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幼児に教える方法 その2

幼児に何をどの様に教えていくかは、取り敢えずその子の個性を重視する前に、人としての有り様を植えつけていくことが基本です。目を見て話を聞く。目を見て話す。はい、いいえをハッキリと答える。

幼児さんとはいえ、一個の人格を持つ訳ですから、尊重しつつ教え導くことはしっかりとなさなければなりません。

さて、石井式幼児漢字教育「幼児はみんな天才(1988年)」第6章からの引用です。

さて、この漢字カード学習は、子供にとってはゲームでなければなり ません。

決して子供の心に負担であると思はせてはならないのです。 子供に「覚えなければいけない」と思はせてはいけません。これは前 に述べた理由の他に、「覚えよう」と思って覚えたものは、必要が無くな るとひとりでに忘れてしまふといふ性質がある、といふ理由からです。

反対に、いつとはなしに覚えたものといふのは、なかなか忘れないも のです。ですから、子供に「覚えよう」と思はせるより、自然に覚えるの を待つ方が良いのです。

この、食事の前後に行ふ漢字学習は、せいぜい 10 秒程度しかかか りません。それより長い時間をかけますと、かへってよくありません。食 事の前に 10 秒、食事の後に 10 秒、合はせて 20 秒です。一日三回の食事をしますから、全部で 60 秒、つまり 1 分間で済みます。

記憶の原理は第一が“関心”、第二が“反復”です。「カードに書く漢 字は、子供の好きなものを表したものが良い」と言ふわけは、さういふ漢字が“関心”が強く、覚えやすいからです。

第二の“反復”についてですが、これは一日六回、それを一週間続けてやってほしいと思ひます。すると四十二回反復することになります。

これだけ反復したら、きっと忘れなくなります。

・・・具体的に分かりやすい説明です。

最初の子供さんや、一人っ子の場合、お母さんには子育てが手探りですから、物事を教えるコツがなかなか最初は掴めません。何事も試行錯誤(trial and error)。小さな失敗を積み重ねて正解への道を探すしかありません。漢字が読めた際に、「さらりと褒める」というのは大事です。

さて、一日目は、“ 苺 ”といふ一枚のカードを教へました。二日目には、もう一枚、別のカードを加へます。“苺”を読んだ次に、例へば“桃” といふカードを見せて、読んでやり、子供にも繰り返させるのです。

このやうにして、三日目には三枚目のカードを加へ、四日目には四 枚目のカードを加へて、七日だつと、カードが七枚になります。そこで、八日目になったら八枚目のカードを加へる代りに、一番最初のカードを 除いて下さい。古いカードはもう卒業です。九日目には、また一枚カードを加へる代りに二番目のカードを除きます。除いたカードは、それぞ れ四十二回づつ繰り返し読んでゐますからもう十分でせう。

新しいカードの学習に 10 秒かかっても、古いカードの学習は六枚全部でも 10 秒とはかからないでせうから、一回の学習時間は合計ざっと 二〇秒、一日六回で二分に満たない短いものです。

これが、この学習 の良い所です。

ひょっとすると、子供が「もっとしたい」とせがむかも知れません。が、せがまれる位で止めておくのが良いのです。さうすれば、「良い子にしてゐたら、御褒美にまたしてあげるからね」などといふ ことも出来るわけです。

これだけの学習で毎日一字づつ覚えて行きますと、一年間には三六 五字、三年間には一千字を越えてしまひます。三歳から始めたとすれ ば、小学校に入学するまでの間に一千字の漢字が読めるやうになるわ けです。

今の中学生の漢字を読む力は、平均、とても一千字には達しません から、中学生の平均以上の力を持ってゐるといふことが出来ます。小学校に入学する前にこれだけの力をつけておけば、子供はひとりでに読 書好きになり、読書をすることによって漢字力、読解力をますます伸ば すことでせう。

