教科書に乗らない歴史上の事実 6 百姓一揆1

幼児教室・学習塾の長崎市五島町にある羅針塾では、人として学ぶ必要のあることは年齢・学年を問わず話したり、教えたりしていきます。そして賢明な子供さんほど、自分以外の塾生と先生との会話も聞いていて、自主的な家庭学習に実践しています。

さて、久しぶりの歴史関連のお話です。

国柄探訪: 「百姓一揆は「革命を目指した階級闘争」ではなかった」(国際派日本人養成講座)http://blog.jog-net.jp/202105/article_1.htmlからのご紹介と引用です。

■1.「戦後の日本史研究者の願望」

 近年の歴史学は、江戸時代の文書の実証的な研究などで、我々が学校で教わった百姓一揆とはずいぶん違った姿を描いています。

 東京書籍版の中学歴史教科書では江戸時代の一揆について次のように記述していました。

__________
 18世紀になると、農村では多くの村が団結して、領主に年貢の軽減や不正を働く代官の交代などを要求する百姓一揆を起こし、大名の城下に押し寄せることもありました。[東書]
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 この記述からは、領主は農民に過重な年貢を課し、代官は不正を働いて農民をさらに搾取していた。その搾取と戦ったのが、農民の百姓一揆であった、という歴史観が、中学生の頭の中に刷り込まれます。現象としては事実を記述しているのですが、捉え方が一面的です。最近の歴史書を読むと、次のような指摘が目を引きます。

__________
 前近代の一揆が『階級闘争』であるという主張は、事実に基づくものではなく、戦後の日本史研究者の願望によるものである。つまり、そう信じたかった、というだけの話なのである。[呉座勇一・国際日本文化研究センター助教『一揆の原理』2012]

 かつては、百姓一揆を研究すれば、いつかは、歴史のなかで革命を希求してきた変革主体としての『人民』に出会えるはずだという思いが、人々を研究にかき立てた。しかし、それは幻想に過ぎないことが明らかになった。[若尾政希・一橋大学大学院教授『百姓一揆』2018]

 江戸時代を世界に例をみないきびしい近世封建社会として独立させることに研究のエネルギーをそそいでしまった。そのため、生産社会の変化の実態をほとんど視野に入れることができなかった。[田中圭一・筑波大学教授『百姓の江戸時代』2000]
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 百姓一揆が「革命のための階級闘争」であったという歴史観は、「戦後の日本史研究者の願望」にすぎなかった、というなんとも強烈な指摘です。そして東書の記述は、まだその「願望」が教科書の中には生き残っているようです。本稿では、最近の実証的な歴史研究が百姓一揆をどのように描き出しているのかを見ておきましょう。

・・・筆者も小・中・高校と「日本史」を学ぶ際に、必ず教科書の江戸の百姓一揆の項目を読む度に腑に落ちないものが有りました。その時の疑念を晴らす説明が記されています。

■2.代官所を廃止させ、奉行をクビにした一揆

 田中圭一教授の『百姓の江戸時代』では、佐渡における一揆の具体例を、当時の文章を引用しながら紹介しています。その一つとして、1760年代に起きた「明和の一揆」を見ておきましょう。明和3(1766)年7月、佐渡は大洪水に見舞われました。その年、低地にある3つの村から奉行所に嘆願書が出されました。

 年貢米を代官所に収めたところ、米俵の縄・俵が粗末で受け取れないと拒否された。縄・瓦を取り替えて治めたところ、今度は米の質が悪いということで戻された。そこで悪米を一粒一粒選んで取りさり、納め直したところ、

__________
御蔵奉行の谷田又四郎様は俵を開いて米を御蔵の土庭に引き開けてしまわれた。それはいかにも無慈悲な仕打ちである。この上は江戸表に出向いて幕府に直訴をさせてもらいたい。[田中、p180]
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 佐渡は幕府の直轄領でしたが、通常の奉行所の他に、代官所が設けられていました。幕閣の一部に、奉行所が百姓と妥協しがちなので、年貢の賦課・徴収をもっと厳しくすべしという意見があり、幕府の勘定奉行所の直轄機関として設置されたのです。現代で言えば通常行政を行う県庁の他に、国直轄の徴税機関が設けられたようなものです。

