長崎市五島町にある羅針塾 学習塾・幼児教室 https://rashinjyuku.com/wp では、日々素読を致します。塾生の年齢差を問わず、共に声高らかに素読をすると、考えさせられることが多々あります。やはり、漢文の読み下し文のリズムが日々身体に染み込んでいく様に感じるのは不思議な感覚です。
さて、共に素読する論語の一節です。
学而第一
子曰。君子不重則不威。學則不固。主忠信。無友不如己者。過則勿憚改。
子曰いわく、君子(くんし)重(おも)からざれば則(すなわ)ち威(い)あらず。学(まなべば)則(すなわ)ち固(こ)ならず。忠信(ちゅうしん)を主(しゅ)とし、己(おのれ)に如(し)かざる者(もの)を友(とも)とすること無(な)かれ。過(あやまち)ては則(すなわち)改(あらた)むるに憚(はば)かること勿(な)かれ。
「先師がいわれた。道に志す人は、つねに言語動作を慎重にしなければならない。でないと、外見が軽っぼく見えるだけでなく、学ぶこともしっかり身につかない。むろん、忠実と信義とを第一義として一切の言動を貫くべきだ。安易に自分より知徳の劣った人と交っていい気になるのは禁物である。人間だから過失はあるだろうが、大事なのは、その過失を即座に勇敢に改めることだ」(下村湖人現代語訳)
・・・「過(あやまち)ては則(すなわち)改(あらた)むるに憚(はば)かること勿(な)かれ。」は、よく聞かされた文言の一つです。理屈は分かっていても、過ちを指摘されて、素直に誤りを認めることは出来そうでできないことの一つです。年齢や地位が上がればなおさら出来にくい事です。
素直に過ちを認めて、前向きに生きる癖を付けるには、矢張り幼少時からの動機付けが一番だと思います。人は失敗や過ちを犯すことは、通常ありえる事ですが、それを恥ずかしいと思うのは、自意識が高いことが原因です。
誤りや間違いに自ら気付くことが大事であることを知ることは成長の第一歩です。子供達の成長に必要なことは、失敗することを恐れず、何事にも果敢に挑戦することの意義を知らしめることです。「失敗は成功の母(*)」という諺を心の底に持つことができる子供さんはどんどん成長することができます。
(*):「失敗は成功の母」=失敗をしてもその原因を追求したり、誤りを反省して改善していくことで、却って成功に近づくことができる、ということの喩え。