幼児教育・学習塾の羅針塾は、塾生の通学する小学校の英語教育と国語教育とのバランスをを注視しています。
国立・公立と私立の小学校では、英語に注ぐ力の濃淡が明確です。これは、英語専科の教員の配置や教材・カリキュラムに表れてきます。
筆者は、基本的に小学校の英語教育には反対です。何度も述べていることですが、母語である日本語教育(国語)をしっかり学び、語彙力を十分に身につける前に、外国語に時間を割くことは、百害あって一利無し(弊害をたくさん生むばかりで、良いことは一つもないこと)だからです。
先日、筆者の知人(三十半ば過ぎのビジネスマン)と英語教育に関して話す機会がありました。
曰く、
「母親の勧めで様々な習い事をさせられていました。その中で小学校で一番長く継続し、唯一感謝するのが書道です。
その他で何年も続けたのが、英会話。
確かに、楽しく英語に触れることはできました。今でも、英語の歌や繰り返し使っていた文の一部は、記憶に残り歌ったり、言うことは出来ます。
しかし、なんとなくふわふわした感じでしか英語が入っていないので、中学校から高校、大学入試と英語の成績は芳しくなく、むしろ苦手科目となりました。
結局、英語文法はしっかりと理解しないまま、大学入試も入試のテクニックとして選択肢問題などを解いていた感じです。英作文や、英語読解は今でも苦手です。」
・・・やはり。
二十五年ほど前の、毎週土曜日も授業が行こなわれていた公立小学校に通学し、教育熱心な家庭での習い事の例です。
その頃と比較しても、現在の教育事情は、休日の増加、授業時間の減少、英語科目の導入で、国語力と語彙力が充実できない状況です。
・・・12年ほど前のベネッセ教育総合研究所 第一回中学校英語に関する基本調査報告書(教員調査・生徒調査 2008年)によりますと、
◉英語学習を苦手だと感じるようになった時期(中学二年生アンケート)
中学校に入学する前 11.7%
中一の始め頃 16.2%
中一の夏休みごろ 10.4%
中一の夏休み後くらい 12.8%
中一の後半 26.6%
中二の初め頃 12.9%
中二の夏休み頃 3.8%
中二の夏休み後くらい 3.1%
現在 2.5%
・・・be動詞と一般動詞の用い方、三人称単数現在形のs(es)、現在進行形、過去形までの時制を学び出すと多くの生徒がつまづきます(これは昔から)。小学校で英語を学んできた生徒も、この辺りから差がついてきます。更に、中学校の試験では単語や文を正確に書かなければ減点です。
◉英語学習でつまづきやすいポイント(中学二年生アンケート)
文法がむづかしい 78.6
英語のテストで思うように点数が取れない 72.7
英語の文を書くのが難しい 72.0
英語を聞き取るのが難しい 65.8
単語を覚えるのが難しい 62.9
英語を話すのが難しい 59.6
英語に限らず自分から進んで勉強する習慣がない 53.7
外国、異文化に興味が持てない 44.8
英語の文を音読するのが難しい 44.7
英語そのものが嫌い 43.9
英語に限らず、勉強する気持ちが沸かない 43.0
・・・つまづきやすいのは、「英語文法」と「英文を書くこと」。それが原因で、「英語のテストで点が取れないこと」です。
◉ その解決策は?
ズバリ!
小学校で英語を学ばざるを得ないなら、母語である国語文法と漢字や熟語などの語彙を増やしつつ、しっかり英語文法と英単語力(語彙)を身につけることです。
合わせて、英語の筆記体をマスターすることは必須です。