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小学校英単語700〜800語ー中学進学時に覚えていることが前提

幼児教室・学習塾の羅針塾では、「暗記しなければならない」ではなくて、「暗記するのが当たり前」になる様に塾生を指導しています。

つまり、音読を徹底するとともに、筆記することに日常的に取り組みながら、進度・理解に応じて、自然と暗記できる様になって欲しいと考えています。特に、漢字・英単語の暗記は学力向上の要と考えるからです。

然るに、現在の教育界の風潮は、かっての大学の受験地獄と言われた暗記中心の勉強を忌避し、小学校で暗記することを習慣づけることをしません。

例えば、小学校英語の覚えておくべき単語数は700〜800語。これを4.5.6年生の数年間、週2時間の学習で身につけなければならない、とされています。ところが、実際の教育現場では、会話中心の授業に終始し、子供さん達には、何を習ったのかを再現できない様な状況が起きています。

問題の根は、深い。

日本の子供達にとっては、英語のアルファベットを習いローマ字を習得し(但し、ヘボン式ではない)、それから英単語を覚えていく、というのが従来のプロセスです。

ところが、

現在の文科省は、「児童生徒に身に付けさせたい情報活用能力」として

文字入力に関しては,学習指導要領解説の「国語編」に4年から3年生にローマ字の指導が変更になった理由として「コンピュータを使う機会が増え」と書かれていることからも,3年生からローマ字による正しい指使いでの文字入力(タッチタイプ)の指導を行うものとする。https://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/056/shiryo/attach/1249670.htm

として、コンピュータのキーボード上でローマ字を書くことを奨励しています。

これでは、英語を手書きですることなく学ばせようという愚策を実践させようとしている、と断言出来ます。

覚えるべきときに、手を用いて繰り返すことで、英単語を習得するのが本来の在り方です。

況(いわ)んや、英語はアルファベット26文字の組み合わせですから、呪文の様に言いながらスペルを覚えていかざるを得ません。

よく言われるネィティブ(native)の発音通りで綴ると、正しいスペルは日本人は書けません。

 

笑い話ですが、

筆者の大学受験時代に学んだ先生のお話です。

ある英語の先生が研修旅行でアメリカに行ったとき、ニューヨーク駅の切符売り場で汽車の切符を買おうとしました。目的地の「フィラデルフィア」と英語教師らしく発音すると、何回言っても通じないので困ってしまわれたそうです。後ろには切符を買う人がたくさん並んで居る。気は急くが通じない。

ご本人曰く、最後に痺れを切らして、

「古道具屋(フル ドウグヤ)!!」

と叫んだら、

「 O.K.  Philadelphia」

と切符をくれたそうです。・・・因みに、不謹慎ですがこの先生の英文法の授業で今も唯一覚えている英語の話です。

 

・・・話は脱線しましたが、

正しい英単語や英文は、愚直に発音しながら、筆記体で書くことです。

覚えるまで!!!

 

結局、

五歳前後から飛躍的に記憶力が伸びる小学校三年生(十歳頃)迄に、所謂「読み・書き・算盤」の基本をシッカリ身につけることが出来れば、無理なく学力の向上を図ることが出来ます。英語も同様です。

また、英語に限らず、フランス語、スペイン語、ドイツ語など、語学を身につけるには、読み・書きを覚えるまで繰り返すことにつきます。

教科書に載らない歴史上の人物 29  出光佐三

幼児教室・学習塾の羅針塾では、これからの日本を支える子供達に、大きな自信を与え、学ぶ意義を理解し、個々人が精進できるようにするためには、日本の歴史や偉人・先人の行いを学ぶことが必要であると考えます。

当ブログでは、「教科書に載らない歴史上の人物」シリーズを少しづつ書いておりますが、本来は小学校の教科書に掲載されるべきではないかと筆者が思う、日本の偉人を取り上げております。

