『大学』を素読する 2

長崎市江戸町にある難関大学・医学部を目指す幼児教室・学習塾 羅針塾では、学びの初めは「素読」から始まります。通塾当初の三歳児が六歳になり、様々な素読を経て『大学』の素読を初めています。

さて、「『大学』を素読する」から少しずつ本文をご紹介致します。

古(いにしえ)の明徳を天下に明らかにせんと欲する者は、先ず其の國を治む。其の國を治めんと欲する者は、先ず其の家を齊(ととの)う。其の家を齊えんと欲する者は、先ず其の身を修む。其の身を修めんと欲する者は、先ず其の心を正しうす。其の心を正しうせんと欲する者は、先ず其の意(こころばせ)を誠にす。其の意(こころばせ)を誠にせんと欲する者は、先ず其の知を致す。知を致すは、物を格(ただ)すに在り。

(現代語訳) 昔、明徳を天下に明らかにして平安を来そうとする王者は、必ず自分の国をよく収めた。自分の国をよく治めようとして、先ず自分の家をよく調和させた。自分の家をよく調和させようとして、先ず自分の身の修養に努めた。そして身を修めるに当たっては、先ず自分の心を正しくした。自分の心を正そうとして自分の意識や感情を正常にしようとした。其の意識や感情を正常にしようとして先ず生まれながら与えられている知恵を極めようとした。そして知恵を極めるというのは、即ち自己を正して本来にかえることである。

・・・人口に膾炙(かいしゃ:よく世の人々に知れ渡っていること)する文言として「修身斉家治国平天下」のことです。

物を格(ただ)して后(のち)知至(いた)る。知至(いた)りて后(のち)意(こころばせ)誠なり。意(こころばせ)誠にして后心正し。心正して后(のち)身修まる。身修りて后(のち)家齊(ととの)う。家齊(ととの)いて后(のち)國治る。國治りて后(のち)天下平らかなり。

(現代語訳) 自分を正せば知恵は自ら澄んでくる。鏡のように我が知恵が澄めば、意識や感情は正常になる。意識や感情が正常になると内なる心も正しくなる。心が正しくなることによって自(おのずか)ら身が修(おさ)まる。自分の身がよく修まると、一家はよく和やかに調和する。一家がよく調和すれば、一国がよくおさまる。一刻がよく治まることによって天下は自ずから平安となり、明徳も個々人に明らかになるのである。

※ 前段を願望課程、後段を実行課程として解説しているところに妙味がある。

・・・人口に膾炙(かいしゃ:よく世の人々に知れ渡っていること)する文言として「修身斉家治国平天下」のことです。

posted by at 17:02  |  塾長ブログ, 国語力ブログ

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