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母の教えと教訓歌 13 二宮金治郎(尊徳)

現在の中学3年生以降が受験する平成32(2020)年度からの大学入試改革に関して、現行の大学入試センター試験に替わる「大学入学共通テスト(仮称)」(かつての「大学入学希望者学力評価テスト」)の実施方針や、個別大学の入学者選抜実施要項の予告が、近々正式に発表されるようです。長崎市五島町にある羅針塾 学習塾・幼児教室では、将来の変化にも対応するべく情報は常に収集していきます。

確かに社会の変化やそれにつれての入試制度の変化はいつの時代もあります。しかし、それに一喜一憂することなく、今何をなすべきかの連続が将来の自分を決定します。

当ブログ「母の教えと教訓歌 10 二宮尊徳」でご紹介した二宮金治郎(尊徳)の教訓歌の更なるご紹介です。

 丹精は 誰知らずとも 自ずから 秋の実りの まさる数々

「丹精*(たんせい)を込めて育てていると、誰が見ていなくとも作物は自然に成長し、秋には豊かな実りが得られるものである」 *丹精=物事を心を込めて行うこと。

国の根幹をなす農業や教育には共通項があります。

それは、農業は手入れの積み重ねが素晴らしい収穫を生み、教育は日々の精進や弛まぬ努力が目標を達成することです。共に、日々の努力の積み重ねが結果を生みます。

教育の成果を出すには、学ぶ本人の努力は勿論のこと、それを支える家族、殊に母親の存在とその努力が何より必要です。

二宮金治郎(尊徳)は、江戸時代末期の農政家。相模国(現在の神奈川県)の貧しい農民の子として生を受け、少年期に父母を失い、叔父の家に預けられます。食べることだけで精一杯の厳しい境遇にあって、必死に働き、その合間にも時間を惜しんで智慧を働かせ、叔父に隠れて学問をしました。

「本を読む暇があればその分働け」「学問より働くことが大事」「百姓には学問はいらない」との風潮の中、読書を表立ってすることはできません。それが後世の各地にある薪を背負って読書をする銅像につながります。

二宮金治郎(尊徳)は学問の成果と、彼の創意工夫により、災害で没落した生家を独力で再考します。その力を認められ、各地で家や農村の再建を依頼されます。彼の指導によって、財政再建、土地の復興に目覚しい成果を挙げ、その功績は時の幕府に知られることになり、老中水野忠邦から抜擢されて天領の運営を任せられることになります。

・・・現在の社会では、江戸期に比べると格段に良い生活環境があります。学ぼうと思えば、誰もが学ぶことができます。

しかし、不思議なもので与えられると却って学ぶ意欲が湧かない子供たちや若者がいます。なんでも当たり前に教科書やノートが有り、無い事の不自由さを感じないことがそのようにさせるのでしょう。やはり、知識欲も飢餓感がないと湧かないようです。

豊かさを享受できる日本では「学ぶ」有り難さを如何に子供たちに伝えるか、が大事です。

posted by at 13:08  | 塾長ブログ

集中力を育む

長崎市五島町にある羅針塾 学習塾・幼児教室では、塾生の長短を見極めながら、力を伸ばすことに日々腐心しています。プロ最年少棋士 藤井聡太四段(14歳)が、29連勝の新記録を達成し、あらゆる方面に衝撃を与えています。当然、どのような子育てをしてきたのだろうかと、マス・メディアも紹介しています。

その中から、「母が語る14歳の素顔 『好き』究め集中力を育む」(産経新聞2017.6.26)からの引用です。

http://www.sankei.com/life/news/170626/lif1706260049-n1.html

家族らの話によると、藤井聡太四段(14)の快進撃を支えてきたのは、遊びや普段の生活を通して小さい頃から培った集中力だという。

 母親の裕子さん(47)によると、藤井四段は幼い頃から外遊びが大好きな活発な少年だった。「家の庭に生えているクロガネモチの木によく登っていました。友達と鬼ごっこをするのも好きで、足が速いのが自慢でした」。その一方で、幼稚園のときにはすでに九九を習得。小さい頃から世界各国の首都名をあてるクイズ、4つの数字に四則演算を組み合わせて「10」を作るゲーム「メイクテン」などに熱中していた。「問題を解いたり、何かを覚えたりすることが単純に好き、という感じです」(裕子さん)