 代官所の長の谷田は、「幕府を甘く見るな」と見せしめのために、非情な行為を行なったのでした。百姓たちは、自分たちが汗水垂らして作った米を土庭にばらまくという谷田の「無慈悲な仕打ち」に怒り、江戸に直訴したいと奉行所に訴えたのです。もちろん直訴は許されませんでした。

 百姓たちの怒りは治まりません。その年の10月の終わりに村々に回状が回りました。来たる11月4日六ツ時(午前6時)から、佐渡国中の男子15歳以上50歳までのものは代官所に向かい、谷田の屋敷と代官所の建物を打ち壊そう、というのです。武具(刀、槍、脇差し)の所持は固く禁じ、うちこわしの対象は谷田の屋敷と代官所の建物に絞っていました。

 5日には150人ほどの農民が代官所近くの寺の境内に集まり始めました。奉行所の役人がやって来て、彼らに説得を続けます。6日には農民たちはポツポツと帰っていきました。何が話し合われたかは文書には残っていませんが、その後の幕府の処置を見れば、農民たちの要求が大方聞き入れられたことが窺われます。

 奉行所は明和4年の年貢については、翌5年3月まで延納を認めました。明和7年、奉行谷田又四郎は江戸に召し替えされ、代官所も廃止されました。同じ年、一揆の責任者として、訴状を作成した寺の住職一人のみが斬罪に処せられました。百姓は罪を問われなかったのは、奉行所も事を荒立てたくなかったからです。

 

所謂(いわゆる)「士・農・工・商」の厳しい身分差別があった・・・というところから、教科書が記載されているので、江戸期の人々は武士以外は抑圧されていた、というステレオタイプ(stereotype:ものの見方・態度や文章などが型にはまって固定的であること)の記述がされています。

多くの歴史嫌いの子供や大人達が、「日本史」に興味を持てないのは、我が国の正しい歴史や人々の息遣いを感じることが出来ないからでも有ります。現在の自分達に繋がるご先祖様の生き様が描かれて初めて、興味や学ぶ意欲が出てくるものです。

■3.「百姓成立」は領主の責任

 この一つの逸話から、百姓たちがどのような思いで一揆を起こそうとしたのかが窺えます。それは決して「幕府の圧政を革命で覆そう」ということではありませんでした。百姓たちが怒ったのは、谷田の「無慈悲な仕打ち」であり、それが正され、奉行所の思いやりのある政治すなわち「仁政」が復活すれば、それで納得して引き下がったのです。

 当時の幕府も藩も百姓も、あるべき政治については一つの合意したかたちがありました。領主は百姓の生活が成り立つ(当時の言葉で「百姓成立」)よう保障する責務があり、百姓はそれに応えて年貢を「皆済」(すべて納めること)する義務があるという、双務的なかたちでした。これを現代の歴史学者は「仁政イデオロギー」と呼んでいます。

 現代の政府が国民の生活を守り、国民は税金を納めるというかたちと本質的には同じです。「百姓成立」とは現代の基本的人権に通じる考えなのです。

 そして幕府や藩が、腐敗や失政によって「百姓成立」の責務を果たさない場合には、百姓は一揆によって抗議し、その原因が取り除かれれば満足して一揆を止める。そういう体制内の抗議だからこそ百姓一揆は武器を持って人命を損なうことを固く禁じ、打ちこわしの対象を明確にしていたのです。

 江戸時代に発生した百姓一揆は1430件[若尾、960]。そのうち一揆が竹槍で役人を殺害した事例はわずか一件にすぎません[呉座、231] 鍬や鋤は暴動のためではなく、「百姓のシンボル」であり、「自分たちが百姓身分を逸脱していない」というアピールであったと考えられています。

