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脳障害児と「漢字」

脳科学の研究が進んでいますが、まだまだわからないことが多いのが脳の働きです。AI(人工知能)の研究も進んできましたが、人間の脳の働きにはまだまだ追いつくことはできません。

石井勲先生著作「0歳から始める脳内開発ー石井式漢字教育」の「第一章 赤ちゃんの脳力アップは漢字から」に、「『かな』を読めなかった脳障害児が『漢字』を読めた!」という項目があります。引用してご紹介します。

「かな」を読めなかった脳障害児が「漢字」を読めた!

たった一文字のかなでさえも読むことのできない五歳の脳障害児が 漢字を教えたらどんどん読んだといったら、みなさん、どう思うでしょう か。そんな馬鹿な……というのが、大方の反応だと思います。しかし、 事実なのです。

 その子は一歳半の時にダンプカーにはねられ、頭蓋骨陥没という重 傷を負いました。幸い命はとりとめたものの脳に後遺症が残ったのです。 医師からは、回復は絶望的と言われていたのですが、せめて自分の名 前だけは読めるようにさせたいと思い、それこそ両親は一生懸命にな って文字を教えたそうです。しかし、一年たっても言葉は覚えられない し、一文字のひらがなさえも読めないと言うのです。子どものお母さん は、脳に障害があるから言葉が出ないと思い込んでいました。でも、二 年、三年経てば、せめてアーとかウー、マンマといった言葉が出てくる と思っていたのです。そうなったら、いろいろな言葉を教えようと考えて いました。しかし、これでは逆です。脳に障害があるから言葉が出ない のではなくて、言葉が出ないから脳が発達しないのです。

脳に障害があったとしても、脳全体に障害が生じているということは ないのですから、声をかければ、残った健全な脳がイキイキと動き出し、 少しずつ頭の回転がよくなっていくということをお話しました。そして、 子どもの脳を活性化させるためには、お母さんでもお父さんでも誰でも いいから、できるだけ話しかけてやること、そして、漢字を覚えさせるこ との重要性をお話しました。

毎日、一枚の漢字カードを15回、1回に10秒くらいかけて見せながら 読んでやる、という方法を教えたのです。一日の学習時間はわずか二分半ほどですから、この子にとっても負担にはなりません。その後、10 日くらいたって、7つの漢字が読めるようになりました」と喜びの手紙が 来ました。五歳になるまで、まったく文字が読めなかった子どもが、たっ た一週間で7つの漢字を読めるようになったのです。半年後、その子ど もに会ったら、表情がまるっきり変わっていました。きりっと引き締まった いい顔になっていました。その時には100以上の漢字が読めるようにな っていました。目の輝きも違っていたのです。

そして一年半後の手紙には、「覚えた漢字は300字になりました。今 では“かな”もすべて覚えました」とありました。

現在、小学校五、六年生が一年に学習する漢字はおのおの約180字 ですが、習得できるのは学級平均で三分の二ぐらいだといわれていま す。つまり二年間で300字の漢字を覚えることは大変なことなのです。 それを考えると、五歳の脳障害児がこれだけ覚えたということは驚くべ きことといえるでしょう。

もっと素晴らしいことには、この子が漢字を覚えていく過程で、情緒 が安定したことです。それまでたびたび癇癪を起こしていたことを我慢 できるようになったこと、病院で診察を受けるときも聞き分けができて、 一人で診察を受けられるようになったことなどが書かれていました。

ポイント:人間として一番必要な能力というのは本を読む力だと思うのです。本を楽々と読めるのと苦労して読むのでは一生の間に大変 な違いが出て来ます。ですから子どもにしてやれる一番よいこと は、本を読む能力をつけてやること、つまり漢字を教えてやるこ とです。

・・・上記の話は、所謂健常者である子供さんであれば、更に様々な可能性があることを示唆しています。話しかけてやること、そして、漢字を覚えさせるこ との重要性」という文言は、日本人の子供さん全てに当てはまります。この二つを日々繰り返す事が出来れば、飛躍的に語彙力並びに読解力が増します。小学校就学前の幼児期を、如何に有意義に子供さんに過ごさせる事が出来るかは、親御さんの日々の努力に掛かっています。

 