 5歳で将棋を始めた藤井四段。幼稚園児のとき、難解な詰め将棋に挑んだ際には、「考えすぎて頭が割れそう」と口にした。「好きなことには本当に夢中になる。他のことに注意がいかなくなるぐらい」と裕子さん。小学生の頃は学校にランドセルを忘れたこともあった。

 学校の授業も、その場で理解し覚えていった。愛知県内有数の進学校である名古屋大学教育学部付属中学を受験する際は、塾に通わず競争率8倍の難関を突破した。

 食べ物は麺類が好きで、キノコ類は苦手。「どこにでもいる普通の子供」と裕子さん。だが師匠の杉本昌隆七段(48)は「完成された将棋と言われるが、まだまだ成長する。順調にいけば数年後には他の棋士が手をつけられない存在になる」と予言している。

子供さん達も「十人十色」。

それぞれの子供にあった教育方針が見つかれば簡単ですが、それを見出すのが難しい。親御さんの様々な試行錯誤の上に、大方針を定めることが出来れば最高ですが、ことは簡単ではありません。

「遊びや普段の生活を通して小さい頃から培った集中力」とあるように、興味を引くものや関心を示すものを、上手に活用できれば、集中する習慣がつきます。年齢に応じて興味の対象は変わりますが、高い山に登るための一段一段と考えることができます。その時期に応じた学びが済めば、興味を失い、次の興味へと移っていきます。それらの蓄積が繋がりあって、人格を形成したり、能力を開花させることになります。

posted by at 18:49  | 塾長ブログ

学習効果を上げる

長崎市五島町にある羅針塾 学習塾・幼児教室では、普段から塾生さん達が塾に来た際の表情や会話のやり取りの中で、身心共にに健やかな状態か否かを確認します。何らかの不調があれば、無理をして学習することはありません。

心と体が健やかであることが学習効果を上げる基本です。

自然が健康や心の状態に良い影響を及ぼすということは、誰しも経験的に理解しています。

「癒しだけではない驚くべき自然の力」という興味深い記事があります。(産経新聞(2017.6.21)正論)http://www.sankei.com/column/news/170621/clm1706210005-n1.html

 

その中に、子供の学習効果にプラスになるのではないかという事例があります。

 子供が窓から植物や水などがよく見える部屋に住んでいると、その子の集中力や衝動に流されない力など自己管理能力が高いことも分かってきている(ただしこの効果は女の子のみに表れ男の子では表れなかった)。男の子は学校から帰ると家から飛び出し、外で遊ぶことが多いからだろう。実際、男の子の場合にはいつも遊んでいる場所がいかに自然に恵まれているかで、自己管理能力との間に関係があった。

 さらにADHD(注意欠陥多動性障害)の子供は、公園を歩いた後で集中力が増す

成る程と思える研究ですが、もっと詳しいことを聞きたいところです。

 大人では、自然の動画を見たグループはニューヨークのビルの動画を見たグループよりも協力的な行動を示した。写真によって自然と都会の風景を示した場合にも、自然グループは目の前の小さな利益より、後で得られる大きな利益を選ぶ傾向が強かった。

 また自然に触れることでストレスが軽減されるし、うつの原因である、過去の失敗などを思い出してくよくよ悩む傾向が薄れることも分かっている。うつ病にならないためにも、うつ病を改善するためにも自然は役に立つだろう。

 こうしてみると自然の力に驚くわけだが、同時に疑問も湧いてくる。なぜそんなにも力があり、いいことずくめなのだろう。

オフィスでもパワーを生かそう

 実を言うと、自然の風景といっても外してはならない要素がある。それは青々と植物が茂り、できれば水もあるという自然であり、砂漠のような荒涼とした自然ではないということである。植物が茂り、水もあるということの本質は、食べる物などに苦労はしないというメッセージだ。われわれは心が安定し、冷静沈着な行動をとるようになる。

 一方、そういう自然がまったくないと、食べる物などがないというメッセージとなってしまう。とにかく今すぐ何とかしなくてはと焦り、将来など見据えず衝動的で、他人のことなどどうでもよく、今あるものを片っ端から手に入れるという、品がいいとはいえない行動に出ることになる。

 動物行動学では前者のように、環境が安定しているときにとる、先を見据えた戦略をK戦略(*)、後者のように環境が安定せず、目先の利益を追いかける戦略をr戦略(*)というが、実はそれぞれが、その環境に適した戦略である。

