‘ 国語力ブログ ’ カテゴリー

コミュニケーション能力と経験から学ぶ言葉の意味

「コミュニケーション能力」という言葉が、教育界のみならず、社会人の中でもしきりに引用されます。この能力が人間同士の良好な関係を結ぶのに必須のものであるという認識が強まっています。

今後の英語教育の改善・充実方策について 報告~グローバル化に対応した英語教育改革の五つの提言~http://www.mext.go.jp/b_menu/shingi/chousa/shotou/102/houkoku/attach/1352464.htm

の中で、「思考力・判断力・表現力等を備えることにより、情報や考えなどを積極的に発信し、相手とのコミュケーションができなければならない。」とあり、外国人と意思疎通できる人材教育を重要視しています。

コミュニケーション(communication)とは、「人間が互いに意思・感情・思考を伝え合うこと。言語・文字その他視覚・聴覚に訴える身振り・表情・声などの手段によって行う」ことです。

子供は一歳半くらいから急速に言葉を覚えていきます。母親や家族の中で、子供は様々な生活体験を通して言葉を覚え、少しずつ使い方を覚えていきます。

ここで大事なことは、子供の経験と言葉との関係です。

ある言葉を覚えるには、その言葉を用いる「時」「場合」「目的」などを、直感的に理解した時です。母親が適切な助けをしてあげると、すんなりと言葉と用い方を学んでいきます。

一般的に、日常の生活の中で、様々な言葉が子供の耳に飛び込んできます。しかし、これらはテレビやDVD、インターネットを介した動画などのメディア経由がほとんどであると言えます。つまり、ほとんどが受動的に流し込まれている言葉でしかありません。あたかも、言葉のシャワーを沢山浴びていても、自らの手の平で受け止める量が少ないように、身につかないのが現状です。

音として単に言葉を知っていても、どんな時に、どのように使うのか、が分からなければ、コミュニケーションを取ることが出来ません。

詰まる所、様々な体験を通して言葉を覚え、使いこなせるようにすることが、幼児期の教育にとって必須なことです。

その為に、日常生活の中の様々な場面で経験しながら言葉を使うこと。更に可能な限り自然の中や様々な場所で、生きた言葉を使いこなせるようになる為に、普段出来ない体験を積ませることが大事ではないでしょうか。

その意味では、例えば令和元年の天皇陛下御即位の意味合いを子供さんに伝えることも大事な教育です。

橘神社の天皇陛下御即位奉祝展示

posted by at 14:49  | 塾長ブログ, 国語力ブログ

覆水盆に返らず 幼児期にすべきであったこと

羅針塾 学習塾・幼児教室では、お母様方の子育て・教育の悩みや疑問点には、出来るだけお答えしようと考えています。

過ぎ去ったことを悔やむ例えに、覆水盆に返らず(ふくすいぼんにかえらず:一度してしまったことは取り返しがつかないこと)という諺があります。子育ての最中には、気付かずに、後になって「ああすれば良かった、こうするべきだった」と。多くのお母さん方や親御さん方が思うことです(筆者自身も含め)。

筆者は、幼児期までにしておくべきだったことを、小学校高学年までは修正することが出来るのではないかと、経験的に考えます。「幼児期までにしておくべきだったこと」はズバリ母語である日本語の語彙力をつけることです。

語彙力の多寡(たか:多い少ない)は、近年の所謂核家族での会話の機会の多寡が影響していると思います。

つまり、幼児にとって家族の多さや、家族と交流する人の多さが、接触する幼児にとっては、語彙力を増やす日常的な良い機会となります。老若男女との会話を、母親の側で見たり聞いたりから始まり、挨拶をすることから、母親以外の人と会話の切っ掛けを掴むことが出来ます。

これに反し、母親以外の人々と接触することがなく、テレビなどを漠然と見る機会が多い日常では、会話が成り立たないわけですから、語彙力が増える機会が極端に少ないと言えます。(尚、何故、語彙力を増やさなければならないかは、言葉は知識を刈り入れる道具 カール・ヴィッテの教育法https://rashinjyuku.com/wp/?s=カール・ヴィッテ)をご参照ください。)

