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英語教育の小中接続

長崎市五島町にある羅針塾 学習塾・幼児教室には、幼児教育や英語教育に関するお問い合わせがあります。
マスメディアやネット情報では英語のnative教育を煽る情報が溢れていることもあり、多くの人は早く英語に慣れることが英語の力を上げることになると思い込まれている節があります。

しかしながら、お遊び的な英会話を何年続けても全く英語の力がつかないことは、英語力のある人ほどご存知です。

つまり、例えば日本人であれば身につけるべき母国語である国語力を例にとってみましょう。

生まれてから常に日本の言葉に囲まれて育つ赤ちゃんの時から始まって徐々に日常会話ができるようになり、親子や兄弟ではコミュニケーションができていても、幼稚園や小学校などの就学年齢に達した時に、同輩や年配の人、また先生方とのしっかりした意思の疎通(コミュニケーション)ができる子供さんがどれほどいるでしょうか。
また、会話だけでなく文書を読んで理解し、必要に応じて自らの意見を(ひらがなやカタカナであっても)文書にすることができるような子供さんはどれくらいいるでしょうか。

そのように、我が子のみならず、周りの子供さんたちを見たときに、如何に日本語の読み書きができていないかを実感できるはずです。

そうであれば、母国語である国語をしっかり身につける前に、外国語である英語を早々と学ぶことの愚を多くの日本人は等閑視しています。

それに関する得心させるような記事があります。

「小6の約3割が英語嫌いに」産経新聞(2017.5.22 )
http://www.sankei.com/life/news/170522/lif1705220026-n1.html

  2011(平成23)年度から小学校の高学年に「外国語活動」(英語教育)を導入した現行学習指導要領は、実施から6年がたちました。
これについて国立教育政策研究所は、6年間の「外国語活動」の成果や課題を調べた調査の結果をまとめました。

英語によるコミュニケーション能力の向上など大きな変化が見られる一方、小6の約3割が「英語嫌い」になっている他、中学校の英語教育との接続にも問題があることがわかりました。

 しかし、英語に関する授業の好き・嫌いを尋ねたところ、小5の15.6%が「どちらかといえばきらい」、4.0%が「きらい」と回答。さらに小6では「どちらかといえばきらい」が20.5%、「きらい」が6.3%と増えています。
合計すると、小6の約3割が英語の授業に苦手意識を持っていることになります。
逆に言えば、残り約7割の児童は英語の授業が好きだとも言えますが、中学校で英語を教科として学ぶ前に、既に3割近くの子どもが「英語の授業が嫌い」になっているというのは大きな問題だと言えるでしょう。

 2020(平成32)年度から全面実施される次期学習指導要領では、小学校高学年で英語が教科となる予定ですが、場合によってはさらに「英語嫌い」が増えることも懸念されそうです。

これでは、文科省のお役人が意図する結果とは程遠いことになります。

更に、

 一方、中学生は「小学校の英語の授業でもっと学習しておきたかった」こととして、「英単語を書くこと」83.7%、「英語の文を書くこと」80.9%、「英単語を読むこと」80.1%などを挙げています。
さらに「小学校の英語の授業で学んだことの中で、中学校の授業で役立ったこと」では、「アルファベットを読むこと」88.8%、「アルファベットを書くこと」83.9%と回答しており、小学校のうちに英語の「読む・書く」を教えておいてほしかったと思っているようです。
これについて同研究所は「外国語活動において音声中心で学んだことが中学校でうまく生かされていない」と指摘しています。

国公立、私立を問わず、小学校課程で英語の授業を受けているにもかかわらず、念の為に英語の教科書について筆者が質問すると、全くシドロモドロになってしまいます。
最低でも週に一回は授業を受けているにもかかわらず、「読めない、書けない、意味がわからない」という現状です。