昔から「石の上にも三年」といふ 諺 がありますが、何事によらず三年継続してやりますと、その効果が目に見えてくるやうです。漢字学習を三年間継続してやった子は、例外なく読書好きな子になり、何事にも意欲的、積極的に取り組む、忍耐強い頼もしい子に育ってゐます。

しかし、これを実行する段になると、周囲から反対の声が上がるかも知れません。

「小学校に入学する前に、中学生の平均漢字力を上廻る力をつける なんて、とても出来るわけがない」とか、

それほどまでの力をつけるには及ばないのではないか。せいぜい 二、三年の力がついたら十分だらう」といふ意見が聞かれるかもしれま せん。

・・・信念を持って、幼児教育を始めるとき、必ずと言って良いくらい周囲から妨げとなる様な意見が飛び出してきます。近くは、お父さんや、祖父母、仲の良い友人など様々です。「まだ早い」「まずは平仮名から」「無理に教え込むことはない」等々。しっかりと教育するための準備をしていても、身近なところから来る不協和音が聞こえ、それを乗り越えて教育をし続けるには紆余曲折があります。

しかし、さうではないのです。

今の学校教育では、学習時期を誤ってゐるために、努力しても一千字の漢字の習得は困難なのですが、適時期である幼児期の三年間でしたら、誰にでもそれが容易に出来るのです。

もしも、幼児期に出来ないでしまったら、小・中学校では手遅れで、どんなに努力しても出来ない子供がきっと多数を占めるのです。可哀さうなことではありませんか。

ですから、五、六年生程度の漢学力がついても、決して満足してゐてはいけません。必ず幼児期の三年間に一千字の漢字を習得させて、楽しんで読書の出来る子供に育て上げていただきたいと思ひます。

れが、毎日僅かに二〇秒間の学習を六回、三年間続けることによって必ず出来るのですから。

・・・筆者も同感です。石井式教育法とプロセスは異なりますが、基本的に幼児教育の基本は同じ考え方で塾生を教育してきています。「幼児はみんな天才(1988年)」は30年以上前に出版されていますが、その頃よりも小・中学校教育で漢字習得率が上がっているとはとても思えません。

また、漢字をしっかり覚え熟語などの力がついている子供さんは、須く英単語を覚える力もあります。結果、国語力があると英語などの外国語の習得する力がつくということになります。

まさに、「鉄は熱いうちに打て」の喩えにある様に、幼児期の知識欲を喚起すべき時に、漢字教育を適切に行う意義は非常に大きいと考えます。

posted by at 22:09  | 塾長ブログ, 国語力ブログ

幼児に教える方法 その1

武漢ウイルスの緊急事態宣言が解除されて、少しずつかっての平穏な日常生活に戻り始めた兆しがあります。今回の人類を脅かす感染症のパンデミック(pandemic 世界的大流行)は、今後も起こり得ると考えて、家庭で自衛する必要性が高まってきました。その意味では、幼い時から「危機管理」に対する考え方を身につけさせるのも、家庭教育の必須と言えるでしょう。

この度の緊急事態宣言に伴う学校の休業に対するそれぞれのご家庭での取り組みは、多少の混乱は生じたでしょうが、いつ如何なる時にも、「学び」の必要性は変わりません。

さて、幼児さんにどの様に「学ぶ力」をつけていくかは親御さんの悩むところです。様々な幼児教育の考え方がある中で、一つの指針を示すのが、「石井式 幼児漢字教育」です。「幼児はみんな天才(1988年)」第6章からの引用です。

いつ、どんな方法で、何を教へるか

まづ「いつ」といふことですが、端的に言へば早ければ早いほど良い、と言へます。やり方さへ間違へなければ、つまり「嫌がるのを無理にさせる」といふことさへなければ、早過ぎて悪い結果を生むことはま づありません。