 自然の効果は写真や動画でも表れる。ということは観葉植物や鉢植えの花などでもOKのはずだ。都会のオフィスであっても、自然の効果を生かすことができるのである。(動物行動学研究家、エッセイスト・竹内久美子 たけうちくみこ)

(*) 生物の適応的な生活様式や行動を比喩的に表現する社会生物学用語。小型で多数の子を産み、新しい生息場所へ進出しやすいことをr戦略、大型で少数の子しか産まず、変化の乏しい環境にすむことをK戦略というのはその一例。最適戦略はゲーム理論から借用した概念で、特定の目的を達成するために最も効率的なやり方のこと。たとえば最適採餌戦略を餌の分布の仕方などの要因から算出する。進化的に安定な戦略(ESS)は、集団のほとんどの成員がその戦略を採っていれば、それ以外の戦略を採るものが入り込んでも繁栄できないような戦略のことで、個々の戦略がもたらす進化的な利益・不利益のシミュレーションから導き出すことができる。(垂水雄二 科学ジャーナリスト / 2007年) 出典|(株)朝日新聞出版発行「知恵蔵」

・・・大人も子供も、「青々と植物が茂り、できれば水もあるという自然」に癒されます。「水もあるということの本質は、食べる物などに苦労はしないというメッセージだ。われわれは心が安定し、冷静沈着な行動をとるようになる。」・・・宜なるかな、ですね。

まさに、心穏やかに集中力を高めることができれば、学習効果は上がります。

子供さん達と可能な限り自然の中に入っていくことは、親御さん共々心身にとって大きな利点がありますので、そのような時間を是非作りたいものです。

 

posted by at 19:04  | 塾長ブログ

東京大学の「幼児教育の推進体制構築事業」に関する報告書

長崎市五島町にある羅針塾 学習塾・幼児教室では、「幼児教育」の重要性について日々お話していますが、文科省から研究を委託された東京大学が「幼児教育の推進体制構築事業」に関する報告書をまとめています。現地調査とアンケート調査の結果を踏まえて、幼児教育推進体制の構築・ 充実に向けて検討すべきことを提示しています。

http://www.mext.go.jp/a_menu/shotou/youchien/__icsFiles/afieldfile/2017/05/08/1385242_1.pdf

それについてのわかりやすい解説記事が産経新聞にあります(2017.6.19 )。「幼児教育に期待される「アドバイザー」」http://www.sankei.com/life/news/170619/lif1706190016-n1.html

研修や研究の機会が少ない幼稚園教員

 幼児教育の中心的な場である幼稚園や保育所は、実は教育行政の面から見ると、制度的な大きな課題を抱えています。公立小中学校の教員の給与などの人件費は、基本的に国と都道府県・指定都市が負担しており、研修や人事の権限も市町村ではなく、都道府県などが持っています。このため、学習指導要領の改訂などがあった場合、新学習指導要領などに関する教員研修は、都道府県などが主に実施します。

これに対して、幼稚園の教員は、設置者である市町村に研修や人事の権限と責任があるため、都道府県などの研修の対象とならないケースが少なくありません。さらに市町村は、財政的な事情から十分な研修ができないこともあり、幼稚園教員の「研修や研究を実施することが義務教育や高校教育に比べて難しい」と報告書は指摘しています。

また、小中学校は公立が圧倒的に多いのに対して、幼稚園は私立が多いという事情もあります。公立幼稚園は市町村教育委員会が所管しますが、私立幼稚園の多くは首長部局が所管しています。ただ、就園奨励費補助金などの事務が主な仕事で、教育面や教員研修などの問題には深く関わらないのが普通です。

次期教育要領具体化のカギを握る

 さらに、幼稚園は教育(教育委員会)、保育所は福祉(首長部局)、認定こども園は両方にまたがるなど、形態により役所の所管が異なることも問題の一つだと報告書は述べています。次期学習指導要領や次期幼稚園教育要領で、幼児教育と小学校教育の連携や思考力・判断力・表現力等の育成が重視されているにもかかわらず、それを幼稚園などに周知する仕組みが十分ではない……ということです。

2016(平成28)年末に学習指導要領の改善を答申した中央教育審議会は、答申の中で「幼稚園、保育所、認定こども園等を巡回して指導・助言を行う幼児教育アドバイザーの育成・配置」や、幼稚園が、地域における幼児教育センターとしての役割を果たすことを求めています。