そのような現状をほとんどの親御さんがご存知ありません。

読み、理解し、書くことができないレベルの国語力で、英語を学ぶことの弊害に世の人々が早く氣付かない限りは、「英語嫌い」の子供達が増えていくことになりそうです。

小学校の親しむための楽しい英語では、読めない、書けない、文章を作れない、という現実に教育者も父兄も氣付かなければなりません。

当塾では、
英語の授業がある以上は、「読み、書き、作文」が英語でできなければならないと考えます。

英語力は国語力の裏付けがあってこそ伸ばすことができます。

posted by at 16:40  | 塾長ブログ

幼児教育と九州大学 オープン・キャンパス

長崎市五島町の羅針塾 学習塾・幼児教室では、前日の大雨が嘘のような晴天に恵まれた五月十三日に、九州大学筑紫キャンパスまで参りました。
三々五々集合し、
先ずは竹田教授の子供達や親御さん向けの講義を聴講。

テーマは「目に見えないものを『見る』」。
教授のわかりやすさとお人柄がにじみ出たご説明を堪能いたしました。

出だしは、少しserious(シアリアス:真剣な、冗談ではない)なお話からです。

曰く、
大学での「落ちこぼれ」の現状は深刻であること。

◯大学入試に合格できたが真の学力がない
◯自分の頭でじっくり考えようとせず、せっかちに答えだけを知りたがる
◯少し長い論理的な文章が読めない・書けない

結果、

●卒業研究で挫折 → 卒業できない

●就職活動で挫折 → 就職できない

・・・という、悲惨なケースが生じていると。
その原因は、
「考えない訓練をしてきた?」
つまり、
テストの点数は上がるが、考える力がついたわけではない。

・・・筆者も同じ考えですが、

幼い頃から、考える癖、考え続ける辛抱強さ、疑問を持つ姿勢、などを身につけないといけない

裏を返すと、親御さんの学ばせる姿勢次第、ではないかということです。

つまり、成績などの結果だけを求める傾向が強い。

何を学びたいか、何を目指すか、をよく考えずに偏差値で行ける大学に進学している。

その結果、大学・大学院に入ったものの、学習や研究意欲を失い力を発揮できない。

親からすると、有名大学や所謂難関校に入学できても、子供さんの力の活かしどころがない、という結果になりかねません。

九州大学Open Campus

その後の展開は詳述できませんが、
竹田教授の楽しい「本日のお品書き」をご紹介します。

■ 目に見えないものを「見る」
  ・手についたバイキンを「見る」
  ・原子・分子を「見る」
  ・磁石の力を「見る」
  ・地球の丸さを「見る」
 ■ 何もないことを表す記号0の発明
 ■ 目に見えないものを「見る」力を養うには?
 ■ おわりに

貴重なお話と、子供達を見る優しい眼差しが有り難い一日でした。

感謝しつつ御礼を申し上げたいと思います。

posted by at 16:36  | 塾長ブログ

文章力と作文教育

作文は得意ですか、苦手ですか。

子供達だけでなく、かって原稿用紙のマス目を埋めるのに苦労されたご父兄もいらっしゃることでしょう。

長崎市五島町にある羅針塾 学習塾・幼児教室では、幼児さんの頃から語彙を増やしつつ、文章を書く訓練をしています。

そもそも我が国の作文教育については、小・中学校の義務教育において、しっかりと学んで書く力が身についた、という実感を持つ人はいないのではないでしょうか。
また、高校での大学受験に向けての小論文対策などは、それが実社会で有用な文章力を発揮できるか否かという視点ではなく、あくまでも希望の大学へ入るためだけの付け焼き刃的な指導にしか過ぎません。

結局のところ、作文作成力や文章力を上げるには、個々人の自助努力まかせと言っても過言ではないでしょう。

何らかの目的を持った文章を作成する力は、社会人としてどのような職業に就くにしろ、必ず必要となる基本的なskill(スキル:技能、技術)です。
それにもかかわらず、
我が国の作文教育では、作文の作法を基礎から技術的に指導をしていません。
小学校に上がってから、段階を追って日本語の文法と文章作法を教え、文章を書く目的に合わせて、必要にして十分な語彙の活用を訓練するべきだと考えます。

