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知能指数と漢字

長い人生を生きる上で、より良く生きるには知性の継続的な向上は必須です。其の基礎となる学びを効率的に行う時期を過たないようにしなければなりません。人が学ぶ時期は、赤ちゃんの時から始まっています。世間一般に言う「勉強すること」は、多くの人が小学校から始まるものと考えています。

ところが、小学校就学前の幼児期が最大の好機なのです。それを具体的に指摘されているのが石井勲先生です。石井勲先生著作「0歳から始める脳内開発ー石井式漢字教育」の「第一章 赤ちゃんの脳力アップは漢字から」に、「漢字教育だけで知能指数 130 の秀才となる!」という項目があります。引用してご紹介します。

漢字教育だけで知能指数 130 の秀才となる!

たとえば「目」のことを英語では「EYE」と言います。「みる」に相当す る英語は「SEE」とか「LOOK」とか「WATCH」などです。

EYEは漢字では「目」と書きます。SEEに当たるものが「見(ケン)」、 LOOKは「視(シ)」、WATCHを「観(カン)」とすれば、いずれの漢字に も「目」が入っています。つまり「目」という字をいったん学べば、これが 使われている睡、眼、眠、省、督といった字は、目に関係のある文字で あることが当然類推されます。この「類推する」とか「推理する」ということ は、幼児の脳の発達に欠かせない要素です

私が口が酸っぱくなるほど、くり返している「漢字を教える」のではな く、「漢字で教える」とは、そういうことなのです。

漢字は表音と表意を兼ねています。一般的に漢字は左の部分が意 味をもっていて、右の部分は発音を表わしています。こういう体系をも つ文字は、漢字以外はありません。実は、創作された文字というのは、 例外なく表音と表意を兼ねた表語文字です。つまりスメールの文字に 始まってエジプトの文字、インドの文字、そして漢字は、表音文字であ るアルファベットとは異なり、人類が創作した文字は、すべてこういう体 系をもっているのです。

ですから、表語文字を学んだ人と表音文字を学んだ人とでは、当然頭の働きが違ってくるわけです。しかも、それは幼児期に学んだ場合 に、大人になってからその差がはっきりと出てくるのです。といっても、 小学校へ上がってから習ったのでは、大した違いは出てきませんが、 幼児期に学べば歴然たる差が出てきます。最初に紹介したIQの11の 差というのは、大変重大な意味をもっています。私の実験したところに よると、3歳から十分な漢字教育を受けた子どもは、平均知能指数が低 い場合でも130になります。130というのは、英才とか秀才と称せられる 知能をもった子どものレベルです。こういう意味でも漢字教育を徹底し てやっていただきたいのです。子どもの学習というものは、どんな学習 でも国語力が基本になっているということを理解してほしいのです。

たし算やかけ算はできるのに、文章問題はできないというのは、算数 ができないのではなく、問題の意味がわからないのです。子どもを算 数嫌いにさせたくなかったら、本を読むことを好きにさせなければいけ ません。そのためには、言葉、つまり漢字を好きにさせることです。

ポイント:小学校一年生を担任して漢字を教えてみて気がついたので すが、成績のよくない子というのは漢字しか覚えないのです。 それで漢字はやさしいのだということがわかったのです。

・・・計算の速さや正確さ、暗算を得意にするために珠算はとても有効ですし、これも左脳だけではなく右脳を活性化するとも言われています。確かにその点の素晴らしさは大きく評価できますが、珠算の有段者と雖も国語力がなければ、算数・数学の文章題はお手上げです。

「『類推する』とか『推理する』ということ は、幼児の脳の発達に欠かせない要素と指摘されているように、文章の内容や流れから、その後の論旨の展開や結論を「先読み」することができれば、力は更に向上します。

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漢字が脳を活性化

「心」という漢字の字源は、「象形。心臓のこと。其形を象る。轉じて意識・感情の府の義とし、又物の眞中をいふ。」と、(大字典 栄田猛猪文学博士著 講談社昭和三八年版)にあります。「ココロ 五臓ノ一 情、意、知・情・意ノ府、タマシヒ オモヒ、カンガヘ 思望、ワケ、ムネ、意味、原因、中央、マンナカ 星の名、」

大字典 背表紙

「心」の熟語には、心力(シン・リョク)、心入(ココロ・イレ)、心木(シン・ボク)、心友(シン・イウ)、心中(シン・チュウ)。心化(シン・クア)、心月(ココロ・ツキ)心太(トコロ・テン)、心火(シン・クア)・・・と、沢山の熟語があります。