では、生年後小学校就学までに、語彙力をつける機会を徒過(とか:徒(いたずら)に過ぎ去ってしまうこと)してしまった場合、どのようにすべきか、です。

基本的に、

●良書を数多く音読すること。

●良き文章は、丁寧に写し書きすること。

●名文(優れた文、著名な文)、漢文、短歌・俳句などを暗記するまで繰り返し読むこと。

●諺を覚えること。

・・・方法は様々あると思いますが、日本人が昔から取り組んできたやり方が一番効果的です。小学校課程の教科を学びつつ、プラスアルファ(基準となる量の、また既知の量に更に幾らか加えること)として、毎日小一時間学ぶ習慣をつけることです。毎日約一時間、365日厭(あ)かず繰り返すことで、語彙力は飛躍的についてきます。子供さんと共に「学び直し」をする姿勢が、子供さんに自立・自律する機会をも齎(もた)らします。

 

 

 

posted by at 16:13  | 塾長ブログ, 国語力ブログ

読解力を削ぐもの 1

どうやったら子供さん達の読解力を向上させることが出来るか。

逆説的に考えてみると、読解力を削ぐものを徹底的に無くすことが先決ではないか。

つまり、読解力をつけるプラスのことを積み上げる作業の裏で、読解力を削ぐマイナスのことを放置していると、まるで「賽の河原の石積み(*)」となってしまうからです。

(*)(さいのかわらのいしづみ)無駄な努力の例え。死んだ子供が行く所といわれる冥途(めいど)の三途(さんず)の川の河原。ここで子供は父母の供養のために小石を積み上げて塔を作ろうとするが、絶えず鬼にくずされる。そこへ地蔵菩薩が現れて子供を救うという。(デジタル大辞泉から引用)

読解力を削ぐもの その1 受け身であること(受け身にしてしまうこと)。

幼い頃から、教育はすべて母親が手配することから始まります。各成長段階で、躾から始まり自立させるための時機を得た指導がなされているか、です。お母さん方の、心や時間の余裕があれば叶うことでも、限られた時間の中で、子供が自発的に考え、行動し、発言する機会を母親が待てない事態も生じます。そこで、つい口も手も出してしまいがちです。それが重なり、日常的になると、受け身の、指示待ちな子になってしまいます。

読解力を削ぐもの その2  五感を使わないこと。

五感(皮膚を介して生じる五つの感覚。視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を活用することで、理解が高まり、印象づけすることで記憶力も増すことができます。つまり、音読(視覚と聴覚を用いる)や、筆記(視覚と触覚を用いる)、辞書を引いて転記(視覚と触覚を用いる)することがその例です。また、社会の中での見学、行動することで、様々な観察眼や思考力が養われます(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚を活用)。例えば、自然観察。海、川、野原、山などに赴くことで、五感を通して印象づけると、図鑑や映像で学ぶより大きな教育効果があります。また、科学館、図書館、美術館、歴史博物館などは、解説を読み、実物やレプリカを見ることで視覚に訴え、想像力や感性を磨くことが出来ます。これらを生かすか殺すかは大きな差となります。

読解力を削ぐもの その3  労を厭うこと(手間を掛けないこと)。

漢字や熟語などの意味調べが典型です。読書のみならず、教科書の文章を理解するには、様々な言葉をしっかり理解しなければなりません。これを御座成り(おざなり:その場逃れにいい加減する様)にして、適当な理解で読み進めていくと、それが習い性になって、しっかりと理解する癖が付きません。幼児期から、何事も理解するために、手間を惜しまず調べる癖をつけるか否かは、何年も経つと大きな差になってしまいます。

また、素読、音読を正確にすることも同様です。ゆっくりと、正確に、鼻呼吸で、句読点や文節の繋がりを重んじて読むことができるまで、何回でも繰り返す。百点満点の読みができるまで、繰り返させる労を厭わないことが肝要です。

読解力を削ぐもの その4 心が落ち着かないこと。

子供の教育には、しっかり睡眠をとることが何より大事です。熟睡できる環境作りは、何より母親の務めです。一日中、テレビがついていたり、夜更かしをする暮らしでは、子供の心身の成長には大きな妨げとなります。当然、しっかりした読解力を形成するには、「動から静へ」と転換する「間(ま)」が必要です。心身が整ってはじめて、読解力養成の機会が訪れます。必要であれば、例え10分でも横になったり、正座で心を落ち着けたりしなければなりません。

読解力を削ぐもの その5 整理整頓していないこと。

何事も、事を始めるには、その準備が万全でなければなりません。其の為には、常に机まわりの整理、必要な辞書や筆記具を手元に常備しておく事です。

・・・このように考えると、すべきことの前に、してはならない事が多々ある事に気付きます。マイナスをゼロにすることから始まり、プラスを積み上げていく。

読解力をつけることは、人として必要不可欠なことです。最近では、企業の中間管理職が、メールや仕様書の誤読による予期しないトラブルに遭遇し、読解力がない社員に手を焼いているとも言われています。「事実について書かれた短文」を正確に読むことができるかどうかで、人生が左右されることがあるのが現実です。