子供に物心がつき、周囲の何か、あるひは誰かに好奇心を示した時が、最初のチャンスです。優しい、はっきりした口調で、その名前を繰り 返し教へてやりませう。そして、次に、それを字に書いて、子供に見せ ながら、また繰り返し、発音するのです。もちろん漢字が使へれば漢字 で書くのが良いことであるのは言ふまでもありません。ただし、そのもの が通常ひらがなやカタカナ、アルファベットなどで表示されるものがあ れば、そのまま使ふことが一番良い方法です。

私の年来の主張は、子供に余計な負担をかけない、大人の世界で 使はれてゐる言葉や文字を、子供のうちから教へて、途中で訂正するといふ二重の負担をかけない、といふ事ですから、ここをくれぐれも注 意して下さい。

仮に英語を母国語とする子供に対して、英語の綴り字は不規則で覚えにくいからといって、まづ発音通りのスペリングで教へてやり、少し大 きくなってから、正しいスペリングを教へてやったとしたら、どうでせうか。

私が思ふのに、その子は一生、正確なスペリングを覚えられないか、 覚えられたとしても、覚え直すのに大変な苦労をすることになるでせ う。

日本の子供にひらがなを教へ、それから漢字を教へることも、根本的には同じ理屈です。ひらがなは易しいから、と、一見子供のためを思ったやり方が、実は子供にとっては大変な負担になるのです。心してやり たいものです。

・・・「学び」が楽しいものであれば、幼児期の子供さんに応じた適切な時機が必ずあります。それを逃さずに、親御さんが取り組めれば「学ぶ」癖がついていきます。幼児教育は「端的に言へば早ければ早いほど良い」という理由について言葉は知識を刈り入れる道具 カール・ヴィッテの教育法1をご参照ください。

次は「どんな方法で」といふのを、もう少し具体的に御紹介します。こ れは「どんな漢字をどんなふうに教へたら良いのか」といふ御質問に答 へるものです。本当は、めいめいのお子さんの興味に従って、めいめ いのお母さん方が工夫なさるのが一番良いのですが、それでは雲を つかむやうでどうしたら良いか判らない、といふ方もゐらっしゃるので、あへて、一例を挙げることにしました。これを手がかりに、いろいろと発 展させてみていただきたいと思ひます。

まづ、画用紙を切ってカードを作って下さい。大きさは「6×10」セン チ位が適当でせう。そこに、子供の好きなものを表した漢字を書き入れ ます。たとへば“苺”“桃”“梨”といふやうな漢字が良いと思ひます

これを、例へば「食事の前後」と時を決めて子供に見せ、読んで聞か せるのです。子供が食卓に着いたら、「ちょっと、これを見て。これは “いちご”と読む字よ。では、この字をよく見て“いちご”って読んでごら ん」と言ひます。

子供がカードを見て「いちご」と読んだら「はい、よく読めました。それでは、御飯をいただきませう。“いただきます”」と言って食事にします。

食事が済んだら、先ほどのカードを取り出して、子供に見せ、「この字は何と読む字だったかしら」と聞いてみます。たいてい「いちご!」を正しく読むことでせう。読めたら、「よく読めたわね」と、さらりと褒めておきます。褒めないのもいけませんし、褒めすぎてもいけません。

また、もし読めなくても、がっかりすることはありません。すぐ、間を置かずに「これは“いちご”といふ字よ。では、この字をよく見て“いちご”と読んでごらん」と、初めて教へるやうな調子で教へてやります。決してさっき教へてやったでしょ」などと言ってはなりません。子供は萎縮するか、反撥するかで、下手をすると、このゲームを続ける意欲を無くしてしまひます。

最初が肝腎です。最初に、このゲームが面白いと思った子供は、海綿のやうに漢字を吸収して行きます。しかし、最初に「漢字を押しつけられた」と感じた子供は、漢字嫌ひになってしまふかも知れません。