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言葉の数が少ない子どもは知能が低い 1

小学校の高学年になると、友人同士や大人との会話をする際に、語彙力の差が歴然と表れてきます。それは、生まれてから幼児期を経て小学校へ上がり、高学年(例えば小学校6年生)になると、11年前後の間日々語彙力を増やし続けているかどうか、によって差が生まれます。 仮に、十年間に限ると、1日一語 一年365日×10=3650語、1日10語で36500語です。

さて、石井勲先生著作「0歳から始める脳内開発ー石井式漢字教育」の「第一章 赤ちゃんの脳力アップは漢字から」に、「言葉の数が少ない子どもは知能が低い」という項目があります。引用してご紹介します。

言葉の数が少ない子どもは知能が低い

 心理学者のポール・ショシャールの言葉に、次のようなものがありま す。

「知能は言葉によってつくられる」

どうしてそういうことを言ったのかというと、彼はフランス人ですが、フランスでは多くの黒人がいろいろな仕事に従事しています。アフリカか ら慟きに来ている人が多いのですが、その子どもたちは当然フランス の学校へ入り、フランス人と一緒に学習します。ところが、学校の成績 はあまりよくありません。このため、黒人は生まれつき知能が低いという 偏見がありました。

そこでショシャールは、この黒人の子どもたち一人ひとりを、どこで生 まれて、どこで育ったかを調べたのです。すると、アフリカで生まれて アフリカで育った子どもだけを集めてみると、たしかに知能が低いので す。

ところが、フランスで生まれてフランスで育った黒人の子どもの知能 は、まったくフランス人の子どもと変わらなかったのです。

同じ黒人の子どもでも、フランス生まれのフランス育ちならば、知能 はフランス人と同じレベルにある、ということを調査によって明らかにしたのです。

つまり知能というものは生まれつきのものではないのです。人種によって知能が低いとか、白人だから高いというのは誤りである、ということ がわかったのです。

では、その知能というものは、何によってつくられるのかということを 調べると、その原因は言葉にあるということも明らかになりました。

フランス語で使われている言葉は、ボキャブラリーが豊かです。フラ ンスで生まれた子どもたちは、豊かな言葉を耳にして育ちます。だから 知能が高いのだと説明したわけです。

フランスに比べて、黒人が使っている言葉は語彙が少ないのです。 そういう環境で育った子どもは、一般的に知能が低いのです。

幼児期の子どもに言葉を教えるのは、まず母親でしょう。母親の言葉 を通して、子どもの能力が育っていくのですから、お母さんの役割は非 常に大切です。母親が言葉の教育に熱心に取り組むことが、子どもの 将来に響いてきます。

・・・「五、六歳までの間に約三万語の単語」は、「言葉は知識を刈り入れる道具」(https://rashinjyuku.com/wp/post-959/でご紹介しました。

日本人が漢字を音読みと訓読みで学ぶというのは、複雑そうですが、一旦コツを掴むと、漢字の特性である表音文字と表意文字の二面性が活かされます。物心がつき始めると同時に、漢字を使って子供さんに上手に働きかけていくと、語彙力が順調に増え、賢い子供さんに成長していきます。

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親も一緒になって楽しむ教育

0 歳から始める脳内開発」(石井勲先生著書)という表題は、平成9(1997)年出版当時、流行した言葉ですが、いつの時代も変わらない日本人の子供さんをよりよく育てたいという教育熱を表しています。

食べるのに汲々としていた時代は、親が子供さんと共に学んだり、家庭教育に関わることはなかなか出来ません。現在では、年間の祝祭日など暦の上での休日が増え、職場や学校での週休2日などで、親御さんが子供さんと接する機会が増えています。

その意味では、親も一緒になって楽しむ教育という観点からみると様々なヒントが有りそうです。

石井勲先生著作「0歳から始める脳内開発ー石井式漢字教育」の「プロローグ 「まえがき」にかえて」に、「親も一緒になって楽しむことこそ真の教育」という項目があります。引用してご紹介します。

親も一緒になって楽しむことこそ真の教育

 詰め込み式に漢字を学習させられた私たち大人にとって、漢字には いいイメージがありません。漢字の書き取り試験のための勉強は苦痛 でした。大人になって試験から解放されて初めて、漢字は楽しいという ことに気づく人も多いと思います。

