国語教育は極言すれば、赤ちゃんがこの世に生まれてきた瞬間から始まります。まだ目の見えていないときでも、声のする方に注意を向けているのがわかりますし、目が見えるようになると、話し手の口元や目を見ます。従って、赤ちゃんに声をかける話し手は、正しい日本語を用いる必要があります。
赤ちゃんから幼児になると、言葉を覚える速度が飛躍的に高まります。その時期からまず教えていきたいのは、倫理(人として守るべき道)や道徳(人々がそれによって善悪・正邪を判断し、正しく行動するための規範)です。
これについて関連する記事として、あるブログからの引用記事をご紹介します。
【ニッポンの新常識】日米ともに道徳教育が不十分 戦後「修身」は GHQが禁止 K・ギルバート氏 2015.04.04 https://www.zakzak.co.jp/soc/rensai/soc33503.html
日米ともに道徳教育が不十分 戦後「修身」は GHQが禁止
世界一発行部数が多い書物は聖書である。60億冊から3880億冊まで諸説 あり、実数はよく分からない。明治維新以降、キリスト教徒が1%を超え たことがない日本でも、過去に約3億5000万冊の聖書が頒布・販売された。
大ベストセラーはよく「聖書の次に売れた」などと評される。近年では 『ハリー・ポッター』(シリーズ4億5000万部)や、『ダ・ヴィンチ・ コード』(8000万部)などが浮かぶ。
一番売れた日本語の小説は吉川英冶『宮本武蔵』の1億2000万部だそう だ。漫画では、1位は尾田栄一郎『ONE PIECE』(3億8000万 部)、2位がさいとう・たかを『ゴルゴ13』(2億8000万部)…と続く。
さて、米国には全832ページ、厚さ約5・5センチ、重さ約1・2キロも あるユニークなベストセラーがある。「第2の聖書」とも呼ばれ、3000万 部も売れ、私も1990年代に購入したこの本のタイトルは『The Book of Virtues』、道徳読本である。著者のウィリア ム・J・ベネット博士は、レーガン政権時代に教育長官を務めた。
われわれが身に付けるべき「徳目」を10個選び、詩や寓話(ぐうわ)、 説話、名著などを引用して、学べる構成である。10個の徳目とは、「自 己規律」「思いやり」「責任」「友情」「勤勉」「勇気」「忍耐力」「正 直」「忠誠」「信仰」だ。
米国では伝統的に家庭と教会が道徳教育を行う。家庭の道徳教育とし て、子供にベッドで読み聞かせるのに合うため、巨大な本が大ベストセ ラーになったのだ。
・・・「勧善懲悪」(善を勧め、悪を懲らしめること)に関する話は、古今東西(昔から今までと、東西四方あらゆるところ)多くの人に親しまれてきたものの一つです。最近は、ポリティカル・コレクトネス(political correctness 政治的、社会的に公正・公平・中立的で、且つ差別・偏見が含まれていない言葉や用語のこと)という概念が日本でも用いられるようになり、かってから親しまれてきた寓話、説話、名著など一部の表現を論(あげつら)う(欠点短所などを殊更に言い立てること)人がいて、次第に引用されなくなっている嫌いがあります。寓話、説話、名著などが生まれて来た時代や背景を度外視して、現代の風潮で判断する愚は犯すべきではないと考えるのですが。
子供さんの教育を第一に考える親御さんの立場に立つと、善悪・正邪はしっかりと判断できる人になって欲しいと思われるはずです。その意味では、寓話、説話、名著を活用して、しっかりした道徳・倫理観を持たせつつ、国語教育に活用できる素材を常に探し求める必要があるのではないでしょうか。