第29回でご紹介するのは、財界にあって日本人を叱咤激励した出光佐三氏です。

財界研究社『財界』第14巻第4号(1965)より

出光佐三氏は、昭和56年(1981)に逝去されますが、昭和天皇が「出光佐三、逝く」と、

国のため ひとよつらぬき 尽くしたる きみまた去りぬ さびしと思ふ

と詠まれています。

天皇陛下が一国民の逝去を惜しまれて歌を詠まれることは非常に稀なことですから、出光佐三を如何に評価されていたかが偲ばれます。

その出光佐三氏が、「日本人にかえれ」(出光佐三著 昭和四十六年)に、以下の文言を記しています。

序 青年に望む

私は二十六年前の終戦二日後に、社員一同に対し次のような訓示をした。

玉音を拝して

十五日恐れ多くも玉音を拝し御詔勅を賜り涙の止まるを知らず、いい表すべき適当なる言葉を持ち合わせませぬ。

万事は御詔勅に尽きている。陛下は限りなき御仁慈を垂れ給いて赤子を救わせ給うたのである。しかも国民の心中をお察し遊ばして、五内も為に裂くと仰せられました。恐懼の極みであります。最後に今後われらの進むべき道を明らかにお示し遊ばし、神州の不滅を信じ国体の精華を発揚せよ、と仰せられ、人重くして道遠きを念い総力を将来の建設に傾け道義を篤くして志操を堅くせよ、と仰せられている。われわれは朝夕奉読し聖旨に答え奉るのみであります。

私はこの際店員諸君に三つのことを申し上げます。

一、愚痴を止めよ

二、世界無比の三千年の歴史を見直せ

三、そして今から建設にかかれ

愚痴は泣き声である。亡国の声である。婦女子の言であり、断じて男子の採らざるところである。ただ昨日までの敵の長所を研究し取り入れ、己の短所を猛省し、すべてをシッカリと肚の中に畳み込んで大国民の態度を失うな。

三千年の歴史を見直してその偉大なる積極的国民性と広大無限の包容力と恐るべき咀嚼力とを強く信じ安心して悠容迫らず堂々として再建設に進まねばならぬ。

そして国体の精華を発揮し、世界平和に貢献せよ。  (後略)

昭和二十年八月十七日

・・・終戦二日後に、社員に対して檄を飛ばす(自分の主張を述べて行動への決起を促すこと)気合が尋常ではありません。正に、「艱難汝を玉にす*」を実践しています。

*人は困難や苦労を乗り越えることによって、初めて立派な人間に成長するということ。

posted by at 15:23  | 塾長ブログ

小学校受験の利点 暗記力の向上

幼児教育・学習教室の羅針塾では、「記憶力は三歳がピーク」(https://rashinjyuku.com/wp/post-1958/)というブログを先に掲載していますが、幼児期から通塾し、小学校受験を経た子供さんの学力向上が順調なことを痛感しております。

その一つの例として、年中(五歳児)から通塾し始めて、小学校受験を経た小学校一年生。右脳(機械的記銘能力)と左脳(論理的記銘能力)が交差する頃に近づく時期ですが、見事に長文を暗唱できる様になりました。音声動画は下記をクリックしてください。

 https://drive.google.com/file/d/10hBUbe_KIrz1XVWum_-O3U1SgkO2Xo6d/view?usp=drivesdk

 

「二宮翁夜話」(二宮尊徳の門人・福住正兄が、師の身辺で暮らした4年間に書き留めた《如是我聞録》を整理し、尊徳の言行を記した書。二宮尊徳の自然、人生、歴史観ならびに報徳思想を、平易に私心を交えず伝えた書。)の中の最初の夜話1です。

因みに、暗記した文章は以下の分量です( A4のプリントに19行)。

二宮翁夜話

posted by at 12:35  | 塾長ブログ, 国語力ブログ

小学校英語教育と英文法2

幼児教室・学習塾の羅針塾では、塾生それぞれの力に応じて学年を超えて学ぶ力をつけていきたいと考えています。

従って、同学年での一斉授業は致しません。

何故なら、一定のラインで授業をすれば、そのライン以上の力を持つ子供さんは物足らなさを感じ、そのライン以下の力の子供さんは解らないということになります。

それぞれに応じた適切な「学び」は、「学び」の悦びにつながります。

さて、

渡部昇一上智大学名誉教授(専攻英語文法史。英語学者、歴史家、評論家)が『秘術としての文法』(講談社学術文庫1988)から、

小学校英語教育と英文法1

と重複する部分もありますが・・・

英文法に対する私の尊敬心の基となっているそれは、日本語から何らの類推をも許されない異質の言語である英語を、ゼロから出発して二年後にはちゃんとしたものを読めるようにし、手紙程度の英語をかけるようにしてくれたのは他ならぬ英文法であった。

・・・このお話は、筆者も中学一年生の時に習った女性教諭(中尾先生)から英語の手解きを受けた印象に近いものです。中学校から英語を始めるので十分であるというのは、筆者の公立中学生時の英語担当の先生方が一所懸命に教えてくださったことが原点としてあります。英文法の授業の黒板に数回消しては書き加えるご説明は、ノートのページがみるみる埋まるほどでした。筆記体で書くのも当然です。