 ある出版社の編集者に聞いたのですが、ビジネスマン向けに漢字の 本を出版したら 10 万部をこえるベストセラーになったそうです。また、こ の出版社では、やはりビジネスマン向けに『数学がわかる本』とか『数学 オンチのための微分と積分』という本を出したら、これも 10 万部を超え る売れ行きだそうです。

漢字も数学も試験があるから嫌いになってしまうのです。しかし、本 当は漢字や数学の面白さを知っているのです。ですから大人になって、 ちょっとややこしい漢字や面白い漢字に出会うと新鮮に感じられるので す。微分や積分の本が売れるのも同じ理由でしょう。今さら微分や積分 を知ったからといって、仕事には何の役にも立ちません。昇格試験に 出題されるわけでもありません。でも微分や積分の面白さはわかって いるのです。

現在の小学校で行われている漢字教育では、漢字を好きになること はできません。100 人の子どもに聞けば、ほとんどが嫌いだと言います。 たぶん好きだと言う子どもはいないでしょう。原因は一つです。漢字を 書かせているからです。書くことにエネルギーをとられてしまい、漢字が読めることの楽しみを実感できないから好きになれないのです。 テレビで育った世代のお父さんやお母さんは、自分たちもあまり本を 読まないから、漢字は不得手だという方も多いでしょう。生活の中でこ れだけ漢字に囲まれていますから、多少の漢字コンプレックスもあるの ではないでしょうか。そんなときに、自分も子どもと一緒になって漢字教育を始めるのは楽しいことです。

この本の後半に出てきますが、漢字の成り立ちを知ること、“かんむり”や“へん”の持つ意味を知って漢字を見ると、面白くなってきます。親も興味を持って漢字と接し、その気持ちを子どもに伝えながら一緒に 学習して行くと、子どもの漢字への興味もわいてきます。自分でその喜 びを知ろうとします。文字の形を見て推理する能力も養われてくるので す。

 漢字を覚えて読書の喜びを知った子どもは、自分で解決しようとする 能力や自主性が育っていくのです。自分で考えるよいトレーニングにも なります。そのためには漢字は早くから読めたほうがいいのです。

私はこの本を通じて、親と子が一緒になって楽しく漢字を学んで欲し いと思っています。

漢字は読むものであり、遊びであると思えば、今までの漢字に対す るイメージがまったく違うものになってくるのではないでしょうか。

・・・多くの親御さん達は、ご自分の子供の頃を思い出すと、同じ漢字を漢字練習帳に繰り返し書く様に指導されてきています。筆者も、親の忠告をきかず日中は遊び呆けてしまい、寝る頃になって思い出し、学校の漢字の宿題を泣きながらしていた遠い記憶があります。当然、書き順などは等閑視。漢字熟語の意味合いなど考えもせずに、帳面(ノート)の頁(ページ)を埋めることだけに集中していました。

今振り返ると、それも決して無駄では無いのですが、石井先生が言われる様に、その労力を楽しい読書に振り向けていれば、より楽しい小学生時代であったろうと思います。

現在でも、小学生の塾生全員に学校からの宿題を問うと、「漢字〇〇ページです」と答えが返ってきます。もう少し学校の先生方に漢字の宿題の出し方を工夫して欲しいものですが、おそらく先生ご自身の経験を基にして、十年一日の如く宿題を出し続けているのでしょう。

当塾では、子供さんの理解力や習熟度に応じて、国語辞典や漢字辞典を活用しつつ、工夫しながら漢字や熟語の語彙を増やしていきたいと考えています。

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漢字を教えてはいけない

幼児教育に於いて「多芸は無芸」に通じる、と喝破された石井勲先生。→「漢字は学問の基礎である」(https://rashinjyuku.com/wp/post-1615/

筆者も常日頃考えていることをズバリ指摘されています。つまり、「下手な鉄砲も数撃ちゃ当たる」的な考えで、様々な幼児教育を子供に同時並行的に受けさせることの愚、についてです。成人で体力も忍耐力もある人ならばともかく、幼い子供さんは体力も忍耐力もこれからつけていこうという時期です。植物に例えると、やっと双葉が開き、根も浅くしか土に伸ばしていない段階。1週間のほとんどを習い事に通っているという幼児さんもいます。これでは、風に晒される双葉のように、体力も気力も萎えてしまいます。