また、子供が極めて幼い時、例へば二歳前とか一歳未満といふ時は、漢字を目で見て、頭の中に吸収してゐても、言葉になって出て来ないことがあると思ひます。しかし、多分それは何らかの形で外へあらはれると思ひます。例へば、後の章で詳しく例を引きますが、その漢字を見ると嬉しさうに顔が輝くとか、手を打って笑ふとかいふ動作が見られます。ですから、子供が応答しないとしても、学習は着々と進んでゐるのですから、続けてやって下さい。

あるひは、子供が反応を示すまで、日数が長くかかることがあるかも 知れません。これも、お母さんの忍耐が必要です。必ず、カードに興味 を示す時期が来るはずです。それまで忍耐強く、やってみて下さい。

とかく畑に種を播く人は、収穫を急ぎたがるものです。しかし、植物でさへ、種を播いてから芽を出し、茎が伸び、葉が茂り、花が咲いて実を結ぶまでには、長い月日がかかるではありませんか。まして子供に良い種を播いてから、穫り入れが出来るまで、さう速く時が経つものではないでせう。ひとへに、お母さん方の愛情と忍耐を期待するものです。

・・・羅針塾では、子供さんの年齢に関わらず、お母さん方にはご自分の子供の頃を思い出して頂き、その頃のお母様がどの様に教え導かれていたかを思い出していただく様にしています。誰しも自分勝手に成長し、賢くなってきた訳ではありません。その導きを、お母さんのお母様方が根気強くされてきたからこそ、現在のご自分がある訳です。

同様に、子供さんのお母さん方には、子供さんと共に学ぶお気持ちで、子供さんの家庭内教育をして下さいとお願い致しています。

 

posted by at 22:15  | 塾長ブログ, 国語力ブログ

学問の木(葉書の起源 多羅葉)

少し前になりますが、郵便局へ向かう道筋で多羅葉の木を発見しました。中央郵便局の裏手の植え込みです。

多羅葉の表面

 

これは「郵便局の木」とされ、郵便局の周辺に植えられていることがあります。これについて詳しく解説しているサイトがあります。「庭木図鑑 植木ぺディア」(https://www.uekipedia.jp/常緑広葉樹-タ行/タラヨウ/)から一部引用してご紹介します。

【タラヨウとは】

・本州中部以西の山間を原産地とする常緑樹。葉の裏面を硬い棒などで傷付けると、しばらくして傷付いた部分だけが黒く残る性質がある。戦国時代にはこの性質を利用して情報のやり取りをしたことから、「ハガキノキ」という別名がある。

・郵便局の木とされ郵便局前に植栽されることもある。ハガキ(葉書)の語源になったという説もあり、現代でも定形外郵便としてハガキに利用できる(ただしタラヨウの葉に限らない)。

・弘法大師がこれを用いて字の勉強をした「学問の木」とされ、学校や寺社に植栽されることも多い。しかし本来、インドで経文を書くのに使われたのは「タラヨウジュ(=オオギヤシ、タラジュ、貝多羅樹)」というヤシ科の植物であり、本種はこれにちなんで命名されたに過ぎない。

筆者が、多羅葉の葉の裏面に竹串で文字を書いてみますと、以下の様にまるで2Bの鉛筆で書いたかのような、くっきりした文字が浮かび上がりました。

多羅葉裏面

 

確かに、紙が貴重であった昔の日本では、弘法大師のみならず江戸時代の武士の子弟も文字の手習をしたというのはよく理解できます。

散歩がてらに子供さんを連れて多羅葉の木を探し、「葉書」を書いてみると楽しいこと請け合いです。

 

 

言葉の豊富さと学力の伸び

羅針塾学習塾・幼児教室の令和二年春季講習中のある日、某学校の先生が講習時間中に訪問されました。教育に情熱を傾けておられる先生で、筆者とも時々意見交換を致します。

たまたま、新小学校一年生数名が国語辞典を引きながら漢字ノートに意味調べをしていました。小学校就学前の塾生が辞書を引き意味調べをする光景は、羅針塾では当たり前なのですが、これにひどく驚かれたのです。