幼児期からしっかりした読解力をつける努力を怠ることがないように切に願います。

 

posted by at 15:27  | 塾長ブログ, 国語力ブログ

読解力を削ぐもの

どうやったら子供さん達の読解力を向上させることが出来るか。

逆説的に考えてみると、読解力を削ぐものを徹底的に無くすことが先決ではないか。

つまり、読解力をつけるプラスのことを積み上げる作業の裏で、読解力を削ぐマイナスのことを放置していると、まるで「賽の河原の石積み(*)」となってしまうからです。

(*)(さいのかわらのいしづみ)無駄な努力の例え。死んだ子供が行く所といわれる冥途(めいど)の三途(さんず)の川の河原。ここで子供は父母の供養のために小石を積み上げて塔を作ろうとするが、絶えず鬼にくずされる。そこへ地蔵菩薩が現れて子供を救うという。(デジタル大辞泉から引用)

読解力を削ぐもの その1 受け身であること(受け身にしてしまうこと)。

幼い頃から、教育はすべて母親が手配することから始まります。各成長段階で、躾から始まり自立させるための時機を得た指導がなされているか、です。お母さん方の、心や時間の余裕があれば叶うことでも、限られた時間の中で、子供が自発的に考え、行動し、発言する機会を母親が待てない事態も生じます。そこで、つい口も手も出してしまいがちです。それが重なり、日常的になると、受け身の、指示待ちな子になってしまいます。

読解力を削ぐもの その2  五感を使わないこと。

五感(皮膚を介して生じる五つの感覚。視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚)を活用することで、理解が高まり、印象づけすることで記憶力も増すことができます。つまり、音読(視覚と聴覚を用いる)や、筆記(視覚と触覚を用いる)、辞書を引いて転記(視覚と触覚を用いる)することがその例です。また、社会の中での見学、行動することで、様々な観察眼や思考力が養われます(視覚・聴覚・触覚・味覚・嗅覚を活用)。例えば、自然観察。海、川、野原、山などに赴くことで、五感を通して印象づけると、図鑑や映像で学ぶより大きな教育効果があります。また、科学館、図書館、美術館、歴史博物館などは、解説を読み、実物やレプリカを見ることで視覚に訴え、想像力や感性を磨くことが出来ます。これらを生かすか殺すかは大きな差となります。

読解力を削ぐもの その3  労を厭うこと(手間を掛けないこと)。

漢字や熟語などの意味調べが典型です。読書のみならず、教科書の文章を理解するには、様々な言葉をしっかり理解しなければなりません。これを御座成り(おざなり:その場逃れにいい加減する様)にして、適当な理解で読み進めていくと、それが習い性になって、しっかりと理解する癖が付きません。幼児期から、何事も理解するために、手間を惜しまず調べる癖をつけるか否かは、何年も経つと大きな差になってしまいます。

また、素読、音読を正確にすることも同様です。ゆっくりと、正確に、鼻呼吸で、句読点や文節の繋がりを重んじて読むことができるまで、何回でも繰り返す。百点満点の読みができるまで、繰り返させる労を厭わないことが肝要です。

読解力を削ぐもの その4 心が落ち着かないこと。

子供の教育には、しっかり睡眠をとることが何より大事です。熟睡できる環境作りは、何より母親の務めです。一日中、テレビがついていたり、夜更かしをする暮らしでは、子供の心身の成長には大きな妨げとなります。当然、しっかりした読解力を形成するには、「動から静へ」と転換する「間(ま)」が必要です。心身が整ってはじめて、読解力養成の機会が訪れます。必要であれば、例え10分でも横になったり、正座で心を落ち着けたりしなければなりません。

読解力を削ぐもの その5 整理整頓していないこと。

何事も、事を始めるには、その準備が万全でなければなりません。其の為には、常に机まわりの整理、必要な辞書や筆記具を手元に常備しておく事です。

・・・このように考えると、すべきことの前に、してはならない事が多々ある事に気付きます。マイナスをゼロにすることから始まり、プラスを積み上げていく。

読解力をつけることは、人として必要不可欠なことです。最近では、企業の中間管理職が、メールや仕様書の誤読による予期しないトラブルに遭遇し、読解力がない社員に手を焼いているとも言われています。「事実について書かれた短文」を正確に読むことができるかどうかで、人生が左右されることがあるのが現実です。

