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国語力の二極化

長崎市五島町の 就学前教育・学習塾の羅針塾では、子供さん達が母国語である日本語の力をしっかり身につければ、様々な知識を吸収し世界で活躍できる人になると考えます、と先のブログで述べました。

ところが、

つむぎNEWS(都麦出版)というメルマガに『ルポ 誰が国語力を殺すのか』石井光太著〈文芸春秋〉が紹介されています。

メルマガには、

ごく普通の公立中学校の教室では,次のような会話は日常的に行われているとのことです。

男子A「あのゲーム,くそヤバかったっしょ」
男子B「ああ,エグかった」
男子C「ってか,おまえ台パン(ゲーム機の台を興奮して叩くこと)しすぎ」
男子A「あれ,まじヤバかったよね。店員ガン見だから」
男子B「くそウザ」
男子C「つーか,おまえがウザ」
男子B「は,死ねよ」
男子C「おまえが死ね」

この会話を知ると,最近の子どもたちの語彙数が極端に減っているのではないかと危惧されます。そして,安易に「ウザ」とか「死ね」とか,相手を傷つける言葉が使われるため,人間関係において誤解が生まれ,トラブルに発展するケースも多いのではないかと懸念されます。最近,このような言葉使いをする子どもが増えているのでしょうか。もし,この子どもたちが相手を思いやる気持ちや,豊かな語彙数をもっているグループなら,まったく同じ会話をしたとしても,次のような言葉で語ることでしょう。

男子D「あのゲーム,すごく展開が早くて,やっていてのめり込んじゃったね」
男子E「うん。僕は映像がすごくかっこいいと思った」
男子F「E君,夢中になって興奮して台を叩いていなかった?」
男子D「店員さん見てたよね」
男子E「お店の人や,周りの人に悪いことしたなぁ」
男子F「これから気をつけた方がいいよね」

このような会話なら,感情や事象を的確な言葉に置き換え,物事を正確に把握しているので,無意味な誤解から衝突が生まれるようなことにはならないでしょう。

・・・大人の前では、現代風な言葉遣いをしないのが従来の子供達でしたが、最近の子供達は、それすらもできないようになったのでしょうか。

子供の世界では、所謂「仲間内の言葉」で会話するのが常です。

しかし、TPO(Time(時間)、Place(場所)、Occasion(場合)。Opportunityと使われることもある)の頭文字をとって、「時と場所、場合に応じた方法・態度・服装等の使い分け」を意味する和製英語。)に応じた会話ができて当たり前だった時代は遠くなった感があります。

 

『ルポ 誰が国語力を殺すのか』石井光太著〈文芸春秋〉に紹介されているとある小学校の校長先生(30年以上の教員経験がある国語専門の先生)が語る言葉をご紹介します。

「大学の研究者や文科省の上の人たちは、今の子供達の活字離れだとか、読解力低下の問題ばかりを重視しています。私もそれが全くないとは思いません。でも、教育現場にいて感じるのは、国語の文章が読めるかどうかは一つの事象でしかなく、他の教科や日常においても、先に話したのと同じ現象(※)が見られることの方が危ういということです。

(※)常識に照らし合わせれば明らかにおかしいとわかるはずのことを、単なる読み違いではない解釈をしてしまう現象

社会で戦争のことを学んでも、そこで生きる人たちの生活の苦しみを想像できない。理科で生態系を勉強しても、命の尊さに結びつけて考えられない。生活指導でクラスメイトに『死ね』と言ってはいけないと話しても、『なぜ?』と理解できないといったことです。

読解力というのはテクニックのような面もあります。方法を教えて練習を積み重ねれば読めるようになります。でも、子供達はテクニックをつける前段階のところで、重大な力を失っているように思えてならないのです。それが彼らにさまざまな問題を引き起こしてしまっている、あまり指摘する人がいませんが、私としてはとても深刻な事態ではないかと危ぶんでいます。」

 

そして『ルポ 誰が国語力を殺すのか』の著者石井光太氏は、以下のように続けます。

今の子供達は、昔とは比較にならないくらい大量の情報に取り囲まれ、常にそれを取捨選択する必要性に迫られている。その点では、彼らは溢れんばかりの情報を次から次に整理したり、処理したりする力はあるのかもしれない。

