幼児教室・学習塾の羅針塾では、夏休み期間に普段できないことをしっかり学びます。
例えば、漢字の練習。
意味を調べ、書き順を正しく、偏や旁(つくり)、訓読み・音読みに気をつけて、繰り返して練習をします。
そして、熟語や諺(ことわざ)もあわせて学びます。
国語力の基礎となる語彙(ごい)は、漢字が基本です。漢字は、表音文字であるとともに、表意文字でもあります。一見すると複雑ですが、漢字をマスターすると、様々な表現をできる様になります。
従って、小学校の頃に努力して漢字力をつけると、国語力を大きく向上させることができます。
その「努力」をすることの大事さを伝える戦前の修身の教科書から一節を引用します。
「ヨイコドモ」下(小学校2年生)(昭和16年2月発行)
六、ヤナギニ蛙
昔 ヲノノタウフウト イフ 人ガ アリマシタ。
小サイ 時カラ ジノ ケイコヲ シテ ヰマシタガ、思フヤウニ
ウマク カケナイノデ、ヤメテシマハウカト 思ヒマシタ。
アル雨ノ日ニ、タウフウガ、庭ニ オリテ 池ノソバヲ 見ルト、
一ピキノ蛙ガ、シダレヤナギノ枝ニ、トビツカウト シテ ヰマシタ。
トンデハ 落チ、トンデハ 落チ、何ベンモ 何ベンモ
クリカエシテ ヰマス、
トウトウ ヤナギノ 枝ニ トビツキマシタ。
タウフウハ コレヲ 見テ、コンキヨクスレバ、
何ゴトモ デキナイ コトハ ナイト 氣ガ ツキマシタ。
タウフウハ、ソレカラ イッシンニ
ジ ヲ ナラヒマシタ。
ズンズン ウマク ナッテ、ナダカイ カキテト
ナリマシタ。
小野道風(おのの とうふう)平安時代中期の貴族。能書家(能筆:文字を書くのが上手なこと)。醍醐天皇から冷泉天皇まで四代の天皇に仕え、中務省に所属し宮中の文書を書くことを仕事とした。唐風な書体から脱して、和様書道の基礎を築いた人。小野道風・藤原佐理・藤原行成を「三蹟」(さんせき:平安中期の三人の能書家、またはその筆跡)と称される。
・・・努力をし続けることの大事さを、分かり易い例えで当時の小学校2年生に伝えています(現在の八十四〜八十六歳ぐらいの年齢に成られる世代でしょうか)。
戦前の修身や国語の教科書は、正しい日本語を用い、綴り方(書き方、読み方と並ぶ国語教育の一分科。現在の作文。)の練習にもなる様な文章が多いので、大いに参考になります。