たまたま以下の論に巡り会いましたのでご紹介します。

「我が国における作文教育の問題点」慶松勝太郎著
http://ci.nii.ac.jp/els/contents110008748843.pdf?id=ART0009823601

筆者の考える、社会において必要な文章 能力・言語能力は以下の如くである。

1 文法的に間違いのない正しい日本語が書 けること。
2 この名詞にはこの動詞を用いる等の日本 語の慣習に従った文章が書けること。
3 簡潔でわかりやすい文章が書けること。
4 事実を事実として感情を交えずに、叙述 できること。
5 論理的文章が書けること。
6 客観的事実と主張、主観の区分が明示で きること。
7 でき得れば、多くの語彙を持ち、さまざ な表現ができること。

また、「作文教育の日米仏の比較 」という項目では、文章力養成のために国柄にあった明確な方針を示して教育をしている点が注目されます。

渡邉雅子の論文に依れば 1874 年にハー バード大学でラテン語の代わりに英語によ るエッセイ(小論文)が始めて入試に組み 入れられ、エッセイを書く能力では特に「正 確さ、明晰さ、簡潔さ」が重視された(渡 邉雅子 2007 年,596 頁)。つまりハイスクー ル卒業までに正確、明晰、簡潔な文章を書 く訓練が要求されたことになる。

 アメリカ では、Language Arts の授業で、「読む」こ とより「書く」ことに重点を置いている。
「アメリカの国語の授業が目指すものは、 さまざまな文章とその書き方を教え、それ らを状況に応じて書き分けられるようにす ること」である。
 例えば、ある小学 5 年生 の教科書では「物語」「詩」「手紙(ビジネ スレターと親密な手紙)「」説明文」「説得文」 「写真エッセイ」「レポート」「インタービ ュー」「広告」「本の紹介」「自伝」「戯曲」 の 12 の異なるジャンルの書き方が紹介さ れている。
各ジャンルに特有の表現、例え ば新聞記事では客観性をもたせるため受身 の形を多く使う、逆に説得するためのエッ セイでは受動態を能動態に書き換えるなど の練習が行われる(渡邉雅子 2007 年、 575-576 頁)。

 渡邉によれば、フランスの国語教育は日 米と異なり、特に初等教育では文法が学習 の中心を占める。

「フランス語(国語)」の 内容は「文法」「動詞の活用」「綴り字」「語 彙」「文学活動(話す、読む、書く)」「詩」 「演劇」の 8 項目に分けられている。
フラ ンス語は数学と並んで、二大重点科目で、 特に「文法」「動詞の活用」「綴り字」など 「書く」ための基本項目は算数とともに集 中力が高まる午前中に指導が行われる(渡 邉雅子 2007 年、576 頁)。

 文法、中でも動 詞の活用、綴り字に重点が置かれるのは、 日本語と違い、人称ごとに動詞の接続が異 なることや、時制の多いこと、またひらが な表記では音と表記が一致する日本語に対 し、スペリングと音の一致がないフランス 語の特徴によるものとも思われるが、「書く 技術向上のためのアメリカの文法教育と異 なり、フランスではあくまで『文法的に正 しい』文を書くことに重点が置かれている」。

  フランスでは「小学校で『正しく』書くこ と、中学校では『美しい文』を書くこと、 高校では『論理的な構造』で書くことと、 段階的な到達目標を掲げている」(渡邉雅子 2007 年、578 頁)。
(小中学校から段階的に 積み上げ)本格的に書く訓練が行われるの は、高校最後のバカロレア準備級になって からである(渡邉雅子 2007 年、607 頁)。

渡邉雅子, “日・米・仏の国語教育を 読み解く“, 『日本研究』, 35, 2007, pp. 573-619.