私の体験から言っても、文法は誠に魔法であった。母国語は何となく覚えたので神秘感を持つことはなかったが、つい一〜二年までチンプンカンプンであった横文字の本が文法にしたがって文脈を追っていくと、明晰な意味が現出してくるということは何とも不思議な経験であった。

・・・更に、渡辺先生は述べられます。

つまり、こういう文法学(文献学)は、時空を超越した精神の世界を啓示してくれる、まさに秘技的な技術なのである。

文法の翼に乗って我々は空間的にギリシャに飛び、時間的には二千数百年タイムマシーンを逆転させ、プラトンやアリストテレスが、さながら眼前にあるがごとくに対話をすることができるのである。

これが魔術ではなくて、一体何が魔術の名に値するであろうか。

私が中学の最後の年にベーコンを読んだ体験は、規模こそとるに足りぬささやかなものであったにせよ、この魔法の世界を垣間見たことであったのだ。

東北の田舎の中学生が、エリザベス期のイギリスの大法官である学者と対面したのだから。

 

・・・渡部昇一先生が「読めなかったものが読めるようになる伝家の宝刀」が英文法である、と言っておられます。

若かりし頃の渡部昇一先生が論述されたのが、ドイツの大学の学位論文「初期近代英語文法の中世ラテン文法への依存的関係の研究」です。

この出発点が「中学の最後の年にベーコンを読んだ体験」であり、渡部昇一先生の一生のお仕事になる英語との関わりです。

posted by at 15:23  | 塾長ブログ, 英語力ブログ

小学校英語教育と英文法1

幼児教室・学習塾の羅針塾では英語を学ぶ以上、塾生は英語文法、筆記体プラス英単語暗記は当然のこととして取り組みます。

小学校英語が導入されてから、教室で「聞く」「話す」は英語で行っているようですが、「読む」「書く」は重視されていないように思います。国・公・私立の学校によって英語の指導内容は様々です。

ところで、

海外留学、海外勤務したり、英語に堪能な人ほど、小学校英語には疑問を呈します。それよりも、しっかり母国語である国語力をまず身につけるべきである、という理由からです。

さて、

渡部昇一上智大学名誉教授(専攻英語文法史。英語学者、歴史家、評論家)が『秘術としての文法』(講談社学術文庫1988)の中で、概略以下のことを述べられています。

・私の英語の力は終戦当時、ほぼゼロであると言ってよい。

・それから二年たったらどうなっていたか。私はベーコンのエッセイを精読していたが、よく解ったことを覚えている。

・学校の勉強のほかにも『宝島』を独力で読み上げた。そして私の友達にも原書に手を出す者が何人かいた。

・この体験から私は次の結論を引き出す。
「15、6才の学生に、文法書と辞書を与えて適当な指導を与えれば、二、三年後には英米の読書階級が読むような本でも正確に読むようにすることができる」と。

・もちろんすベての生徒がそういう風にはならないだろうが。

・私の体験から言っても、「文法」はまことに「魔法」であった。

・母国語は何となく覚えたので、神秘感を持つことがなかったが、つい一、二年前までチンプンカンプンであった横文字の本が文法に従って文脈を追って行くと明晰な意味を現出してくるということは、何とも不思議な感じであった。

・そしてこれは私一人だけの体験だけでもなく、クラスで出来る方の連中、つまり何とか受験程度の英語をマスターした連中で英文法ぎらいの人間はいなかったように思う。

・つまり私の頃の中学や高校では「文法」という「魔法」をマスターしたものだけが出来る生徒であり、難かしいと言われる大学に進学した。

・いつか私の大学の言語学の時間に、「いわゆる受験英文法をマスターしそこなった人間の知性は信用しがたい」というようなことを言ったら拍手が起った。

・それは英語・英文学の専攻者のクラスであったから、みんな受験英文法は一応マスターしているので、それは当然の反応であった。

・もちろんこういう言い方には誇張はあるけれども、学生たちが、受験英文法によって新しい知性が開けたという体験を、それぞれ自覚の鋭さの相違はあれ、みんな持っているらしいことは確かである。

 

・・・現在の中学、高校生にとって、英語嫌いの理由は、

英文法をシッカリ身につけないことが根本的な原因です。

何故か?

彼等の知的好奇心を刺激するものが、一般的な英語の受験勉強にはないからです。

渡部昇一先生が中学生当時(現在の高校一年生相当)、英語の先生からフランシス・ベイコン(1561〜1626 英国の哲学者)の「随筆集」を読むように勧められたように、知的意欲がある少年に適切な英語の原書を勧めてみると、それに挑戦してみようと思うのではないでしょうか。

 

posted by at 14:32  | 塾長ブログ, 英語力ブログ
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