『大学』を素読する16

長崎市江戸町にある難関大学・医学部を目指す幼児教室・学習塾 羅針塾では、素読に実語教を暗誦します。「幼(いとけな)き時、勤め学ばずんば、老いて後、恨み悔ゆると雖も尚(なお)所益有ること無し 故(かるがゆえ)に書を読んで倦むこと勿れ 學文に怠るとき勿れ 眠(ねぶ)理を除いて通夜(よもすがら)誦(じゅ)せよ 飢えを忍んで終日(ひねもす)習え」

さて、『大学』を素読する16です。

唯(ただ)仁人(じんじん)之を放流し、諸(これ)を四夷(しい)にしりぞけて、與(とも)に中國(ちゅうごく)を同じうせず。此(これ)を唯(ただ)仁人(じんじん)能(よ)く人を愛し、能(よ)く人を惡(にく)むを為すと謂う。

賢を見て擧(あ)ぐる能(あた)わず、擧(あ)げて先んずる能(あた)わざるは命なり。不善を見て退くる能わず、退けて遠ざくる能わざるは過ちなり。

人の惡(にく)む所を好み、人の好むところを惡(にく)む。是を人の性に拂(もと)ると謂う。菑(わざわい)必ず夫(そ)の身に逮(およ)ぶ。

是(こ)の故に君子に大道(だいどう)有り。必ず忠信(ちゅうしん)以て之を得(え)、驕泰(きょうたい)以て之を失う。財を生ずるに大道(だいどう)有り。之を生ずる者衆(おお)く之を食する者寡(すく)なく、之を爲(つく)る者疾(はや)く之を用(もち)うる者舒(おもむろ)なれば、即ち財(ざい)恒(つね)に足る。

仁者は財を以て身を發(おこ)し、不仁者は身を以て財を發(おこ)す。

未(いま)だ上(かみ)仁を好みて、下(しも)義を好まざる者は有らざるなり。未(いま)だ義(ぎ)を好みて、其の事終わらざる者は有らざるなり。未だ府庫(ふこ)の財、其の財に非ざる者は有らざるなり。

(現代語訳) ただ仁人であってこういう人物を思い切って追放し、これを外国に退けて国内で共に居ないようにする。これを唯仁人のみが能く人を愛し、能く人を悪むを為すというのである。

智徳兼備の優れた人物、賢人を見ながら挙げ用いることができず、挙げても上位に引き上げて、其の能力を充分発揮させることの出来ないのは君主の怠慢である。不善の人を見ながら退けることができず、退けても遠ざけることのできないのが過である。

人の悪むところ即ち同義にはずれた行為を好み、道義にかなった正しい行為を悪む。これを人の本性にもとるという。そういう者には禍がその身に及んでくるものだ。

そこで君子に歩むべき大道がある。必ず忠信(まこと)の心を以て実践することによって高い地位は得られるが、おごりたかぶり、そしてなまけることによってせっかく得た地位を失うことになる。財を生ずるにも大道がある。生産する者が多く、これを消費する者が少なく、生産を早くして消費をおもむろにすれば財は常に足るのである。

仁者は財を世に施してその身をおこすが、不仁者は身を犠牲にして財をつくる。

まだ上位にある者が仁を好んで、下位にある者が義を好まない者はない。まだ義を好んで、物事が首尾よく終わらない者はない。まだ国庫の財も当然の財として人手に渡ったことはない。

posted by at 19:13  |  塾長ブログ, 国語力ブログ

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