石井勲先生著作「0歳から始める脳内開発ー石井式漢字教育」の「プロローグ 「まえがき」にかえて」に、「漢字を教えてはいけない」という項目があります。カール・ヴィッテの教育法に通じる強い信念を持つことの大事さを教えてくれます。引用してご紹介します。

漢字を教えてはいけない

子どもに漢字教育をするというと、つい勘違いしがちなことは、「漢字 で教える」ということと「漢字を教える」ということがまったく別なのだとい うことに気づかないで、あくまでも教え込んでしまっているということで す。

 私は「漢字」と「漢字」ということを厳密に区別しているのですが、 漢字教育というと、どうしても「漢字を」教えてしまうケースが多いのです。 しかも、悪いことに、子どもがどれくらいわかったかを“書かせる”ことに よってチェックしてしまいがちなのです。

しかし、漢字を覚えさせることが目的となったり、書かせたりすること はまったく無意味です。鉛筆もまだろくに持てない幼児に「旗」などとい う字を書かせることには無理があります。無理なことは苦痛になります から、結局、身につかないのです。それどころか、無理に漢字を教える から漢字嫌いになってしまうのです。

 私が提唱している石井式漢字教育では、次の三つを基本理念として います。

一、漢字を教えてはいけない

一、漢字をどれだけ覚えたか、テストをしてはいけない

一、漢字を書かせてはいけない

漢字教育をする場合、子どもに漢字を書かせる必要はまったくありません。ないどころか、漢字を書く能力は幼児の才能開発にとって何のプラスにもなりません。小学校に入ってからでも、漢字を書き取る能力 はほとんど必要ないのです。

極端なことを言うようですが、小学校に入って、もし書き取りの試験で 悪い点を取ってきても、叱る必要はまったくありません。むろん、わざわ ざ漢字で零点をとってきた子どもの頭をなでてやる必要はありませんが、 叱ったり、復習させる必要はないということです。

 漢字のテストでいい点を取ることと、子どもの脳を活性化させることと は少しも関係ありません。漢字は読めさえすればいいのです。漢字が 読めるようになると、親が放っておいても本を読むようになります。そう すると、幼児の脳は活発に動き始めるのです。

現に、私は息子が小学生になって書き取りの宿題を出されて帰って きても、息子には一切やらせませんでした。書き取りをやって、それが できるようになったからといって頭がよくなるはずがないと確信していた からです。

一時間も二時間もかけて漢字の書き取りをさせるくらいなら、本を読 ませたほうがはるかにいいのです。今だから言えることですが、息子の 代わりに、私が宿題の書き取りをしたこともあるほどです。わざと子ども の字を真似てヘタに書いてやったものです。そこまでしなくても……と 思われるかもしれませんが、それほど、子どもにとって漢字を書かせる ことは無意味だと考えていたからです。

 

・・・カール・ヴィッテの父が「我々は子供を社会に送り出すにあたって、出来るだけハンディキャップを少なくしてやる義務がある」との信念で、叡智の限りを尽くし子供を教育したことに通じるものがあります。https://rashinjyuku.com/wp/post-951/

一般的に、日本人は自分だけが突出して物事を行うということはありません。農事暦に基づき、段取りを考えていく米作農民の様に、季節ごとに為すべきことを為すことで収穫ができる歴史を重ねてきていることも背景にあるのでしょうか。基本的に周囲の人と横並びにすることで摩擦を回避する傾向が強い。子供さんの教育も然り。

自分の信念で、子供の教育を計画的に行うというよりも、Aさんは何々、Bさんはこれこれ、という情報を入れつつ、我が子の教育を考える、というのが普通の様です。つまり、他人さんの例(成功例、失敗例)を横目に見つつ、試行錯誤して行く。

子供の教育は、必要不可欠なことを徹底して学ばせるということに尽きる様です。

 

posted by at 08:47  | 塾長ブログ, 国語力ブログ

漢字は学問の基礎である

長崎市五島町にある学習塾・幼児教室 羅針塾 https://rashinjyuku.com/wp では、塾生が日々国語辞典や漢字辞典などの辞書を活用しています。言葉の意味合いをしっかり理解すると、話したり本を読んだりするのが楽しくなります。

