幼児教育・学習塾の羅針塾では、幼児さんや小学生の親御さん方に、将来の高校入試や大学入試に対する事前準備として、適宜現状の情報をお伝えしています。
公立高校の入試は、現在過渡期にあります。
つまり、令和三年(2021)一月から実施される大学入学共通テストが、新学習指導要領の根幹ともいえる「資質・能力の三つの柱(*)」を意識した出題になるからです。
(*)資質・能力の三つの柱とは?
文部科学省H.P 「新しい学習指導要領が目指す姿」より(https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/siryo/attach/1364316.htm)
学校教育法第30条第2項が定める学校教育において重視すべき三要素(「知識・技能」「思考力・判断力・表現力等」「主体的に学習に取り組む態度」)です。
資質・能力の要素
1)「何を知っているか、何ができるか(個別の知識・技能)」
各教科等に関する個別の知識や技能などであり、身体的技能や芸術表現のための技能等も含む。基礎的・基本的な知識・技能を着実に獲得しながら、既存の知識・技能と関連付けたり組み合わせたりしていくことにより、知識・技能の定着を図るとともに、社会の様々な場面で活用できる知識・技能として体系化しながら身に付けていくことが重要である。
2)「知っていること・できることをどう使うか(思考力・判断力・表現力等)」
問題を発見し、その問題を定義し解決の方向性を決定し、解決方法を探して計画を立て、結果を予測しながら実行し、プロセスを振り返って次の問題発見・解決につなげていくこと(問題発見・解決)や、情報を他者と共有しながら、対話や議論を通じて互いの多様な考え方の共通点や相違点を理解し、相手の考えに共感したり多様な考えを統合したりして、協力しながら問題を解決していくこと(協働的問題解決)のために必要な思考力・判断力・表現力等である。
特に、問題発見・解決のプロセスの中で、以下のような思考・判断・表現を行うことができることが重要である。
- 問題発見・解決に必要な情報を収集・蓄積するとともに、既存の知識に加え、必要となる新たな知識・技能を獲得し、知識・技能を適切に組み合わせて、それらを活用しながら問題を解決していくために必要となる思考。
- 必要な情報を選択し、解決の方向性や方法を比較・選択し、結論を決定していくために必要な判断や意思決定。
- 伝える相手や状況に応じた表現。
3)「どのように社会・世界と関わり、よりよい人生を送るか(学びに向かう力、人間性等)」
上記の1)及び2)の資質・能力を、どのような方向性で働かせていくかを決定付ける重要な要素であり、以下のような情意や態度等に関わるものが含まれる。
- 主体的に学習に取り組む態度も含めた学びに向かう力や、自己の感情や行動を統制する能力、自らの思考のプロセス等を客観的に捉える力など、いわゆる「メタ認知」に関するもの。
- 多様性を尊重する態度と互いのよさを生かして協働する力、持続可能な社会づくりに向けた態度、リーダーシップやチームワーク、感性、優しさや思いやりなど、人間性等に関するもの。
- こうした資質・能力については、学習指導要領等を踏まえつつ、各学校が編成する教育課程の中で、各学校の教育目標とともに、育成する資質・能力のより具体的な姿を明らかにしていくことが重要である。その際、子供一人一人の個性に応じた資質・能力をどのように高めていくかという視点も重要になる。
・・・文部科学省の目指す方向性は理解できますが、これを具体的に小中高の各学校で教育・指導するには、相当の技量及び人間性の高い教員を配置できるかにかかっています。大学などの教員養成機関の抜本的な改革無しには画餅に終わるのではないかと思うのは筆者だけでしょうか。
因みに、公立高校入試過去3年間の教科別公表平均点を低得点・高得点でランキングした資料があります(Educational Network Journal vol.53)
2020年度
高得点Top5
数学 1.埼玉県67.9 2.東京都61.1 3.香川県56.8 4.岡山県56.6 5.広島県56.4
英語 1.三重県64.0 2.奈良県62.2 3.新潟県59.5 4.山梨県59.2 5.青森県58.7
英語に関しては、低得点Top5 に、残念ながら長崎県がランクインしています。
1.鳥取県39.8 2.長崎県43.6 3.石川県45.3 4.島根県45.6 5.北海道47.7