幼児期からしっかりした読解力をつける努力を怠ることがないように切に願います。

 

posted by at 15:27  | 塾長ブログ, 国語力ブログ

言葉の習得=鉄は熱いうちに打たなければならない

乳幼児が一歳過ぎてくると、言葉らしい発声をし始めます。お母さんの言葉を聞き分けるかのような目の動きは、とても真剣です。古来、「目は口ほどに物を言う」と申しますが、澄んだ眼差しでお母さんの目と口元を見るようになると、言葉の学びのスタートです。

さて、石井勲先生著作「石井方式ー漢字の教え方 原理編」(1969)からの引用です。

鉄は熱いうちに打たなければならない

チンパンジーやオランウータンを、どんなに教育してみても、言葉を 習得させることだけはできない、ということです。彼等は人類に次ぐ高 等動物であり、言葉以外の物事では、かなりの学習能力のあることを示 しています。しかし、言葉だけは習得できないのです。

つまり、“言葉の習得”は、人類の大脳だけがもつ能力であり、人類 は、この能力をもっていたために、経験を次代に伝えることができ、知 恵を蓄積することができて、他の動物に卓越した文化を享受することが できるようになったわけです。

“言葉の習得”こそ、人類だけに許された切り札的な能カであります が、この力も五歳ころまでに学習しませんと、言葉を受け入れ、言葉を 使いこなす能力を失ってしまうことが、先のカマラの例(*1)、ポール・ショシ ャールの報告(*2)、その他今までの多くの調査研究で明らかにされました。

それは、ちょうど、赤熱した鉄は、伸ばすことも曲げることも実に容易 にできますが、その時期を過ごしてしまったら最後、どんなにたたいて みてもどうにもならないのによく似ています。

幼児期は、言葉を習得するための、まさに〝鉄の赤熱した時期〟に 当たっています。この時期をはずしますと、もう後では取り返しがつか ないのです。しかも、問題なのは、人間の人間としての能力は、すべて、 〝言葉を習得〟したところから育ち始める、ということです。

複雑な思想はもちろんのこと、喜びや悲しみといった感情でさえ、〝 言葉を習得〟しない間は育たないのです。カマラの観察記録によれば、 人語を解しなかった数年間は、喜びも悲しみも決して表現しなかった、 と伝えています。

六、七年たって、会話がかわせるようになって初めて、喜びや悲しみ を表現するようになり、さらに、恥じらいさえ表現するようになったと報告 されています。

(*1)狼少女カマラ=一九二〇年、インドのベンガル州で、シング牧師の手によって、狼 の洞窟から救い出され、入間の社会に復帰した少女カマラの観察記録。

カマラが救出された時の年齢は七、八才だった、と推定されていま す。狼に育て始められたのは、生後半年くらいの時と推定され、したが って、それ以後の七年間を狼に育てられた、と推定されています。

救出後、シング牧師夫妻によって、愛情ある行き届いた養育を受け たのにもかかわらず、人語を初めて発声できるようになったのは、養育 を受けて実に二か年という月日がたった後でした。

その後、四年間に三十語、さらにその後の二年間に四十五語が、や っと使えるようになった、と報告されています。

このような、言語における遅々たる発達は、乳幼児期に狼に育てられ、 人語を聞くことが全くなかったためだ、と断定されており、決して彼女が 精薄児ではなく、知能そのものは通常児であったことを、カマラの研究 にたずさわった心理学者たちは断定しています。

(*2)ポール・ショシ ャールの報告=フランスのポール・ショシャールは、植民地の多くの原住民の子供た ちを観察調査した結果、「五歳以前にフランスに移住した原住民の子供 は、完全なフランス語をあやつる能力を身につけ、フランス人と全く同 等の、文化を享受する能力を獲得するようになるが、六歳以後にフラン スに移住した場合、それも、六歳より遅くなればなるほど、フランス語の 習得がうまくいかなくなり、フランスの文化的な生活に適応しにくくなっ ている。」ということを事実に基づいて報告しています。

・・・再三綴っているお話ですが、子供さんを一廉の人物に育て上げるには、「鉄は熱いうちに打たなければならない」という諺通りであることです。言葉の教育は、幼児期にこそ必要である、と肝に命じてお母さん方には取り組んで頂きたいものです。

posted by at 19:47  | 塾長ブログ, 国語力ブログ
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