だが、そうした力と、一つの物事の前に立ってじっくりと向き合い、そこから何かを感じ取ったり背景を想像したりして、自分の思考を磨き上げていく力は全く別のものだ。校長が今の子供達の多くに欠けているのではないかと危惧しているのはこちらの能力なのだ。

 

・・・2022年度の文科省が教育改革の一つとして行った新学習指導要領における国語の内容の変更があります。高校国語の必修だった「国語総合」を「言語文化」と「現代の国語」に分けました。

「言語文化」はこれまで通りの小説や詩といった文学作品を扱い、「現代の国語」は契約書の読解やデータの読み取りなど実用的な文章を通して実社会に必要な能力の育成を目指しています。

ところが、この改革には、漢字や古文を学ばなければならない日本の国語教育と、アルファベットだけで成り立つ欧米の国語教育とは根本的に異なるもである、という疑問が投げかけられています。

筆者は、表意と表音を表す漢字、平仮名・片仮名などを用いて表現する日本語は、世界でも独自の発達をしてきている文化と考えます。所謂「国際化」という漠然とした概念に基づき、英語文化圏に優位性を持たせるような教育の傾向には、大きな疑問を感じます。

むしろ、日本の古典として、古文・漢文の素養を身につけていくことが、現代文の水準を上げていくことになると考えます。

そして、日本語の力を上げ、日本人らしい感性を高めていくことが、日本人の独自性(identity)を示して、他の言語圏の人とも正しい人的交流ができるのではないか、と思います。

posted by at 15:21  | 塾長ブログ, 国語力ブログ

教科書に載らない歴史上の事実 3 GHQ検閲官

長崎市五島町の 就学前教育・学習塾の羅針塾では、子供さん達が母国語である日本語の力をしっかり身につければ、様々な知識を吸収し世界で活躍できる人になると考えます。

もうすぐ大東亜戦争(昭和16(1941)年12月8日に行われた真珠湾攻撃の宣戦布告後、日本政府は閣議決定でこの戦争を「大東亜戦争」と命名)終戦後72年もの歳月が経ちます。

因みに、戦後、米国GHQ(連国軍最高司令官総司令部(General Headquarters, the Supreme Commander for the Allied Powers)によりこの戦争を「大東亜戦争」と呼ぶことが禁止され、代わりに「太平洋戦争」の名称を使うように強制されました。

日本が米国に占領された期間は、昭和20年(1945)停戦から2週間後の9月28日から、日本国との平和条約( Treaty of Peace with Japan、昭和27年条約第5号)締結後、昭和27年(1952)4月28日に公布されるまでの7年間に及びます。

 

さて、縁あって「GHQ検閲官」(甲斐弦著)という本を入手。

大東亜戦争後の日本が、独立を回復した後も、言論界・マスメディアに戦前の日本の良さを伝えるのではなく、負の情報をしきりに垂れ流している現状を、筆者は日本の未来を切り開いていくべき子供達や若者達にとって由々しきことであると痛感していました。

現在に至っても、真実の情報を国民に伝えず、Bias(バイアス:先入観、偏り)のかかった情報を伝え続ける新聞・放送などは、国民自身の力によるインターネットやSNSにおける情報交換によって、その正体や実態が明らかにされつつあります。その戦後の歪んだ情報空間を作ったきっかけが、米国GHQの検閲、情報統制であるということです。

同著から引用してご紹介します。

GHQ検閲官(甲斐 絃著)

「敗戦で日本人は軍のくびきから解放され自由を与えられたと無邪気に信じ込んでいるが、戦争は終わったわけではなく今なお続いているのである」

終戦後、GHQ検閲官として働いた英文学者・甲斐絃は、言論の自主規制こそ軍事的敗北以上に深刻な民族の危機だと訴えた。

自由と見えて実は自由ではない。

その根源にあるのはアメリカの占領政策の検閲制度だったーーー。

(中略) この日初めて本格的な手紙の検閲の訓練が始まった。郵袋から引き抜いて来た手紙の現物が皆に配られる。

ハサミで封筒の末端を開封して、じっくり読む。検閲要項に抵触するものがあったら、テーブル・マスターに見せる。これは翻訳と命じられたら、翻訳する。翻訳不要と言われたら、元に戻して封をする。

前もって我々は検閲係専用の検印が渡されていた。「C.C.D.J-4332」などといった文字が浮かんでいる。ナンバーは人によって違う。それを封筒に押すのである。ハサミで切り取った部分を封するのには回転式のセロテープを用いる。(中略) セロテープには、次のような黒い文字が二行にわたって繰り返し記されていた。