米国では、
「アメリカの国語の授業が目指すものは、 さまざまな文章とその書き方を教え、それ らを状況に応じて書き分けられるようにす ること
また、
ハイスクー ル卒業までに正確、明晰、簡潔な文章を書 く訓練が要求されること

仏国では、
小学校で『正しく』書くこ と、中学校では『美しい文』を書くこと、 高校では『論理的な構造』で書くことと、 段階的な到達目標を掲げている」

これに比し、我が国の国語教育では、明確で具体的な作文教育の目標や目的が明示され、年齢に応じた到達目標が設定されているのでしょうか。

posted by at 14:32  | 塾長ブログ

子供の創造力

早いもので明日は立夏(24節氣のの穀雨から数えて十五日目))。田植えや種蒔きの始まる頃です。
長崎市五島町の羅針塾 学習塾・幼児教室は連休中の一日、学習の合間に工作をしました。
新暦の端午の節句に因んで、ダンボールで好きなものを作ろう、と始めました。

カッターナイフの使い方を教えると、それぞれ考えながらダンボールと格闘。
見様見真似で、日本刀と手裏剣を作成。

そして、お決まりのチャンバラ。
昔から、日本人の子供らしい遊びの定番です。

   ダンボール日本刀

身近なもので工作をして遊ぶことは、想像力や工夫する智慧が必要です。
何かを作るためには、観察眼と創造力を駆使しなければなりません。
「ものづくり」は、子どもの学びには不可欠です。

posted by at 20:58  | 塾長ブログ

天才の育て方「親の接し方こそが重要になる」 14歳プロ棋士・藤井四段 

世の中では、様々な教育論や子育て論が喧しく喧伝されています。
長崎市五島町の羅針塾 学習塾・幼児教室では、参考にするか否かは是々非々です。

注目の十四歳の最年少プロ棋士・藤井四段。
早速、以下のような記事が配信されています。

産経新聞(2017.5.2)
14歳プロ棋士・藤井四段はこうして生まれた! 天才の育て方、専門家「親の接し方こそが重要になる」
http://www.sankei.com/life/news/170502/lif1705020010-n1.html

平成21年 小学1年当時、将棋大会に参加した藤井四段

 「自分としてはそんな特別なものはないというか…」

 藤井四段は、文芸春秋(3月号)のインタビューで「自分は天才だと思うか?」と問われ、戸惑い気味にそう答えた。

 この言葉通り、藤井四段にとって将棋は、能書きを無視して夢中になれるものであり、その進化を「強くなりたい」との思いが支えてきた。

 生来の負けず嫌いを伝えるエピソードは枚挙にいとまがない。同誌によれば、小学生の頃、谷川浩司九段から指導を受けた際は、負けが決定的となり「引き分けにしようか」と提案されると、盤を抱えるようにして泣き出したという。

 私生活では中高一貫校の名門、名古屋大教育学部附属中に通う優等生でもある。好きな科目は数学や歴史、地理。読書家でもあり、小5の時には司馬遼太郎の『竜馬がゆく』を読破。新聞は最初から最後まで目を通し、家族とさまざまなことを語り合うという。

結論としては、

「心の土台」「思考の土台」をどう作ってやるか。才能豊かな人間を生むには、親たちが、子供の心にどう寄り添っていくかが重要

・・・何時の時代も変わらないことは、

「心の土台」=しっかりとした倫理観を幼児期に植え付けること。

「思考の土台」=読み・書き・算盤の力をしっかりつけながら、良書を読み込む力をつけること。

に尽きるのではないでしょうか。

百田尚樹の「海賊と呼ばれた男』や司馬遼太郎の『竜馬がゆく』などの長編小説を、小学生の時に読破するなどといった力を身につけるだけの環境を、親御さんが作り上げていることも一つのヒントです。

posted by at 15:28  | 塾長ブログ
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