しかし東京大学の調査によると、幼児教育アドバイザーを常勤職員として配置している市町村は全体の12%、非常勤職員として配置している自治体は19%しかありませんでした。報告書は「市町村レベルに幼児教育アドバイザー等をどう普及させていくかが課題である」と述べています。

幼児教育の重要性が増すなかで、どうやって実際の幼稚園などにおける幼児教育を新教育要領などの内容に沿って充実させていくかが、これからの幼児教育の大きな課題と言え、幼児教育アドバイザーなどの配置の推進が求められるところです。

2020年に実施される大学入試改革と連動して、高校・中学・小学校と様々な変革が求められてきます。更に、幼稚園や保育園に新教育要領の内容に沿って幼児教育を充実させなさいと、文科省は求めています。

しかしながら、上記記事にあるように「教育アドバイザー」の配置や各幼稚園や保育園に周知徹底させる仕組みなしに、「幼児教育の充実」という掛け声ばかりが大きいように思えます。

いつもながら、教育制度や仕組みがどのようになっても、子供さんの教育はしっかりと親御さんが見定めていかなければなりませんね。

posted by at 12:41  | 塾長ブログ

大学入試改革はどうなるか。

長崎市五島町にある羅針塾 学習塾・幼児教室は、2017年度の公立高校入試分析(速報)のセミナーへ参加してまいりました。

2020年度から実施される「大学入試改革」を見越して、全国の公立高校の入試も大きく変貌しようとしてます。全国の都道府県での出題傾向が地殻変動を起こしているかのようです。

Educational Network Journal Vol.40の記事からのご紹介です。

大学入試改革を見据えた「変化の兆し」は?

 「入試問題の変化」の背景にあるのは、現中学3年生が受験の初年度に該当する「大学入試改革」。ここ数年で、大学入試改革を見据えて「思考力・判断力・表現力」を意識した新しい切り口の問題が目立ち始めましたが、来年度以降は、すべての都道府県で何らかの変化が予想される他、警戒が必要です。

2017年度入試の変化の中で顕著だったのが、社会に多く見られた「記述問題の質的変化」と、21県の理科で採用された「選択肢の中から正しいものをすべて選ぶ」解答形式。

どちらも解答が一つではないということが共通点で、大学入試改革に直結しています。特に、資料やグラフから情報を読み取って論理的に表現するという記述問題は、数多くの県で出題されています。

「思考力・判断力・表現力」が「変化の核」であることを認識することが不可欠です。

ゼッタイに変化しない「知識・技能」、変化し続ける「思考力・判断力・表現力」

「大学入試改革」の元年にあたる2020年度は、次期学習指導要領がスタートする年でもあるため、これから数年間は高校入試、英語教育、ICT教育など、教育環境の激変が予想されます。次期学習指導要領では「詰め込み」か「ゆとり」かの二項対立ではなく、アクティブラーニングを柱とした「学び方」の改革が示されています。

(中略)

「思考力・判断力・表現力」は「知識・技能」の土台があってこそのものです。入試問題は、計算、漢字の読み書きなどの基本的知識の習得を評価する「従来型の問題」と、「思考力・判断力・表現力」を評価する「21世紀型の問題」に二極分化していくことでしょう。

大学入試改革については、2017年5月時点での、継続・更新時項は以下の通りです。

◯名称は「大学入学共通テスト」(仮称)。

◯出題する教科・科目は、国語、数学1世界史A30、物理など30科目で、2024年度の本格実施以降は絞る。

◯国語数学の記述問題は3問程度。国語=80〜120字程度の記述。試験時間は国語100分、数学70分。

◯従来のマーク式問題は、より思考力を要するものへ変更。

◯民間の4技能資格検定試験は、高校3年の4月〜12月に2回まで受験可能。

・・・どんなに試験制度が変わっても、「知識・技能」の土台は不可欠です。それを疎かにして、高いものを求めるの所謂「砂上の楼閣」を築くことになりかねません。

さらに、難関大学を目指すだけでなく、その他の大学入試合格に英語の力は必須です。

だからこそ、幼児期から国語力をつけ「思考力・判断力・表現力」をしっかりと身につけていくべきです。英語の作文力をつけるには、母国語の日本語でしっかり文章を書くことができるのが大前提です。

posted by at 15:00  | 塾長ブログ
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