文部科学省が4月18日に実施し、約212万の小中学生が参加した全国学力テストが行われました。全国的な学力テストは、かって、学校の序列化につながるといって日教組などが反対していましたが、最近はそれも沈静化しているようです。学力の調査は、国の将来を担う子供さん達の力を評価する一つの物差しとして客観的に見るべきものです。要は、データをより良い方向に活用できるか、ということに尽きます。
さて、その学力テストについて簡単にまとめた新聞記事が目につきました。産経新聞(2019.4.18)からの引用です。https://special.sankei.com/f/life/article/20190418/0001.html?_ga=2.120790344.153116473.1555073393-1517775901.1521938718
初導入の英語で思考力・表現力試す 国語では新聞使った出題 全国学力テスト
文部科学省が18日に実施し、約212万の小中学生が参加した全国学力テスト。初めて行われた英語では、「読む・聞く・書く・話す」の4技能が問われたが、自分の意見を英語で表すような問題もあり、より深い思考力や表現力が試されたといえそうだ。
「あなたの考えを理由とともに25語以上の英語で書きなさい」
4技能のうち「書く」では、デザインが異なる2つのピクトグラム(案内用図記号)を示し、どちらがよいかを選ばせた上、その理由を英語で書かせる出題があった。問題を作成した国立教育政策研究所では、「与えられたテーマについて考えを整理し、まとまりのある文章を書けるかどうかをみるため」と、出題の趣旨を説明する。
「話す」では、海外のテレビ局のインタビューを受けるという場面設定で、自分の将来の夢と、その実現のために頑張っていることを1分間で考えさせ、30秒で話すという出題も。暗記型の学習では解答するのが難しく、戸惑った生徒も多かったとみられる。
同研究所では、「実際のコミュニケーションに活用できる思考力、表現力などを測ることを重視した」としている。
新聞から必要な情報を読み取り、考える力を試す問題も出された。情報活用能力などを重視する新学習指導要領の趣旨を反映したといえそうだ。
新聞を使った問題が出されたのは中学3年の国語。架空の「全国中学生新聞」に掲載された記事や短歌を読ませ、読解力、思考力、表現力を試す内容になっている。読者の「声の広場」に投稿する際の、封筒の書き方を問う出題もあり、日頃から新聞を読んでいるかどうかでも、正答率に差が出そうだ。
国立教育政策研究所の笹井弘之センター長は「急速に情報化が進展する社会の中では、さまざまな情報をより主体的に活用する力を身につける必要がある。新聞や雑誌なども読み、自分の考えをもつことも重要。これからの子供たちに求められる力を踏まえて出題した」と話している。
・・・「読む・聞く・書く・話す」の四技能については、繰り返し繰り返し強調されていますが、本来常識ある成人であれば当然身につけておく基礎的な力です。それを殊更に強調せざるを得ないほど、教育への危機感があるということです。
国際競争力のあるグローバルな人材育成を図りたい、と文部科学省は夢見ているようですが、一朝一夕にはことは進みません。昔から、「教育は国家百年の大計」と言われるように、他の欧米先進国に合わせる前に、日本人としての矜持を保つ人材育成を図るべきではないでしょうか。
その為にも、先ずはしっかりした家庭教育から始まります。
尚、実際の問題については下記サイトへ
国立教育政策研究所 平成31年度全国学力・学習状況調査の調査問題・正答例・解説資料についてhttp://www.nier.go.jp/19chousa/19chousa.htm