心部

「大字典」は筆者が古本屋さんで見つけた宝物です。文字に対する興味を持つ賢い塾生には、伝えたいことがたくさんあります。

さて、石井勲先生著作「0歳から始める脳内開発ー石井式漢字教育」の「第一章 赤ちゃんの脳力アップは漢字から」に、「漢字で育った子どもの脳は三倍早く動き出す」という項目があります。引用してご紹介します。

漢字で育った子どもの脳は三倍早く動き出す

1996年、電機通信大学の研究室と、NTTの研究所との共同研究によ って明らかになったもので、とても興味深い実験結果があります。これは漢字を見たときに、脳がどのように働くかということを科学的に 調べたものです。「漢字」を見た場合は、左脳も右脳も一緒に働いてい ることがわかりました。

ところが「かな」の場合には、左の脳しか働かないのです。しかも、左 の脳で働く部分も、漢字のときに働く部分とは、ちょっと場所が違うことも わかりました。

この研究ではっきりしたことは、われわれはものを見れば、漢字であ ろうとかなであろうと、見た瞬間に脳が働くだろうと思い込んでいたので すが、どうもそれは違ったようです。かなと漢字では、脳が働く始動の 時間と場所が違うことがわかったのです。

つまり見た瞬間、といっても零コンマ何秒という時間ですが、漢字と “かな”を比べると、“かな”のほうが三倍も時間がかかるのです。です から、漢字で育った子どもとかなで育った子どもとは、脳が働き出すス タートが違うのです。漢字のほうが三倍も速く活動を開始しているので す。

次の二つの文章を比べてください。どちらが早く、かつ正確に意味 がわかるでしょうか。

「きよう、とうきょうえきにいもうとをむかえにいきます」

「今日、東京駅に妹を迎えに行きます」

零コンマ何秒という差はささいな違いじやないかと思われるでしょう が、とんでもないのです。本を読み出すようになってから、スピードに 三倍の違いがあるということは大変な違いです。

私は脳を専門とする学者ではありませんから、くわしいことはわかりま せんが、三倍も早く脳が動き出すということは、脳全体の性能も違うよう に思えてなりません。

私たち大人は“かな”から学習したので、字を見て頭が働き出すのが いつも鈍いのです。そういう意味でも、幼児から漢字教育を始めること は大切です。

ポイント:子どもというのはあるがままをパッと受け入れてしまう、全体 的につかむのが得意です。私たち大人は、構成されている 細かなものから認識を始めて全体をつかみます。ところが子 どもは曖昧なものでも、ぼんやりとしたままでも、丸ごと呑み 込んでしまうのです。

・・・「漢字で」学ぶことの意味合いを繰り返し指摘されています。

ところで、人は、「やらなければならない」ことよりも、「やらなくても、誰も困らない」ということに、意外と熱中しやすいのではないか、と思います。それは、極めることが、無常の喜びという人によって、歴史を書き換えるような大きな発見や事績に繋がったりします。

ご紹介した「大字典」は、栄田猛猪文学博士が「困難な生活のうちに、寝食を忘れて刻苦十有余年、この国字化した文字の字書を完成してこれを漢和辞典と呼ばず、単に『大字典』と呼ばれた」と、序文に金田一京助博士が書かれた程のものです。日本人の素晴らしさがよく判る大著作です。

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漢字と知能テスト

幼児教育の世界で大人気なものの一つが幼児の英会話教室。Native speaker of English(英語を母語として話す人)に近ずけるためと喧伝されている節がありますが、そのまま鵜呑みにしては大変なことになる、と一言することが出来るお話をご紹介します。

石井勲先生著作「0歳から始める脳内開発ー石井式漢字教育」の「第一章 赤ちゃんの脳力アップは漢字から」に、「世界の学者が「漢字」に注目した」という項目があります。引用してご紹介します。以下の記事は1997年出版当時の記事ですから、その点をお含みおき下さい。

世界の学者が「漢字」に注目した

今から13年前に、当時先進五か国といわれた日本、アメリカ、イギリス、 フランス、西ドイツの五大国の学者が協力して、一つの共通知能テスト をつくりました。この中心になったのはイギリスのケンブリッジ大学教授 のリチャード・リン博士です。

