国語教育が何よりも重要である、と筆者は日頃から力説しています。そして、家庭教育と学校教育がより良く連動して、子供の成長に不可欠な教育効果を上げることが、家庭と教育関係者の責任です。「性相近し、習い相遠し」(せいあいちかし、ならいあいとおし:人の生まれながら持っている性質にはあまり差は無いが、その後の習慣や教育の違いによって、大きな差ができてくるということ。)と論語にあります。まさに、後天的な要素が子供の成長に良くも悪くも影響を与えるということです。
以下は文部科学省のホーム・ページからの引用です(国語のみ引用しています)。因みに、下記欄は左から小学校1年、2年、3年、4年、5年、6年生の表です(表中の数字は年間の授業時数。括弧内の数字は週当たりの授業時数)。
小学校における各教科等の授業時数等の変遷
http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chukyo/chukyo3/004/siryo/attach/1399513.htm
昭和22年度~
国語 175(5) 210(6) 210(6) 245(7) 210-245(6-7) 210-280(6-8) 昭和36年度~(昭和33年改訂)
国語 238(7) 315(9) 280(8) 280(8) 245(7) 245(7) 昭和46年度~(昭和43年改訂)
国語 238(7) 315(9) 280(8) 280(8) 245(7) 245(7) 昭和55年度~(昭和52年改訂)
国語 272(8) 280(8) 280(8) 280(8) 210(6) 210(6) 平成4年度~(平成元年改訂)
国語 306(9) 315(9) 280(8) 280(8) 210(6) 210(6) 平成14年度~(平成10年改訂)
国語 272(8) 280(8) 235(6.7) 235(6.7) 180(5.1) 175(5)
- ※ 表中の数字は年間の授業時数。括弧内の数字は週当たりの授業時数。
- ※ 表中の1単位時間は45分。
現段階(平成14年度〜)での各学年で、国語と総授業時数との割合を計算してみると、以下のように学年が上がるごとに低くなっています。
1年生 272/782時間(23週)=34,8%
2年生 280/840時間(24週)=33,3%
3年生 235/910時間(26週)=25,8%
4年生 235/945時間(27週)=24,9%
5年生 180/945時間(27週)=19,0%
6年生 175/945時間(27週)=18,5%
・・・年間の授業時間だけをみても、その内容や成果を云々できませんが、少なくとも国が国語教育を重視しているかどうかは推測できます。先進諸外国では、基本的に国語の授業を重視しています。何故なら、算数、理科、社会など国語力をしっかりと身につけなければ、教育効果が低いと 考えているからです。約20年前(1997)の段階、つまり現在の30歳代以上のお父さんやお母さんの小学校時代、日本では全教科の四分の一の時間が国語の授業ですが、ドイツで は二分の一です。基礎教育である小学校で、国語をしっかり学ぶことが、その後の算数や理科を学ぶときに大いに役立つと考えているのです。言葉や語彙の量と質が高くなければ、しっかりした学習はできないということがよくわかっているのです。