その修行は攻撃防禦の練習に由つて身体精神を鍛錬修養し、斯道の神髄を体得する事である。さうして是に由つて己を完成し世を補益するが、柔道修行の究竟の目的である。」

嘉納 治五郎(20代) 

 

嘉納治五郎とは 

嘉納 治五郎(かのう じごろう)
万延元年(1860) – 昭和13年(1938)日本の柔道家、教育者。

講道館柔道の創始者であり柔道・スポーツ・教育分野の発展や日本のオリンピック初参加に尽力するなど、明治から昭和にかけて日本に於けるスポーツの道を開く。
「柔道の父」また「日本の体育の父」とも呼ばれる。

嘉納は教育者としても尽力し、明治15年(1882)1月から学習院教頭、明治26年(1893)より通算25年間ほど東京高等師範学校(東京教育大学を経た現在の筑波大学)にも校長ならびに東京高等師範学校附属中学校(現・筑波大学附属中学校・高等学校)校長を務めている。
旧制第五高等中学校(現・熊本大学)校長などを務める(小泉八雲(ラフカディオ・ハーン)を英語教師として招聘)。
更に、嘉納自身が柔道の精神として唱えた「精力善用」「自他共栄」を校是とした旧制灘中学校(現・灘中学校・高等学校)の設立にも関わるなど教育者としても尽力する。
また、日本女子大学の創立委員にも加わる。
文部省参事官、普通学務局長、宮内省御用掛なども兼務する。

posted by at 11:03  |  塾長ブログ

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