『大学』を素読する 7

長崎市江戸町にある難関大学・医学部を目指す幼児教室・学習塾 羅針塾では、学びの初めは「素読」から始まります。

令和七年の冬期講習は4日から再開です。素読も同様に始まります。素読の繰り返しは、読み下し文(*)が自然と身に付きます。

(*)読み下し文:漢文を返点、振り仮名、送り仮名などの訓点に従って、日本語に直訳した文章。

さて、「『大学』を素読する」から少しずつ本文をご紹介致します。

所謂(いわゆる)其の意(こころばせ)を誠にすとは、自(みずか)ら欺(あざむ)く母(な)きなり。悪臭(あくしゅう)を悪(にく)むが如く、好色(こうしょく)を好むが如し。此(これ)を之(こ)れ自謙(じけん)と謂(い)う。故に君子は、必ず其の獨(ひとり)を慎むなり。

(現代語訳) 「其の意を誠にす」というのは、自分が自分を欺かないことである。それは丁度悪い臭いをかいだら本能的に鼻をすくめ、好きなよい色を見れば、本能的に目を見開いて見ようとするようなものでる。これを自らあきたる「自謙」(謙は慊に通ず*)というのである。そこで君子は必ず自ら自分で一人を慎むのである。

*「謙」:謙(ヘリくだ)る、慎んで人の下につく。「慊」:飽き足りない、心に満足しない。

小人(しょうじん)閑居(かんきょ)して不善を為(な)し、至らざる所(ところ)無(な)し。君子を見て后(のち)厭然(えんぜん)として、其の不善をおおいて其の善を著(あらわ)す。人の己を視(み)ること、其の肺肝(はいかん)を見るが如く然(しか)り。即ち何の益かあらん。此を中(うち)に誠(まこと)あれば外(そと)に形(あら)わると謂う。故に君子は必ず其の独りをつつしむなり。

(現代語訳) つまらない人間は暇があると善くないことを考えて、何をしでかすかわからない。それでも立派な人物に出会うと良心が目覚めて、自分が嫌になって自分の悪いところを隠して善い方を表そうとする。然し他人がそれを見透かすことは、肺臓肝臓を見通すような物で、何の役にも立たないだろう。これを中に誠があれば自然に外にあらわれ出るものだという。偽りもまた同じである。故に君子は必ず独りを慎むわけである。

・・・「小人閑居為不善、無所不至」はよく聞く文言です。簡単に言うと、小人はつまらない、貧弱な考えしか持たない人、大人は富者、貴人を敬っていうこと。君子は学識・人格共に優れ、徳行の備わった人、です。人の性情・人格は、まさに人それぞれですが、大昔から変わらない人間模様があります。

posted by at 18:42  |  塾長ブログ, 国語力ブログ

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