「OPENED BY /MIL.CEN.-CIVIL MAILS」

「軍検閲局・民間通信係/開封」という意味であろう。

甲斐弦(かいゆずる、明治43(1910)年熊本県出身)は、東京帝大文学部イギリス文学科を卒業後、佐渡中学校の教諭、蒙古政府の日系官吏を経て、昭和20(1945)年6月18日に応召、昭和21(1946)年4月下旬まで残留日本軍将兵の一人として支那大陸の山西省で中共軍と戦った後、同年5月13日に佐世保港に帰還しました。

甲斐弦は家族を養うために昭和21(1946)年10月28日から同年12月27日まで福岡のアメリカ軍第三民間検閲局(CCD)に勤務。アメリカ軍の検閲に協力した日本人自身がその検閲の実態を戦後生まれの日本国民に伝える貴重かつ稀有の回想録です。

GHQは日本国民の膨大な私信から十通に一通を無差別に抽出し、日本人の動向を探っていました。日本人または日系二世の検閲官がこれを検閲し、検閲要項に抵触するものは片っ端から翻訳、危険人物と思われる者はブラック・リストに載せ、あるいは逮捕し、場合によっては手紙そのものが没収となりました。

これは言論および思想の自由を謳ったポツダム宣言に違反する措置であり、GHQ自身の手に成る新憲法にも抵触するような検閲が、憲法公布後もなお数年間にわたって実施されていたのです。民間検閲局こそがこの違法行為の実行者でした。

母親の存在感

長崎市五島町の就学前教育(プレスクール)・学習塾の羅針塾では、子供さんの成長にとって母親の存在の大きさや影響力について、親御さんに機会あるごとにお話ししています。

父親の立場からしても、これは否定出来ない。

さて、時々引用ご紹介させて頂いている致知出版社の人間力メルマガ 2022.7.18から。

1978年にデビューして以来、
「乾杯」「巡恋歌」「とんぼ」
「MOTHER」など数々のヒット曲を世に送り出し続けているシンガーソングライターの長渕剛さん。

今もなお長渕さんの心に残る母の教えとは。

(長渕さんにとってお母様はどういう存在ですか。)

〈長渕〉
どう振り返っても、母は僕の師ですね。
僕が生まれる前に兄を生後間もなく亡くしていますので、
念願の男の子だったと思います。
当時は高度経済成長の走りの頃で貧しかったですし、
僕は非常に病弱なガキでした。

父は警察官で地域のために
一所懸命外回りをしていましたから、
ほとんど家に居ない。
母から影響を受けたっていうか、
ほとんど母子家庭みたいなもんです。

一番厳しかったのは、
「嘘をつかない」ということですね。

(ああ、嘘をつかない。)

〈長渕〉
小学生の時に習い事をサボったことがありました。
その嘘が母にバレて、
そういう時は決まって三回問い詰められるんです。
神仏の前に正座させられて、
「行ってないよね」と聞かれて「行った」って答える。

「二回目、聞くよ」
「いや、ちゃんと行ったんだ」。

で、三回目になるとやっぱり良心の呵責というか、
三回も嘘をつくのかと後ろめたくなって、
「嘘だよね」って言われた時に黙っちゃう。
そうすると、真っ暗な押し入れの中に
一時間くらい放り込まれた後、
再び神仏の前に正座させられ、母が

「心はどこにある」

と聞くんです。僕は

「……うーん……どっか、このへん」

と自分の胸の辺りを指します。

・・・誰しも、子供の時に経験したことのあるような「嘘をつくことの後ろめたさ」

何となく嘘をついてしまった経験は、後々まで心の底に沈静しています。ふと、思い出すことがあり、苦笑してしまいます。

すると母は、ビシッと、

「どこだか分からないから、
自分の心を示すために言葉と行動があるんだよ! 
言葉と行動そのものがあんたの心 !! 
覚えておきなさい」

と言うんです。

(含蓄に富んだ教えです。)

だからといって、生涯嘘をつかないで
生きてきたわけじゃないんですが、
ただやっぱり人が不幸になる嘘ってありますから、
それは小さい頃から言わないようにしてきました。

