長崎市江戸町にある難関大学・医学部を目指す幼児教室・学習塾 羅針塾では、将来の日本を支える人になる為に、志を持って自ら学んで行く塾生を育てていきたいと考えています。
子供の学力向上以前に、乳幼児へのスマホの影響について、「致知」令和元年(2019)9月号からの引用の続きをご紹介いたします。
子育てはスマホをオフにして
川島 さらに僕がいま一番心配しているのが、乳幼児へのスマホの影響です。先ほど先生がおっしゃった愛着障碍も、一番の原因は実はスマホだと思うんです。多くの母親が、授乳時に子供を見ないでスマホを見ているんですよ。
医療現場では、母乳を飲ませることが大切だということは教えられるんですが、授乳がコミュニケーションだという教育は行われていないんですね。ですからお母さんは、赤ちゃんにおっぱいをあげながらスマホをいじっているんです。
最近は知育アプリというのも出てきました。スマホの画面に現れたキャラクターが「いないいないばぁ」をしたりするんですが、親はそれを見せておけば子供が賢くなると思い込んでしまう。結果的に、親子がしっかり向き合わなければならない大切な時期に、スマホとばかりコミュニケーションして育つ子供が山のようにいます。
一時期神経小児科医がサイレント・ベビー症候群と呼んで盛んに警鐘を鳴らしていましたけど、最近はあまり言わなくなりましたね。土屋 平成16年頃に「ながら授乳をやめましょう」ということが盛んに言われていました。他人と目を合わさず、言葉の遅れが著しい子がどんどん増えてきているから、テレビやスマホのスイッチをオフにして、ちゃんと我が子の目を見て、言葉掛けをしながらおっぱいをあげてくださいと訴えていました。
川島 それがいまではすっかり鳴りを潜めてしまって、いま小学校を訪れると、明らかに表情に乏しくて、他人の気持ちを読む能力に欠ける子が大量にいるんですね。
この状況を変えていくには、時間はかかりますけど、これから親になる子供たちに、スマホの使い過ぎは問題があること、子育てで大事なのはコミュニケーションだということを直接教えていくしかないと思うんです。土屋 本当におっしゃる通りです。スマホ授乳は、虐待に等しい行為と言わざるを得ません。
僕が昭和40年に教員になった頃、発達障碍の有病率は1万人に1人でした。これが2、3年くらい前の調査では15人に1人にまで激増している。しかし、先ほども言いましたように、その多くは愛着障碍だと僕は解釈しています。
そして、それは言葉の教育や、母と子のコミュニケーションによって愛着の再形成が可能であることを、僕は活動を通じて実感しています。
・・・子供の学力向上以前に、また言葉の教育以前に、生まれたばかりの赤ちゃんへの母親の向き合い方がとても重要であるとのお話です。
お母さんが妊ってからの胎教も、母親の心の安定が一番大事です。その延長として出産後の赤ちゃんに接する母親がスマホなどに囚われて子供の目を見ないというのは、意思疎通を図ろうとしないことになります。
その結果、子供が「発達障害」と判定されてから、母親が大慌てで対応に追われる、という話もあります。
ネット・ワーク社会の必需品ともいえるスマホの普及率の高さが、社会の様々な階層に弊害を与えているという事実は、「情報」を遮断して家族を守るべきときに来ているのかも知れません。