その共通テストで五か国の子どもの知能を測定したところ、日本の子 どもの知能がズバ抜けて高いという結果が出ました。他の四か国の子 どもの平均知能指数は100だったのですが、日本の子どもは111でした。 知能指数で11もの差が出るのは大変なことだということで、イギリスの科 学専門紙『ネイチャー』に発表されました。ヨーロッパやアメリカの学者 は、どうして日本人の子どもの知能が高いのかと疑問を持ちました。日 本の子どもだけが飛び抜けて高いということは、日本特有の何かがある に違いないといろいろと考えた結果、「漢字」に行き着いたのです。そ して、どうして漢字が頭の働きをよくするかという研究に取り組んだので す。

角田忠信という方が書かれた『日本人の脳』という書物があります。こ れも『ネイチャー』に「日本人の脳」という論文として発表され、話題にな った本です。この本で、角田忠信さんは、日本人の脳は、世界のいず れの人間の脳とも違う構造を持っているということを発表したのです。日 本人の脳に限って、鳥の声や虫の声を左の脳で聞いているということを 突き止めたのです。

言語脳というのは左にあります。脳梗塞などで左の脳を損傷すると言 葉が不自由になります。また、たとえば、時計を出してこれは何時と聞 いても正確に答えられません。時計がどんな働きをするかということは わかりますが、時間を読み取ることができないのです。

このように言語は左脳でつかさどります。音楽やその他の音は右脳 で聞きます。つまり言語だけが左の脳で受け止めて、あとのすべての 音は右の脳が処理するのです。ところが、日本人の場合は言葉だけで はなく、鳥の声なども左の脳の一部で聞いていたのです。このことが脳 の発達を促したというのが、ヨーロッパやアメリカの学者の見解のようで す。ただし、これは日本語を母国語として話す日本人に限るようです。 日本人の両親の間に生まれた子どもでも、ヨーロッパで生まれてヨーロ ッパで育ち、英語やドイツ語を聞いて育つと違います。その場合、言葉 以外の音は、イギリス人やドイツ人と同じように右の脳で聞くのです。と すると、日本語が鳥の声や虫の声を左の脳で聞く脳をつくっていった わけです。

つまり日本語という言葉によって、日本人の脳はつくられるということ がはっきりと証明されたのです。こう考えると、子どものIQの差も含めて、 漢字が日本人の脳を他の民族と違うものにしたということになります。同 じ日本語でも、“かな”はアルファベットと同じで表音文字にすぎません から、漢字にその原因があると各国の学者が考えたわけです。

・・・「日本人の両親の間に生まれた子どもでも、ヨーロッパで生まれてヨーロ ッパで育ち、英語やドイツ語を聞いて育つと違います。その場合、言葉 以外の音は、イギリス人やドイツ人と同じように右の脳で聞くのです。と すると、日本語が鳥の声や虫の声を左の脳で聞く脳をつくっていった わけです。」

なかなか興味深い話です。

日本人の知的レベルの高さは、しっかり幼児期から「漢字」で学ぶことによって保つことができる、ということです。

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漢字による読書の喜び

読書の喜び、つまり読書することの喜びは、年齢を重ねる毎に増して来ます。幼いとき、思春期、青年期、壮年期、老年期を経て、語彙や経験が増せば増すほど、「成る程!」と得心する機会が増えます。読書は、時代や空間を超えて、思索をめぐらすことが出来る人間だけの特権と言えます。

さて、石井勲先生著作「0歳から始める脳内開発ー石井式漢字教育」の「プロローグ 『まえがき』にかえて」に、「漢字によって読書の喜びを知り脳はグングン成長する」という項目があります。引用してご紹介します。

漢字によって読書の喜びを知り脳はグングン成長する

 では、どうして幼児期からの漢字教育が望ましいのでしょうか。なぜ、 書けなくてもいいけれど、読めることは不可欠なのでしょうか。

それは読書力を養うためなのです。本を読むためには、漢字が読め ることがどうしても必要です。ひらがなだらけの絵本では、吸収できる内 容には限度があります。与えられた最小限のものはわかるでしょうが、 それ以上の発展はありません。

 もし自分で本が読めたり、百科事典で調べることができるだけの漢字 力がついたとすると、子どもの世界は大きく広がっていきます。本が読 めるということは、言葉が増えることにつながります。言葉が増えること によって、表現力や感受性も豊かになります。

私たちが親として、してやるべきことは、子どもに本を読む力をつけ てやることです。幼児期のうちにその能力をつけるための手助けとして 漢字教育を行うことです。そして、そこから先は、子どもが自分から進ん で本を読んで物事を吸収できる力を養う、すなわち「学ぶ」ということの 喜びをわからせてやることです。

