導入される予定だった英語の民間検定試験について、萩生田光一文部科学相は1日、令和6年度めどに実施を延期すると発表(産経新聞2019.11.1)。https://www.sankei.com/life/news/191101/lif1911010014-n1.html
具体的には、
●令和2年度の大学入試における民間英語試験活用のため、大学入試英語成績提供システムの導入を見送ること。
●英語教育の実現のために導入を予定してきた英語民間試験を、経済的な状況や居住している地域にかかわらず、等しく安心して受けられるようにするためには、さらなる時間が必要だと判断したこと。
●大学入試における新たな英語試験については、新学習指導要領が適用される令和6年度に実施する試験から導入することとし、今後1年を目途に検討し、結論を出すこと。
・・・実施する間近になっての結論ですが、大英断です。
英語の民間検定試験を大学入学試験に導入することについては、筆者は反対の立場です。正直なところ、文部科学省の文部官僚の拙速がもたらした結果だと考えます。賛成派の学者などの理屈はわからないでもありませんが、そもそも各種の民間試験の内容やレベルに差があり、成績評価の客観性に疑問が残ります。また、受験機会の不平等さや、受験料の高さも難点です。
いつの時代も、大学受験制度の変更があると、その年度の受験生は対応するのが大変です。但し、どの受験生にも平等な制度変更でなければなりません。