幼児に教える方法 その1

武漢ウイルスの緊急事態宣言が解除されて、少しずつかっての平穏な日常生活に戻り始めた兆しがあります。今回の人類を脅かす感染症のパンデミック(pandemic 世界的大流行)は、今後も起こり得ると考えて、家庭で自衛する必要性が高まってきました。その意味では、幼い時から「危機管理」に対する考え方を身につけさせるのも、家庭教育の必須と言えるでしょう。

この度の緊急事態宣言に伴う学校の休業に対するそれぞれのご家庭での取り組みは、多少の混乱は生じたでしょうが、いつ如何なる時にも、「学び」の必要性は変わりません。

さて、幼児さんにどの様に「学ぶ力」をつけていくかは親御さんの悩むところです。様々な幼児教育の考え方がある中で、一つの指針を示すのが、「石井式 幼児漢字教育」です。「幼児はみんな天才(1988年)」第6章からの引用です。

いつ、どんな方法で、何を教へるか

まづ「いつ」といふことですが、端的に言へば早ければ早いほど良い、と言へます。やり方さへ間違へなければ、つまり「嫌がるのを無理にさせる」といふことさへなければ、早過ぎて悪い結果を生むことはま づありません。

子供に物心がつき、周囲の何か、あるひは誰かに好奇心を示した時が、最初のチャンスです。優しい、はっきりした口調で、その名前を繰り 返し教へてやりませう。そして、次に、それを字に書いて、子供に見せ ながら、また繰り返し、発音するのです。もちろん漢字が使へれば漢字 で書くのが良いことであるのは言ふまでもありません。ただし、そのもの が通常ひらがなやカタカナ、アルファベットなどで表示されるものがあ れば、そのまま使ふことが一番良い方法です。

私の年来の主張は、子供に余計な負担をかけない、大人の世界で 使はれてゐる言葉や文字を、子供のうちから教へて、途中で訂正するといふ二重の負担をかけない、といふ事ですから、ここをくれぐれも注 意して下さい。

仮に英語を母国語とする子供に対して、英語の綴り字は不規則で覚えにくいからといって、まづ発音通りのスペリングで教へてやり、少し大 きくなってから、正しいスペリングを教へてやったとしたら、どうでせうか。

私が思ふのに、その子は一生、正確なスペリングを覚えられないか、 覚えられたとしても、覚え直すのに大変な苦労をすることになるでせ う。

日本の子供にひらがなを教へ、それから漢字を教へることも、根本的には同じ理屈です。ひらがなは易しいから、と、一見子供のためを思ったやり方が、実は子供にとっては大変な負担になるのです。心してやり たいものです。

・・・「学び」が楽しいものであれば、幼児期の子供さんに応じた適切な時機が必ずあります。それを逃さずに、親御さんが取り組めれば「学ぶ」癖がついていきます。幼児教育は「端的に言へば早ければ早いほど良い」という理由について言葉は知識を刈り入れる道具 カール・ヴィッテの教育法1をご参照ください。

次は「どんな方法で」といふのを、もう少し具体的に御紹介します。こ れは「どんな漢字をどんなふうに教へたら良いのか」といふ御質問に答 へるものです。本当は、めいめいのお子さんの興味に従って、めいめ いのお母さん方が工夫なさるのが一番良いのですが、それでは雲を つかむやうでどうしたら良いか判らない、といふ方もゐらっしゃるので、あへて、一例を挙げることにしました。これを手がかりに、いろいろと発 展させてみていただきたいと思ひます。

まづ、画用紙を切ってカードを作って下さい。大きさは「6×10」セン チ位が適当でせう。そこに、子供の好きなものを表した漢字を書き入れ ます。たとへば“苺”“桃”“梨”といふやうな漢字が良いと思ひます

これを、例へば「食事の前後」と時を決めて子供に見せ、読んで聞か せるのです。子供が食卓に着いたら、「ちょっと、これを見て。これは “いちご”と読む字よ。では、この字をよく見て“いちご”って読んでごら ん」と言ひます。

子供がカードを見て「いちご」と読んだら「はい、よく読めました。それでは、御飯をいただきませう。“いただきます”」と言って食事にします。

食事が済んだら、先ほどのカードを取り出して、子供に見せ、「この字は何と読む字だったかしら」と聞いてみます。たいてい「いちご!」を正しく読むことでせう。読めたら、「よく読めたわね」と、さらりと褒めておきます。褒めないのもいけませんし、褒めすぎてもいけません。

また、もし読めなくても、がっかりすることはありません。すぐ、間を置かずに「これは“いちご”といふ字よ。では、この字をよく見て“いちご”と読んでごらん」と、初めて教へるやうな調子で教へてやります。決してさっき教へてやったでしょ」などと言ってはなりません。子供は萎縮するか、反撥するかで、下手をすると、このゲームを続ける意欲を無くしてしまひます。

最初が肝腎です。最初に、このゲームが面白いと思った子供は、海綿のやうに漢字を吸収して行きます。しかし、最初に「漢字を押しつけられた」と感じた子供は、漢字嫌ひになってしまふかも知れません。

また、子供が極めて幼い時、例へば二歳前とか一歳未満といふ時は、漢字を目で見て、頭の中に吸収してゐても、言葉になって出て来ないことがあると思ひます。しかし、多分それは何らかの形で外へあらはれると思ひます。例へば、後の章で詳しく例を引きますが、その漢字を見ると嬉しさうに顔が輝くとか、手を打って笑ふとかいふ動作が見られます。ですから、子供が応答しないとしても、学習は着々と進んでゐるのですから、続けてやって下さい。

あるひは、子供が反応を示すまで、日数が長くかかることがあるかも 知れません。これも、お母さんの忍耐が必要です。必ず、カードに興味 を示す時期が来るはずです。それまで忍耐強く、やってみて下さい。

とかく畑に種を播く人は、収穫を急ぎたがるものです。しかし、植物でさへ、種を播いてから芽を出し、茎が伸び、葉が茂り、花が咲いて実を結ぶまでには、長い月日がかかるではありませんか。まして子供に良い種を播いてから、穫り入れが出来るまで、さう速く時が経つものではないでせう。ひとへに、お母さん方の愛情と忍耐を期待するものです。

・・・羅針塾では、子供さんの年齢に関わらず、お母さん方にはご自分の子供の頃を思い出して頂き、その頃のお母様がどの様に教え導かれていたかを思い出していただく様にしています。誰しも自分勝手に成長し、賢くなってきた訳ではありません。その導きを、お母さんのお母様方が根気強くされてきたからこそ、現在のご自分がある訳です。

同様に、子供さんのお母さん方には、子供さんと共に学ぶお気持ちで、子供さんの家庭内教育をして下さいとお願い致しています。

 

posted by at 22:15  |  塾長ブログ, 国語力ブログ

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