石井勲先生著作「0歳から始める脳内開発ー石井式漢字教育」の「第5章お父さんとお母さんのための漢字の常識」に、「漢字は学問の基礎である」という項目があります。非常に示唆的であるので、引用してご紹介いたします。

漢字は学問の基礎である

漢字というものは本当に素晴らしいもので、あらゆる学問の基礎、日 本人にとっては基礎中の基礎なのです。この力を伸ばして、より多くの ものを身につけさせてやるということが、教育でいちばん重要なことで す。

子どもには自ら進んで学ぼうとする本能があるから、それを正しく伸 ばしてやり、自ら求めさせるような環境をつくって、いたずらに詰め込ん で口を開けて待つような子どもに育てないでいただきたいのです。

今の幼児教育は、あまりにもいろんなことをやり過ぎます。欲を出さ なくていいのです。あれもこれもできるということは、何もかもいい加減 にしかできないという欠陥を、当然秘めているわけです。昔から「多芸 は無芸」といいます。何もかもできるということは、何もできないというこ とに通じます。

一芸に秀でていればいいのではないですか。その一芸の、いちば ん基本になるものは何でしょうか? それは、まず読解力を養うことで す。読解力を養うためには、その基本である漢字を身につけねばなり ません。これさえやれば、どんな道でも自然に開かれていきます。

幼児に対する漢字教育は、詰め込み教育であってはいけません。そ ういうやり方をすると、最初は興味を持っても間もなくそっぽを向くように なります。そうなるともう伸びなくなります。子どもは自分で知りたがっているということを、いつも念頭に入れておいてください。

子どもが持っている“目分から求める”能力を生かすようにしないと、 子どもは親から指示されなければ何も考えようともしないし、学ぼうとも しなくなります。まして自分の頭を使って、新分野を開拓する気持ちは起きるはずがありません。

今の教育は、子どもたちが本来持っているヤル気の芽を摘むようなやり方です。

私の漢字教育の基本は、「漢字で教える」ことです。大人が「漢字を使う」ことです。大人が使ってみせることで、かたわらで聞いている子ど もの言語生活が豊かになっていくのです。

いちばん必要な能力は、本を読む力です。楽々と読むのと苦労して 読むのでは、一生の間に大変な違いが出てきます。子どものときから 本を読めるようにする、本に興味を持たせるためには、幼児期からの漢 字教育は不可欠です。

小学校から漢字を学ばせる――これが常識になっている今日の教 育者の認識では、まったく理解におよばないでしょう。しかし幼児期か らやればどんな子どもだって容易に本が読めるようになります。ところ が大事な幼児期を無為に過ごして、小学校へ入ってから始めるので、 苦労しても身につかないだけなのです。

筆者は、幼児期に母親と一緒に市場に買い物に行くのが楽しみでした。今では日常の買い物に「市場」に行くことはほとんど無いのが現状ですが、当時は市場への往復や市場の中にも様々な漢字が溢れていました。看板や商品の表示など、漢字表記ですから、目に入る漢字は全て母親に尋ねたものです。漢字の熟語もあれば、送り仮名のついた漢字もあります。その都度都度、丁寧に説明してくれました。おそらく、子供が一つ一つ尋ねることと、それに応えることを母親は楽しんでいたのでしょう。毎日毎日、ほぼ同じ道を歩くわけですし、また他の用事で違う町に行くと、さらに様々な漢字が出てきます。これを繰り返す事で、自然に様々な漢字を読めるようになりました。一つの漢字を読めると、もっと知りたいという自然な欲求が出てきます。また、人名にも様々な漢字が用いられていますから、母親の側で日常を過ごしていると、同様にその都度尋ねます。音読み訓読みの違いもすんなりと入ってきていますから、小学校に上がっても授業が易しすぎて詰まらないと感じた思いがあります。結果、人名漢字も同じ年齢の子と比較して読めた記憶があります。

引用した石井先生のお話は、経験上首肯できることが多々有ります。時代が違うと言われればそれまでですが、街中にある看板や様々な表示は、随分漢字が減ってきています。アルファベットや漢字仮名交じりが当たり前のような状態です。

従って、幼児期の語彙力をいかに増やしていくか。漢字の学びをどのようにしていくか。親御さんの創意工夫が必要です。

 

 

posted by at 10:15  | 塾長ブログ, 国語力ブログ
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