「新一年生ですよね。もう、これだけの意味調べをして漢字で筆記するのですか」、と。

驚かれるのは、当然です。

その意味合いを、石井勲先生著作「石井式で漢字力・国語力が驚くほど伸びる」の「第一章 これが遊びいっぱいの漢字学習法」に、「言葉の豊富な子供ほどどんどん伸びる」という項目があります。引用してご紹介します。

言葉の豊富な子供ほどどんどん伸びる

学校の給食の献立表に「むしぱん」とかなで書かれていたため、 「虫の入っているパンが出てくるのかと心配しちゃったよ」と嘆いた生 徒がいたそうです。これは、その子供が「むし」といえば「虫」だけで、 「蒸し」という言葉があるのに気づかなかったことから起こったことでし ょう。

このように、私たちは、言葉(専門的には「内言語」といいます)でものごとを考え、認識しています。ですから、言葉の豊かな子供は、思考の幅が広く正確になります。

このとき、言葉を頭に蓄え、その意味を理解し、ものごとの概念を正 しく認識するには、日本語では何といっても漢字の力を高めることが カギを握ります。

たとえば「しかく」という言葉を想像してください。そのときどきに応じ て、この言葉を正しく認識するには、「四角」「視覚」「資格」「死角」「刺 客」といった豊かな漢字力がベースになければなりません。

ところで、岸本裕史氏(学カコンサルタント)が、小学生を対象に、 知っている言葉の数と成績の関係を調べた、非常に興味深いデータがあります。

それによれば、小学一年生では、五段階評価の成績の上位([5])、中上位([4])、中位([3])、中下位([2])、下位([1])の順に、語彙数が 7000、4000、3000、2000、1000 となっていました。何と、上位と下 位では三倍以上の差があったのです。

一方、小学六年生を調べてみたところ、成績の順に、語彙数が 37000、20000、16000、11000、8000 でした。やはり、上位と下位では 三倍以上の差が認められました。

この結果、「知っている言葉の数の多い子供ほど、成績がよい」とい う傾向が明らかにされたのです。

さらに、「読書量の多い子供ほど、成績がよい」というデータも出て います。これは、六学年全体を対象に、月間読書冊数を調べたもの で、成績が上位の子供では 38~80 冊、中上位では 10~20 冊、中位 では 3~5 冊、中下位では 1~2 冊、下位では 0 冊でした。

もちろん、学校の成績だけで子供の能力を測ることはできませんが、 岸本氏の調査は、少なくとも成績のよい子供ほど、知っている言葉の 数が多く、読書量も多いことをはっきり表しています。

日本語は、その特徴として、内容の深い言葉の多くが漢字を基本にして作られた「漢語」です。ですから、漢字に強くなるほど内容豊か な言葉をたくさん蓄えることができます。

そうすれば読む力がついて、おのずと読書の楽しさに目覚め、読 書量も増えますので、国語力が高められます。その国語力が他の教 科の理解力を高めますので、全体的に学力が向上してくることはいう までもありません。

ところが、小学校に入った子供たちが受ける国語教育、とりわけ漢 字教育には大きな問題があります。

小学校一年生が学ぶべき学年別配当漢字は、わずか八十字です (小学校六年間では合計で 1006 字*筆者注)。この数字に限定されているの は、読める漢字は同時に書けないといけないという考え方(つまり「読 み書き同時学習」)で国語を教えているためです。しかも、この「読み 書き同時学習」で子供に教えようとすると、「交ぜ書き」という極めて効 率の悪い学習を余儀なくされます。

たとえば、はじめにでも触れましたが、「予防注射」という漢字を学 習する場合、小学校一年生と二年生の配当漢字表には、四つの漢字 はどれも合まれていないために、「よぼうちゅうしゃ」とすべてひらがな で習うことになります。