その後は、子どもの教育に関しては何もやらないことです。やたらと 手を出すことはかえってマイナスです。そのうちに最初は何でも親に聞いていた子どもが聞いて来なくなります。何でも自分でやりたい子ども は、自分で学習する喜びを知って成長していきます。読書力がつくとい うことは、子どもの世界が広がることにつながるのです。

・・・「ひらがなだらけの絵本」を沢山買い求め読む機会を与えても、不思議なことに、賢い幼児さんは一読したら、その後手に取ることはありません。大人から見て、絵が美しいとか可愛らしい絵本でも、子供に感受性や理解する力がなければ、猫に小判。むしろ、賢い幼児さんは、その年齢からすると背伸びしないと理解できないのではないかというレベルの方を手に取ります。十の内五前後の言葉が読めれば、興味が有れば何度でも手に取ります。

漢字の読めない言葉が読め、知らない言葉を知り、文の流れがわかってくると、賢い幼児さんの知的好奇心は弥(いや)増してきます。

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幼児期から継続して行うこと

子供さんの教育に関心のない親御さんは、日本人にはほとんどいないと思います。昔から、日本人の親は自分よりも先に子供のことを優先し、様々な形で教育には力を注ぎます。人は赤ちゃんから成長するに従って、親の側で一つ一つ言葉を覚え、使い方を学びます。また、文字を読み理解するようになると、言葉の量、つまり語彙が飛躍的に増していきます。

多くの日本人が通常受ける教育では、先ず「平仮名」「片仮名」そして「漢字」という順で学んでいきます。その常識的な方法に異を唱える方が石井勲先生です。

石井勲先生著作「0歳から始める脳内開発ー石井式漢字教育」の「プロローグ 『まえがき』にかえて」に、「漢字教育は幼児期から継続して行おう」という項目があります。引用してご紹介します。

漢字教育は幼児期から継続して行おう

「“かな”より漢字のほうがやさしい」と言われても、大人には理解しが たいことでしょう。自分たちの教育が“かな”から始まったから、どうして も“かな”はやさしく、漢字はむずかしいという先入観から抜け出せない のです。

「あり」より「蟻」のほうが子どもにとってわかりやすい、という理屈はわ かったとしても、実際に自分の子どもに漢字教育をするとなると、ためら ってしまうことが多いのではないでしょうか。それは自分が習ってきた 固定観念にとらわれているからです。

“かな”から教育するということは、明治時代からずっと続いてきまし た。もっといえば遠く平安時代には、“かな”は女文字といわれ、男性が 書く漢字と違ってやさしいという記述は、『土佐日記』の中にも出てくる のでご存じだと思います。

したがって、小学校に入る前は、せめて自分の名前ぐらいはかなで 覚え、漢字は小学校に入ってから習えばいいと思いがちです。しかし これは大きな間違いで、小学校に入ってからでは遅いのです。脳の働 きがもっとも発達する時期に漢字を学習することがいちばん効果的で、 かつまた楽しみながら覚えられるのです。

しかし、一般的にはこのことが理解されていません。もしためらいが 残るようでしたら、実際に試してみることです。幼児に漢字と“かな”の 二枚のカードを見せて、どちらがよくわかるかを実験してみれば一目瞭 然です。

なぜ、漢字のほうがやさしいかというと、子どもの脳には鳩とか蝶、桃 という漢字の形が頭の中にそのまま入るのです。公園で鳩を見せて、 あれが鳩だよと言って、「鳩」という漢字を見せれば、いっぺんで覚えて しまうのです。「はと」ではなかなか覚えられないのです。

この辺は後で詳しく説明しますが、いずれにしても、この漢字教育は 継続することが大切です。頭は毎日使わなければよくなりません。いく ら栄養価の高い食べ物でも一か月に一度ではダメなように、脳も今日 は使ったけれども、明日は使わないというのでは意味がないのです。

幼児期から、毎日コツコツとやっていくのです。一日に一字読めるよ うになればいいのです。これを三歳の時から始めたとしましょう。毎日 続けると、小学校に入学するまでに小学校で習う漢字がすべてわかる ようになります。これだけ知っているということは、その後の学習にも大 きな差を生むことは明らかでしょう。

・・・一般的に、人は自分の経験から物事の良し悪しを判断しがちです。同じ様に、自分が置かれた教育環境の中から経験したことや実行してきたことを基本に、親は我が子の教育の方法を考えます。上記の漢字教育について、試す価値があると考えるか否かで、親御さんの子供さんへの教育的な接し方が異なってくると考えます。

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