武漢発のコロナウィルスが大問題となっています。その対応には子供さんをお持ちの各ご家庭で真剣に対策を講じる必要があります。
然は然りながら、教育の世界では、2020年4月から先ず小学校から新学習指導要領による学習が、全学年で一斉に始まります。新学習指導要領により、学習内容に伴って教科書も授業も全て変わることになります。
そもそも学習指導要領とは、小学校・中学校・高等学校でどの教科の授業を何時間行い、児童・生徒が何を学ぶかを規定する、カリキュラム(教育課程)の基準となるものです。概ね、十年ごとに改訂されます。社会の移り変わりによって、教育も変えていく必要があると考えられているからです。
参照:文部科学省ホームページ(https://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/new-cs/1383986.htm)
●実施スケジュール
小学校・・・2020年度全学年実施。
中学校・・・2021年度全学年実施。
高等学校・・・2022年度全学年実施。
●問題点
新旧学習指導要領が入れ替わる学年(小学校では2020年春の新小学2〜6年生)は、慣れ親しんだ学習の仕方が途中で切り替わり、混乱が生じることです。それに備えて移行措置が実施されますが、最低限のカリキュラム調整に留まります。しかし、英語や実技系教科では、それぞれの学校の裁量で「先行実施」も行われるので、学校の取り組み方如何で当座「格差」が出てくる可能性は否めません。
●新学習指導要領の理念ー「社会に開かれた教育課程」
現代の子供達は、学校で習った知識だけで充実した社会生活を営むことは難しくなりつつあり、知識が日々更新されていく中で生きていく力が必要です。その「生きる力」を育むために、学校教育と社会の関わりをこれまで以上に深めていくことを、新学習指導要領は目指しています。
資質・能力の三つの柱として、
1. 生きて働く知識・技能の習得
2. 未知の状況にも対応できる思考力・判断力・表現力の育成
3. 学びを人生や社会に生かそうとする学びに向かう力・人間性の涵養
を示し、「何ができる様になるか」「何を学ぶか」「どの様に学ぶか」を「社会に開かれた教育課程」で導こう、ということです。
・・・少なくとも、従来の学習指導要領の目標としていた「知識・技能」は、新学習指導要領ではあって当然というスタンスに立ち、新・教科書で示す問題をきっかけに「知識・技能」をどう用いるか、というレベルを目標としている様です。
また、
授業が変わるー児童の「主体的・対話的」力を引き出し、「深い学び」へ。
各教科の「見方・考え方」を身に付けること。・・・・・と導く意図のようです。
● 新しい教科書は?
1. 豊富な学習量は変わらない。ープラス、「学び方」を盛り込む。
2. 学び方を教科書が示す。ー 教科書を基軸とし、100%習得できるように。
3. 学びと日常生活・現実の社会を結びつける。ー教科間の垣根を超えての学び。
4. 教科や学年を超える「学びのつながり」を示す。
5. デジタル教科書の存在感ー QRコード教科書の各所に配置→インターネットを活用して教科書の理解を高める。例えば、英語の教科書では、可視画像、動画を見ながら自学自習もできる。また、算数の計算問題は、教科書の問題数以上に練習したい場合に、QRコードから教科書の出版社のインターネット上のサイトで多くの問題にアクセスできるようになり、自ら積極的に多くの計算問題を練習することができる。
・・・なかなか前向きな「新学習指導要領」です。
上記の、「2. 学び方を教科書が示す。ー 教科書を基軸とし、100%習得できるように。」は、小学校で教科書を軽んじているかのような授業をしている例を見ているだけに、賛成です。また、「5. デジタル教科書」は、「QRコード教科書の各所に配置」されていることを、活用できるよう家庭でも毎日しっかり復習すると効果的な学びになることでしょう。
要参照:各教科書の出版社のサイト
例、東京書籍(https://www.tokyo-shoseki.co.jp)、光村図書(https://www.mitsumura-tosho.co.jp)、教育出版(https://www.kyoiku-shuppan.co.jp)、啓林館(https://www.shinko-keirin.co.jp/keirinkan/index.html)