幼児教室・学習塾の羅針塾では、塾生の学力向上の要諦(ようてい:物事の肝心なところ)は、お母さんの力にあると常々申し上げています。
当然といえば当然ですが、
第一に子供さんと日々接する機会が一番多い訳ですから、その親子の会話に緒(いとぐち:物事の手掛かり、切っ掛け、端緒)があります。つまり、子供さんの語彙力をつける機会が毎日の会話にあるからです。
幼児期・少年少女期に応じて、言葉の使い分けを適宜教えていくと、その積み重ねは膨大なものとなっていきます。
例えば、同じ音でも以下の様に様々な漢字との組み合わせによって、意味合いも用い方も異なります。
あう・・・会う、合う、逢う、遭う、遇う
あがる・・・上がる、揚る、挙がる、騰る
あく・・・開く、空く、飽く、明く
また、感情を表す形容詞(嬉しい)でも、同じ意味合いの表現が多彩にあります。
はしゃぐ、喜ぶ、満足、浮かれる、気を良くする、心が弾む、胸を躍らせる、胸をときめかせる、など。
第二に、子供さんの健康状態、気分を一番把握していますので、適宜手綱を引いたり緩めたりすることが出来ます。学ぶ機会は生活の様々な場面にある訳ですから、買い物や散歩の時にも、質問したり、興味を持たせたりすることで、考えるヒントも与えられます。
例えば、看板に書いてある漢字を聞いてみたり、買い物の計算や、商品の表示を見て生産地や流通の仕組みを考えさせることもできます。
つまり、経験を通して思考力をつける機会が町中に溢れています。
第三に、日常生活の中で新聞やインターネットの記事・話題などを引用して、未知のものへの興味を持たせることが出来ます。また、お母さん方の友人知人との会話の中にも、言葉や敬語の用い方など、子供さんに学ばせるヒントがあります。
・・・机について教科書や問題集を解くだけが「学び」ではありません。「聞く」「話す」ことから始まりです。「三つ子の魂百まで」という様に、三歳前後から脳の働きは飛躍的に上がります。母と子の言葉のキャッチ・ボールは繰り返すほど上手になります。お母さんの投げるボールは、当初は胸元の受けやすい所へ投げ、上手くなるにつれ高いボールや低いボールを投げることで、足腰も強くなっていきます。