・・・百姓一揆 2へ続きます。

posted by at 16:32  | 塾長ブログ

私立小学校の英語授業

学習塾・幼児教室の羅針塾
私立小学校に通う塾生さん。
英語の宿題がありましたので
見せてもらいました。

おーすごいね。
こんな会話もするのね。
単語もドンドン出てきています。

もちろん発音はできるし
見れば読める。
(イラストのヒントもあるね。)
さあ!書いてみよう。となると
あれれ??
書けないのが現実です。

私立小学校を含め
国立、公立小学校の英語授業は
書くということは殆どありません。
授業内容は会話中心
親しむ、楽しむ英語で
語学という学びは行っていません。

しかし
今年度、中学校教科書改訂により
教科書内容難易度が上がっています。
多分、英語の授業についてはいけても
試験は全く点数が取れないということに
なります。

「ハキハキ!元気!賢い子」

英語嫌いを増やす授業を
小学校時から永遠にするのだと。
先生達は感じています。

小学生塾生さんに
「なぜ、英語の授業嫌いなの?」と
聞くと
「遊びみたいで面白くない。」と。
聞くだけ、話すだけはでは
本当の賢い子にはビビッ!とこない学び。

私立小学校の英語の宿題を見て
色々と考えさせられる。時間でした。
羅針塾では小学生の英語にも
しっかりと取り組んでいます。
書くことに重点を置き、
文法を含めしっかりと
読んで、書いて、聞いて、話してと
語学として理解できるように
この先の中学、高校、大学受験で
未来を切り拓いていけるようにと
考えています。

posted by at 13:54  | 学習塾・幼児教育

自信を持たせる学び

学習塾・幼児教室 羅針塾の学び。
学年の初めは特に丁寧に取り組んでいきます。

読むこと・書くこと・計算すること

基本基礎を丁寧に取り組んでいきます。
ここを大切にすると、その後の
ステップが早くなっていきます。

基本基礎を丁寧に取り組むと
「自信を持って」授業に臨める。
これが一番大切。大事。

トップになるためには
自信を持つこと
失敗してもやり直せると
思うことが大切です。

「ハキハキ!元気!賢い子」

幼児さん・小学生の学びは
とりあえず
何でもいいからではなく
何から取り組むか。で
賢い子になっていきます。

一段、一段と階段を上がるように
力をつけていく。
それが自信を持つことへ
繋がっていきます。

posted by at 16:45  | 学習塾・幼児教育

ドラゴン桜に観る東大合格は必要か

羅針塾の先生達も
「ドラゴン桜」の
ドラマを楽しみにして
早速観させていただきました。

さあ。東大ってどうよ。

東大合格!いいんじゃない。
最高!って思います。
最果て西の長崎から
東大に合格するっていいじゃないですか。
なぜだか、東大なんです。

「ドラゴン桜」の作者の方も
昔も今も「東大」の看板の大きさは
変わらない。と。

だからこそ、本当の日本人を育て
「東大」に合格させるべきだと
羅針塾の先生達は考えています。

「ハキハキ!元気!賢い子」

「東大に行きましょうよ。」
ご縁がある御家庭には面談時に
お話しさせて頂きます。

それ位の学力を持っていれば
どこでも選べる。
選択肢があるということです。
それ位、賢い子に育てていきます。と
いうことです。

羅針塾が考える
国語力の学びは基本基礎から
全ての応用に繋がり
東大でも世界の有名な大学でも
狙えるということ。

日々の学びは
淡々と地味かもしれない。
それが大切。
それしかないと思います。
しっかりと基本基礎を固める。

ドラゴン桜にも負けない
塾生さん達を輩出できる
羅針塾だと考えています。

今年の初物!!!
さくらんぼを頂きました。
旬の味。最高です。
ありがとうございました。

posted by at 16:45  | 学習塾・幼児教育

正しく読むことの大切さ

羅針塾の塾生さん達が使用している
教科書や教材を観ると沢山の情報量が
載っています。

「さあ、読んでごらん。」と言うと
正しく読める子が少ないことに驚きます。

「て、に、を、は」を間違えずに読める子
句読点の意識が高い子が少ないので
文節が分からずにダァーッと読んでしまいます。

また、口をしっかり開けて
腹式呼吸で読める子も少ない。
口の中でモゴモゴと読むと
滑舌が悪く、発声も下手なままと
なってしまします。

特に、武漢ウイルスの流行で
日々マスクをする習慣がつき
正しく話す。ことの力が
急に出来なくなってしまっています。

「ハキハキ!元気!賢い子」

正しく読む
しっかりと口を開けて読む
これは、その後の伝えることに
結びついていきます。
コミュニケーション能力の高さは
正しい日本語であること。
語彙力を高め
沢山の表現力を磨くことです。

そのためにも
幼児期から読むことの大切さを伝え
賢い子に成長してほしいと願っています。

人気のシュークリームだそうです。
美味しかった〜ありがとうございました。
御御馳走様でした。

posted by at 16:23  | 学習塾・幼児教育
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