三年生になると、「予」と「注」という漢字は習うので、「予ぼう注しゃ」 と交ぜ書きで表記することになります。

五年生になると「防」という漢字を習うので「予防注しゃ」となり、六年 生になって射が出てきてやっと「予防注射」とすべてを漢字で表記で きることになります。

こうして、「予防注射」と表記して読みと書きができるまでに何回も習 い直すわけですから、これを能率が悪いと言わずして何と言うでしょう。 それに子供だって混乱するばかりですし、だいたい途中で飽きてしま うでしょう。

これを解決するには、読みと書きを別にして、最初から「予防注射」 として表記し、一年生から読ませるようにするだけでいいのです。こう すれば、どんなに簡単にこの言葉を覚えられるか、容易に想像がつく でしょう。

実は、こうした「交ぜ書き」が教育現場で用いられてきたのは、幼い 子供ほど漢字よりひらがなのほうが覚えやすいだろうという誤った考 え方があるからです。くわしくは、のちほど述べますが、事実はまった く逆なのです。零歳や一歳の子供でさえ漢字ならば絵を見るように喜 んで覚えてしまうのです。

*筆者注:2017年(平成29年)に告示された新小学校指導要領で改定され、全1026字となった。義務教育で習う常用漢字2136字のうち、これら1026字を除いた残りの1110字を中学校で習うことになる。

・・・この石井勲先生著作「石井式で漢字力・国語力が驚くほど伸びる」はなんと、2001年に書かれた19年前の著作です。約20年前の教育事情から今日まで、果たして義務教育年齢の小・中学生の「国語力」、「読解力」は向上したのでしょうか。

正直なところ、「国語力」、「読解力」が向上したとはとても言えないのが筆者の実感です。

従って、前述の先生が小学校就学前の当塾生が辞書を引き意味調べをする光景に驚かれるのは、現状の小学校では有り得ないことなのでしょう。

笑う門には

羅針塾学習塾・幼児教室では春の講習が無事に済みました。

令和二年の1月から4月まで、武漢ウィルスの日本での蔓延が時々刻々伝えられ、また欧米諸国の感染者数が日々伝えられると、大人のみならず子供達の精神衛生上、少なからず影響が大きいと考えました。

そこで、ザ・ドリフターズのメンバーで武漢コロナウィルスによる肺炎の為、令和二年三月二十九日に七〇歳で亡くなられた志村けんさん追悼「8時だヨ!全員集合」大観賞会を塾内で実施しました。

無論、「8時だヨ!全員集合」は1970年代から1985年までの番組ですから、現在の塾生は全く知りません。塾生のお父さんもお母さん方も年代によっては、旬がずれればご存知ではない。

さて、どんな反応が?

ひたすら学びに集中している塾生に、前もって告知する事なく、昼食後に突然「今日は、皆さんに志村けんさん追悼の番組をお見せします」と言って、始まり、始まり・・・

面白い事、楽しい事は、時代を超えて塾生に伝わります。

大爆笑!、大爆笑!!、大爆笑!!!

腹を抱えて、大笑い。椅子から転げ落ちたり、床に寝転がって、大声をあげての大笑い。男子女子の差なく、大笑い。

約40年前後の年代の差があるにもかかわらず、令和二年の子供達が、昭和の子供達の生放送の舞台を鑑賞する際にあげる歓声や拍手と、シンクロして(同調して)、「8時だヨ!全員集合」の映像に向かって拍手し、歓声を挙げ、大笑いしたのです。

筆者も驚きました。

笑うツボは世代に関係なく、同じ。普遍的な笑いを志村けんさんは提供していたのです。

勿論、ドリフターズのリーダーいかりや長介、加藤茶、仲本工事、高木ブーさん等との掛け合いから生まれた絶妙の間、笑いが現代の塾生にも大受けだったのです。

「笑う門には福来たる」 武漢ウィルスに負けず終息するまで、元気に学びを続けていく。「笑う」ことは免疫力を上げる大きな手段です。

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