「使える英語」どう教える

島国である日本国内で「使える英語」をどう教えるか。

長年教育界で議論されてきていますが、問題山積です。

長崎市は観光都市として外国人も多く訪れます。
豪華客船の入港するときなどは、長崎市五島町にある羅針塾 学習塾・幼児教室の周辺でも何人もの外国人とすれ違うほどです。

しかし、長崎市内の小・中・高校などの学校教育の中で、児童生徒に積極的に英会話の実践として英語を用いた観光案内をさせる、などといった取り組みでもしない限り、実践的な「使える英語」には程遠いのが現状です。

<米国・ニューヨークで活躍中の日本人 Artistからの案内状>

 「「使える英語」どう教える 中教審案 授業時間確保・小学校教員の質が課題」
(産経新聞の記事(平成28.8.2 )から)

 グローバル化の進展で“使える英語”が求められる中、次期学習指導要領の審議まとめ案で英語教育の強化方針が示された。
小学校英語では国語との連携も重視されるが、指導者を確保できるかなど課題も多い。

 英語はコミュニケーション能力の向上が課題とされており、英語を使って「何ができるか」「どのように学ぶか」に重点を置く。

 最も大きく変わるのは小学校英語だ。
現行では5、6年生で実施している「聞く」「話す」中心の英語活動に、「読む」「書く」を加えて教科化。
文字も使って学習する中学英語に円滑につなげる。
国語と連携し、日本語の音声や語順との違いに気づかせる。

 小学校での教科化に伴い、指導する単語数は高卒レベルで現行の3千語から4千~5千語程度に増える。
授業時数は各学年で週1コマ分増えるが、他の教科を削減しないため、時間の確保が課題となる。
まとめ案では、15分程度の短時間学習の設定や長期休業の活用など柔軟な時間割編成が必要としている。

・・・これについて
渡部亮次郎の「頂門の一針」第4077号(平成28年8月3日)というブログにある前田正晶氏の「読者の声」投稿記事が目に付きました。

「誰が、どのような 方法で、どうやって教えるか」

若干長めですが引用します。
前田氏は米国の会社で長年勤務され、英語に通暁されています。

小学校の英語教育を強化すると中教審が:前田正晶

 またまた言い出したかと思って新聞の記事を読んだ。
自らの英語に対する 劣等感を他人に押しつけている気がしてならない。
子供の頃から英語を教 えるという発想は必ずしも悪いとは言わない。
問題は「誰が、どのような 方法で、どうやって教えるか」である。

それは「教えられる人材の要請」でもある。
何でも小学校の中・高学年で の英語の時間を140時間増やして合計で5,785時間にするとかだ。
私には良 く解らない教育方針だ。

小学校の英語教育の現場に接している訳ではないが、聞くところでは「助 教」とやらいう名の外国人を置いている学校もあるようだ。
このよう な”native speaker”を有り難がることを私は何度も批判してきた。

それは外国人であるからと言って、必ずしも正しく正確で品格が高い英語 を話し、且つ教える能力があるとは決まっていないからだ。
私は遺憾なが ら外国人にそのような日本語を教える能力も資格もない。
それと同じで、 何処の馬の骨かも解らない外国人の採用は疑問である。

もっと正確に言えば、アメリカ人ならばアメリカのどの地域の出身か、UK の人ならばCockneyで話すか否か、オーストラリアやニュージーランドの 出身であれば正調なQueen’s Englishを話す能力を備えているか等々を確 かめるべきだが、採用する学校側にその識別能力を備えていなければ、妙 なことになってしまうのは必定だ。

 私が問題だと思うことは「これまでの我が国の科学と して英語(正調なEnglishではないという意味)で育ってきて、外国人離 れした発音しか出来ない先生方が、これまでよりも長い時間を従来通りの 方針で教えるのであれば、改革にも強化にもならない」のではないのか。

(中略)
 
 要するに「必要に迫られない限り、外国語は簡単には 上達しない」。
即ち、必要に迫られていない小学生 に教えてどれほどの効果が上がるのかということ。

 私の英語学習法はこれまでに何度述べたか解らないが、「100回かそれ以 上の音読、暗記、暗唱、単語帳を作らない、言葉は文章の流れの中で覚え る、教科書に書き込みをしない、解らない言葉でに出会えばそこで直ぐ (電子?)辞書を引く何回も引く、音読はその文章が何処で切れて、何を 意味するかが解るようになるまで続ける」なのだ。

 これは私一人に適した方法ではなかったことは、大学の同期に全く同じ方 法でnative speaker並の英語力を備えた私如きが遠く及ばない凄い者がい たこと、家庭教師をやって中学生を育て上げた経験、某商社で個人指導を して実績があった経験とうで立証したと確信している。

(中略)

 私は結論として「習うよりは馴れよ」と「慣れと度胸だ」が外国語の上達 の根底にあるとは思う。
だが、それ以前に「最初に正しく正確に基礎を教 え込むこと」があると思っている。
そういう教え方が出来る人材が何処に どれほどいるのかが、我が国の外国語教育の最大の問題点だと認識している。

 

posted by at 11:54  |  塾長ブログ

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