それから母は苦しい時や悲しい時に、
よく歌を口ずさんでいました。童謡です。
おそらく僕のDNAに刻み込まれている
メロディーっていうのは、
母を通して聴いた童謡が
非常に大きく影響しているんじゃないかなと思います。

 

・・・素晴らしいお母さんです。氣合いの入った言葉。

男の子を育てるには、氣合いは必須。

「どこだか分からないから、
自分の心を示すために言葉と行動があるんだよ! 
言葉と行動そのものがあんたの心 !! 
覚えておきなさい」

この言葉は名言です。

 

 

学校訪問 精道三川台小学校・中・高等学校

長崎市五島町の就学前教育(プレスクール)・学習塾の羅針塾では、機会があれば学校訪問をさせて頂きます。

何故なら、

各学校の校長先生の教育方針・目標、教育実績を拝聴し、授業、校内生活の雰囲気等を拝見させて頂き、塾生の指導に役立たせたいと考えるからです。

偶々、精道三川台小学校・中・高等学校の学校説明会・公開授業に参加させて頂き、小・中・高一貫教育の様子を垣間見ることが出来ました。

学校説明会では、中学校・高等学校とも在校生が案内役を務め動画や写真を巧みに用い、話術も笑いを誘う楽しい雰囲気で、日常の学校生活を彷彿とさせるpresentation(プレゼンテーション)でした。

長崎で唯一の小・中・高一貫教育の男子校の特色を垣間見ることが出来た学校訪問でした。

中学生の英語教科書が難しい

長崎市五島町の就学前教育(プレスクール)・学習塾の羅針塾では、日々コツコツと努力を続けることの大事さを、学ぶことを通じて体得するべきではないか、と考えています。

さて、

2021年度からの中学生の英語教科書が大変難かしくなっているのをご存知でしょうか。

例えば,ある教科書では,Lesson1の一番初めのところで,

I like animals very much.

I have a turtle and an iguana at home.

という文章が登場します。

すると、

「なぜanimalsとsがつくのか。」

「turtleにはaがつき,iguanaにはanがついているのはなぜか。」

などと疑問をもつ生徒が出てきます。それについて,教科書には何の説明もありません。

本来であれば、英語学習の順序として,数えられる名詞と数えられない名詞の違いや,a, an, theなどの冠詞については,日本語との違いをしっかり教える意味でも指導しておくべきです。

なぜなら,日本語と異なり『英語は名詞の数に厳密な言葉である』ということを生徒の頭に染み込ませておかないと,いつまでたっても「正しい英文」を書くことができないからです。

英語力の決め手は「英作文」です。

英語学習においては,リスニングやスピーキングも大切ですが,最終的に英語力を試されるのは「英作文」です。

入試でも英作文の出題比率が高まっています。

また,英語を学ぶ生徒が、英米人との片言の英語で会話を楽しむ程度の関わり合いをもつだけなら,ブロークン英語でも事足ります。

しかし,将来ビジネスでの商談や,学術研究の論文発表などの場面で英語を使わなければならない人にとっては,冠詞の使い方や三単元のsなども正確に使いこなすのは必須です。そのためには,片言の英語ではなく,しっかりと正確な英文を作れる能力を獲得しておく必要があります。

小学校でも英語が導入されていますが、現状の英語の授業は、簡単な会話を反復させる程度で、「聞く」「話す」ことでお終い、という状況です。

この様な授業をいくら繰り返しても、英語力がつくはずがありません。

小中高レベルでは英語は学問ではなく言語として習得すべきものです。

従って、母語である国語を習得する様に、文法(言葉の決まり)を身につけ、繰り返し「聞く」「読む」「話す」「書く」ことができる様にならなければなりません。

因みに、

イチロー氏(元メジャーリーガー)の日々の努力についてのエピソードは殊に有名です。

高校の3年間、僕は寝る前の
10分間素振りを続けました。

1年365日、
欠かさず続けました。

それが僕の誰にも負けないと
思える努力です 

イチロー(元メジャーリーガー)
月刊『致知』より

・・・一日10分、就寝前に学習する習慣をつけると、

10分 × 365 = 3,650分 = 60.83 時間 も学習することになります。

10分と言えば、あっという間の時間ですが、ここに集中する習慣を付けると、学習効果は抜群にあります。

・・・就寝前に英語の単語、英作文、音読などに活用すると、暗記力も一段と高まります。

 

posted by at 15:37  | 塾長ブログ, 英語力ブログ
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