賢さは感動から

長崎市五島町の就学前教育(プレスクール)・学習塾の羅針塾では、塾生の個性に着目しながら、より賢くなる方法を常に考えています。物事を感覚的に捉えるタイプか、論理的に考えるか、学び方もそれぞれ個性があります。

さて、櫻井よしこ氏が「日本再生、大学の講座制を廃止せよ」の記事の中で紹介されている先生がいらっしゃいます。(『週刊新潮』 2022年3月3日号日本ルネッサンス 第989回 https://yoshiko-sakurai.jp/2022/03/03/9357 )

引用してご紹介します。

ノーベル化学賞候補者に名前が挙がる中部大学教授の山本尚氏が「日本人 よ、感動できる人間になれ」と叱咤している。「感動を知っている子供 は、必ずその後の人生で大きく成長できる。大人になってから、発明や発 見をできる人になる。大きな仕事にも成功する」と、近著『日本の問題は 文系にある』(産経新聞出版)の中で言い切っている。

家族、友人、国や社会、森羅万象に対して感動する心で接すれば、深いつ ながりが生まれるというのだ。感動を知らないようでは、およそ全てが想 像を超える速度で変わっていくいま、対応できず、生き抜くことも難し い、だからこそ、日本人本来の豊かな感性に急ぎ立ち戻れと、山本氏は 言っているのである。

氏は前著、『日本人は論理的でなくていい』で、日本人の強味はその情緒 にあると主張した。日本人は日本人であることにもっと自信をもってよい と言うのだ。やわらかで豊かな感性こそ、学問、研究におけるすばらしい 発想の母胎であり、そこから「日本再生」が始まると強調する。研究者と しての実体験に基づいて氏は断言する。感性の豊かさなしに創造は無理だ と。一例として、氏は、ノーベル賞受賞者の中で論理的な思考をする人と は遭遇したことがない、全員が情緒の人だと書いた。

氏のこのような感覚は歴史を遠く遡る。日本人の情緒と繊細な感性の育み は縄文時代に始まると、氏はとらえている。約1万年もの長い間、縄文人 は穏やかな社会を維持し高度の文化を楽しんで生きた。私は実は、彼らの 精神世界は日本の国柄の基(もと)いでもある神道につながっていると感じ ている。

たとえば死者に対する追慕の念の在り方である。縄文遺跡の集落の中で、 死者の墓は生きている人々の暮らしの場の、すぐ身近なところに大切に維 持されていた。1000人から1500人規模の村を何千年にもわたって守り維持 した縄文人は死者と生者が一体となった精神世界に生きた人々だったと思 う。縄文人の想いは、肉体は滅びても死者の霊魂はなお生者の身近にいて 見守ってくれているという神道の死生観につながっているのではないか。

・・・そこで早速、中部大学教授の山本尚氏著『日本の問題は 文系にある』(産経新聞出版)をのぞいてみると、

山本 尚(Hisashi Yamamoto)中部大学ペプチド研究センター長 先端研究センター長 教授

https://www3.chubu.ac.jp/catalyst/member/hisashi_yamamoto/

https://ja.wikipedia.org/wiki/山本尚

 

感動を教えればいい

京都大学で助手(今の助教)だった頃である。

野崎一先生(故人、京都大学名誉教授)が学外での会議等で講義を休講されるときに、時々、私に代行を命じられた。それまで講義をするという体験がほとんどなかった私に先生がどう講義するかを丁寧に教えてくれた。

「教科書のその日に教えなければならないページを開いて、自分が面白いトピックスだと思ったところ、自分が感動した部分を探し当て、それを学生に教えればいい」

野崎先生はこうおっしゃった。

私は心底驚いた。教科書には論理的になぜそうなるのかが、懇切に記載されているのだが、それを全て無視しろと言われる。

しかし、この方法は私には新鮮で、自分でもワクワクしながら、話すことができた。また、学生にとっても、話す方の興奮が伝わったと思う。

私が目についた感動を話すことで、学生は自分もその仲間になると考えるのだろう。その裏にある論理は教科書を読めばすぐに理解できるはずで、それを読もうとする意思は、伝えられた興奮が残っていてこそ生きる。

私には論理を話すことはとても退屈で、苦手でもある。聞き手の学生もその論理に支配された課題に我慢強く注目することはできない。

感動はそうではない。感動は人の心を一気に掴み、自由にし、思いのままに羽ばたかせるのだ。幸いなことに私の専門の化学には感動する機会が非常に多い。これは身の回りの自然に感動することに比較的近い。

・・・山本尚中部大学教授のご著書には、ワクワクドキドキするような体験を交えてのとても興味深い具体的なお話が有ります。

先生は、小学校の時ロケットが大好きで、鉛筆のキャップに硫黄の粉末とアルミニュームの粉末を混ぜて蓋をして、発射台の下にベンゼンをまき、火をつけ、テルミット反応(後で理屈がわかったそうです)が起こり、キャップが飛んで行った経験をします。後の化学の世界へ進むきっかけです。

・・・小学校三年生(九歳前後)くらいまでの間に、様々な体験や感動する場面に出会うと、何かに触発されたかのように積極的に知的興味や関心が高まります。自律的に学び出す瞬間です。

 

posted by at 19:10  |  塾長ブログ

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